新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

ライトノベル

『月とライカと吸血姫』第2巻感想

月とライカと吸血姫 2 (ガガガ文庫)作者: 牧野圭祐出版社/メーカー: 小学館発売日: 2017/04/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る第1巻に引き続き、第2巻も本当に素晴らしかったです。国家(特に旧ソ連のような全体主義的な国家)において、個…

『月とライカと吸血姫』第1巻感想

月とライカと吸血姫 (ガガガ文庫)作者: 牧野圭祐出版社/メーカー: 小学館発売日: 2016/12/28メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 旧ソ連の宇宙開発 『月とライカと吸血姫』読みました。近年のガガガ文庫の中で最高の作品です。まず第一に、旧ソ連…

ありがとう、『ゼロの使い魔』

以前にも書いたことがあるが、私が生まれて初めて読んだライトノベルは『ゼロの使い魔』だった。2000年代後半に猛威を振るった釘宮病は、当時中高生だった私にも強い影響を及ぼしており、『灼眼のシャナ』や『ハヤテのごとく!』などと同じく釘宮理恵が出演し…

権力者の抱える孤独とルサンチマン―『いでおろーぐ!』第5巻感想

いでおろーぐ!5 (電撃文庫)作者: 椎田十三,憂姫はぐれ出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2016/10/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る『いでおろーぐ!』第5巻、素晴らしかったです。この手のラノベに有りがちな非常に無難なエンディングにな…

『どうでもいい 世界なんて』感想

どうでもいい 世界なんて: ークオリディア・コードー (ガガガ文庫 わ 3-20)作者: 渡航(Speakeasy),saitom出版社/メーカー: 小学館発売日: 2016/07/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る主人公の上司がウェイウェイ系の戦闘科メンバーに連れて…

『女の子が完全なる恋愛にときめかない3つの理由』考察

女の子が完全なる恋愛にときめかない3つの理由 (電撃文庫)作者: 土橋真二郎,白身魚出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス発売日: 2016/07/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るう~ん、なんかよく分からない作品だった。でも…

土橋真二郎作品の世界―『扉の外』『ツァラトゥストラへの階段』

土橋真二郎さんが文章を書き、白身魚さんがイラストを描いたライトノベル『扉の外』『ツァラトゥストラへの階段』を今更ながら読みました。私が思うに、彼の作品の素晴らしい点は、ゲーム性の強い世界観を有すると同時に、登場人物の心情や心理状態なども丹…

『いつか世界を救うために』ネタバレ有り感想

いつか世界を救うために -クオリディア・コード- (富士見ファンタジア文庫)作者: 橘公司(Speakeasy),はいむらきよたか出版社/メーカー: KADOKAWA/富士見書房発売日: 2015/07/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (7件) を見る (富士見ファンタジア文庫)" t…

『そんな世界は壊してしまえ』第2巻―特に意味のないおもらし描写が読者を襲う!

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ…荒廃した東京で朱雀とカナリアがトップに上り詰めるまでの物語だと思って『そんな世界は壊してしまえ』第2巻を読み始めたら、いつの間にか、鶉野珠子ちゃんのおしっこおもらしを描く物語になっていた…な…何を言ってるのか…

「愛」と「多様性」にまつわる物語―『この大陸で、フィジカは悪い薬師だった』

『ひとつ海のパラスアテナ』*1に続く鳩見すたさんの新作ラノベ『この大陸で、フィジカは悪い薬師だった』を読みました。ここに来てようやく、鳩見すた作品の根底に流れるテーマが見えてきた気がします。それはすごく月並みな言葉かもしれないけれど「愛」と…

『アオイハルノスベテ』、堂々完結!

