新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

アニメ映画

『映画 ゆるキャン△』と地域振興

『映画 ゆるキャン△』見てきた。舞台は原作・TVアニメの数年後、名古屋の出版社で働いているリンのもとに、山梨県で地域振興の仕事をしている千明が訪ねてくる。リンの何気ない発言をきっかけに、富士川町高下地区にある使われなくなった施設をキャンプ場に…

クレヨンしんちゃん映画全部見た(2008~2022)

前回の記事では、第1作目から第15作目までのクレヨンしんちゃん映画について見てきた。kyuusyuuzinn.hatenablog.com本記事では、第16作目『ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者』から、今年公開されたばかりの第30作目『もののけニンジャ珍風伝』までを解説していこう…

クレヨンしんちゃん映画全部見た(1993~2007)

今年4月22日、記念すべき第30作目のクレヨンしんちゃん映画『クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』が公開される。ちょうど良い機会なのでこれまでのクレしん映画を第1作目から順に見直してみた。今回はまず、第1作『クレヨンしんちゃん アクション仮…

『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』観てきた感想

『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』見てきたけど、マジで百合だった。 結城明日奈と兎沢深澄はお嬢様学校で成績トップクラスの秀才で、皆に隠れて格ゲーをプレイするゲーム仲間でもあった。深澄はミトというプレイヤー…

『ドラえもん のび太の新恐竜』と羽毛恐竜について

藤子・F・不二雄が手がけた作品でも、それ以降の作品でも、ドラえもん映画は常に、その時々の最新の学説を取り入れて子ども達に紹介してきた。その中でも繰り返し登場してきたのが恐竜だった。最初のドラえもん映画『のび太の恐竜』では、当時まだ発見されて…

『劇場版 メイドインアビス 深き魂の黎明』感想

昨日、劇場版『ハイスクール・フリート』を観た後に続けて『メイドインアビス 深き魂の黎明』を観たのだが、もうね…本当にね…きついっす…。『となりのトトロ』は『火垂るの墓』と同時上映だったと言われているが、それに匹敵する落差である。本編が始まる前…

世界は不公平だ。それでも頑張る意味はある。―『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』

デジタル大辞泉の解説 こうへい【公平】 すべてのものを同じように扱うこと。判断や処理などが、かたよっていないこと。また、そのさま。大辞林 第三版の解説 こうへい【公平】 かたよることなく、すべてを同等に扱うこと(さま)。主観を交えないこと(さま…

『ドラえもん のび太の月面探査記』の作品構造

「定説の世界」と「異説の世界」 教室で「月にはウサギがいる」と言ってバカにされたのび太は、異説クラブメンバーズバッジで「月の裏側には文明がある」という異説が本当になった世界を創造し、そこでムービットという生物を作り、彼らは月面のクレーターで…

初めてできた同い年の友達、そして「努力」と「労働」と―『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』感想(ネタバレ注意)

生み出してくれる人がなかったら、それを味わったり、楽しんだりして消費することはできやしない。生み出す働きこそ、人間を人間らしくしてくれるのだ。 これは、何も、食物とか衣服とかという品物ばかりのことではない。学問の世界だって、芸術の世界だって…

のぞみぞ概念

生まれて初めて同じ映画を2度映画館で見た。原作を読むだけでは全然理解できなかったのに、映画を観て、ツイッターやブログで多くの人の感想を見て、再び映画を観ると、自分の中でようやく「のぞみぞ概念」が確固としてきました。希美とみぞれが2年生の頃の…

『リズと青い鳥』は傘木希美の嫉妬と敗北と諦めの物語である

映画冒頭、学校の階段や廊下を一緒に歩く希美とみぞれ。2人は決して並ぶことはなく、常に希美が前を行く。朝の音楽室、みぞれが希美に寄りかかろうとする瞬間に、希美は席を離れて行ってしまう。みぞれが一人で希美の方を見ている時も、希美の周りにはいつも…

起こり得たかもしれない愛の形―『さよならの朝に約束の花をかざろう』感想

人間のグループ間には遺伝的差異が注目に値するほど無いということ (中略) は、ア・プリオリな、あるいは必然的真理ではなく、進化史における偶然の事実である。世界はもっと違った形で秩序づけられたかもしれないのである。例えば我々の祖先であるアウス…

光遺伝学と劇場版『ソードアート・オンライン』の話

最近、光遺伝学という言葉をよく耳にするようになりました。光遺伝学(オプトジェネティクス)とは、まあ簡単に言ってしまえば、光によって神経細胞の状態を制御し、マウスのうつ状態を改善させたり、マウスの記憶を書き換えたり、記憶のメカニズムを解明し…

『アニバタ Vol.16 特集 聲の形』に寄稿しました

コミックマーケット91にあわせて発行される『アニバタ Vol.16 特集 聲の形』に寄稿しましたので、お知らせいたします。アニバタ Vol.16 [特集]聲の形 | アニメ・マンガ評論刊行会アニバタとは、たつざわさんが代表をされているアニメ・マンガ評論刊行会が発…

『劇場版 艦これ』感想(ネタバレ注意)

『劇場版 艦これ』見てきたよ~。私は普段はほとんど映画館に行かないのですが、今年は『シン・ゴジラ』『聲の形』に引き続き、3度も映画館で見た感想を書くという異例の年となりました。ちなみに、『君の名は』と『この世界の片隅に』にはまだ見てないので…

『聲の形』の西宮結絃きゅんが可愛すぎて生きるのが辛い!

熊本地震以降の修復工事が先日終わったばかりのTOHOシネマズ光の森で、映画『聲の形』を見てきました。会場は、9割以上の席が埋まっていて、家族連れやら学生グループやらカップルやらがたくさん。そりゃそうだ。今日は営業再開後はじめての土曜日。映画館に…

映画『聲の形』を見る前に『たまこラブストーリー』を見直してみた

山田尚子監督の最新作である映画『聲の形』がもうすぐ公開ということで、過去の作品である『たまこラブストーリー』を見直して改めて記事を書いてみますよ~。公開当時に書いた記事はこちら→『たまこラブストーリー』ネタバレ有り感想―変化を受け入れ、想い…

『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』ネタバレあり考察―常守朱の掲げる「理想」を打ち砕く絶望的な世界の「現実」

『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』を見てきた。この映画を一言で表すなら、シビュラのない社会を目指すという理想を掲げる常守朱が、いやいや現実はそんなに甘くないよ、と強烈な挑戦状を叩きつけられる話だと言える。 常守朱の掲げる理想が打ち砕かれた瞬間…

『たまこラブストーリー』ネタバレ有り感想―変化を受け入れ、想いを伝えるまでの物語

『たまこラブストーリー』観て来ました。予告編などで示唆されていた通り、この映画はTVアニメ版の『たまこまーけっと』とはガラリと雰囲気が変わって、もち蔵とたまことの青春ラブコメが展開されていました。今回の映画を簡単に要約すれば、「変わる」とい…

ドラえもん映画と「リアリティ」―『ドラえもん のび太と鉄人兵団』私論1

小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団作者: 瀬名秀明,藤子・F・不二雄出版社/メーカー: 小学館発売日: 2011/02/25メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 270回この商品を含むブログ (34件) を見る私はまだ中学生の頃、はじめて『パラサイト・イヴ』を読んでSF小…