アオイハルノスベテ4 (ファミ通文庫)作者: 庵田定夏,白身魚出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2015/11/30メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見るアオイハルノスベテ5 (ファミ通文庫)作者: 庵田定夏,白身魚出版社/メーカー: KADOK…

『ただ、それだけでよかったんです』に書かれていること

ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)作者: 松村涼哉,竹岡美穂出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス発売日: 2016/02/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (6件) を見る 「人間力」を測る「仕組み」が潜在的に抱えている問題点 私は…

細かすぎて伝わらない『陽炎、抜錨します!』(第7巻)の萌え(燃え)ポイント

関連記事:細かすぎて伝わらない『陽炎、抜錨します!』(第1~3巻)の萌え(燃え)ポイント - 新・怖いくらいに青い空 関連記事:細かすぎて伝わらない『陽炎、抜錨します!』(第4~6巻)の萌え(燃え)ポイント - 新・怖いくらいに青い空 第7巻 艦隊こ…

細かすぎて伝わらない『陽炎、抜錨します!』(第4~6巻)の萌え(燃え)ポイント

第1巻から第3巻までの萌え(燃え)ポイントについてはこちら→細かすぎて伝わらない『陽炎、抜錨します!』(第1~3巻)の萌え(燃え)ポイント - 新・怖いくらいに青い空 第4巻 艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!4 (ファミ通文庫)作者: 築地俊彦…

細かすぎて伝わらない『陽炎、抜錨します!』(第1~3巻)の萌え(燃え)ポイント

第1巻 艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! (ファミ通文庫)作者: 築地俊彦,NOCO出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2013/11/30メディア: 文庫この商品を含むブログ (22件) を見る横須賀鎮守府へ転属となった陽炎。別れ際に不知火と抱擁。 冒…

『安達としまむら』第5巻―安達にとっての「存在の耐えられない軽さ」

安達としまむら (5) (電撃文庫)作者: 入間人間,のん出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス発売日: 2015/11/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る『安達としまむら』の安達がもう大変なことになってた。これはもう完全にしまむ…

『そんな世界は壊してしまえ -クオリディア・コード-』考察

そんな世界は壊してしまえ ‐クオリディア・コード‐ (MF文庫J)作者: さがら総(Speakeasy),カントク出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー発売日: 2015/10/23メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件) を見る『変体王子と笑わない猫』を読んだ時も…

『いでおろーぐ!』第3巻感想

いでおろーぐ! (3) (電撃文庫)作者: 椎田十三,憂姫はぐれ出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス発売日: 2015/11/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 反恋愛主義者のくせに相変わらず高砂も領家もスゲー軟弱だよなあ。第3巻…

反恋愛主義のプロパガンダ小説『いでおろーぐ!』第2巻考察

はじめに (電撃文庫)" title="いでおろーぐ!2 (電撃文庫)">いでおろーぐ!2 (電撃文庫)作者: 椎田十三出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス発売日: 2015/09/19メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るプロパガンダという言葉を辞書…

「空気」への抵抗―『うちのクラスの頼りないラスボス』『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』

最近読んだ2つの本が偶然にも似たようなテーマを扱っていたので、まとめて感想を書くことにする。 うちのクラスの頼りないラスボス うちのクラスの頼りないラスボス (HJ文庫)作者: 望公太,鈍色玄出版社/メーカー: ホビージャパン発売日: 2012/12/27メディア:…

『アオイハルノスベテ』第3巻―学校空間で起こり得る全ての出来事は「輪月症候群」と同じである

アオイハルノスベテ3 (ファミ通文庫)作者: 庵田定夏,白身魚出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2015/05/30メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る『アオイハルノスベテ』第3巻読みました。相変わらず、前半の日常パート・ラブコメ…

反恋愛主義の入門書『いでおろーぐ!』

『いでおろーぐ!』の反恋愛主義 かつてジョン・レノンは、国も宗教もない、所有という概念すらもない、皆が平和に暮らす世界を想像してごらんと言った。本作のヒロイン・領家薫なら、それに加えてこう言うだろう。想像せよ! 恋愛も生殖もない、男女の間に一…

『ひとつ海のパラスアテナ』のアキちゃんがボーイッシュで可愛いすぎる

ひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)作者: 鳩見すた,とろっち出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス発売日: 2015/02/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る『ひとつ海のパラスアテナ』を読んだ。少女がたった一人で大海原を旅す…

『アオイハルノスベテ』第2巻―日本的空気感の打破と「今」を全力で生きるということ

アオイハルノスベテ2 (ファミ通文庫)作者: 庵田定夏,白身魚出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2014/11/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る 庵田定夏作品の特徴 正直、読み始めた当初は「あんまり面白くないな」と思ってい…

『アオイハルノスベテ』―世界を変えるために「祭り」を起こす才能とは何か?

アオイハルノスベテ (ファミ通文庫)作者: 庵田定夏出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン発売日: 2014/09/29メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る『ココロコネクト』の庵田定夏と白身魚のコンビが贈る新作ラノベ『アオイハルノスベ…

『安達としまむら』第3巻―圧倒的な「温度差」の描写に惚れ惚れする

安達としまむら (3) (電撃文庫)作者: 入間人間,のん出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス発売日: 2014/08/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る『安達としまむら』第3巻まで読みましたが、相変わらず凄いですね、安達さんの…

『ニーナとうさぎと魔法の戦車』に描かれた反戦・反核の思想

ニーナとうさぎと魔法の戦車 8 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)作者: 兎月竜之介,BUNBUN出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/06/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る見事なエンディングだった。最後の最…

『俺の目を見てボクと言え!』を読んで「ボクっ娘」と差別の問題について考えてみた

日本語の中には無数の一人称代名詞があふれている。私は男だが、普段話し言葉で自分を表す場合には「俺」を使う事が多い。先輩や先生の前では「僕」、かしこまった場面や文章中では「私」を使う頻度が増える。本や漫画の中では、これ以外にも、「わし」「お…

科学的思考とは何か―『斉藤アリスは有害です。』私論

非科学的なオカルト・迷信・呪いの類を科学的に否定する方法は2つあると思う。1つ目は、一見すると非科学的で超常現象にしか見えないそれが、よくよく調べてみると実は科学的に説明の付く現象だったというパターンだ。かつては神などの超常的な存在を持ち出…

『ガールズ&パンツァー』を見るなら、『ニーナとうさぎと魔法の戦車』も合わせて読んでおきたいところ

アニメ『ガールズ&パンツァー』の大ヒットによって、戦車と萌えの融合がにわかに注目されているが、戦車と萌えと言ったら、スーパーダッシュ文庫の『ニーナとうさぎと魔法の戦車』を忘れてはいけない。両作品は、戦車に乗って戦う少女達が描かれているという…

『ココロコネクト アスランダム』私論―「あなた」と繋がりたいという思いが「世界」を変える

はじめに ついに『ココロコネクト』が終わってしまった・・・。正確に言えば、まだ短編集を出す予定があるとのことだが、文研部7人と〈ふうせんかずら〉が繰り出す『現象』をめぐる物語は、ついに終わりを迎えてしまったのだ・・・。何だろう、この寂しさは…

『安達としまむら』に描かれた閉塞的な百合の世界

『安達としまむら』のような百合を前面に押し出したライトノベルは、入間人間が書かなくても遅かれ早かれ誰かが書いたと思う。『らき☆すた』『けいおん!』『Aチャンネル』『ゆゆ式』をはじめとする日常系4コマ漫画を原作とする作品群、『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト…

当ブログが追いかけてきた『ココロコネクト』論の系譜について

(この記事は、私が以前に書いた『ココロコネクト』考察まとめ - 新・怖いくらいに青い空という記事に寄せられたコメントに対する返信のつもりで書きました。コメント内容については該当記事をご参照ください。)ごんさんへ。コメントありがとうございます。…

『ソードアート・オンライン』は、「新しい技術がどのようにして社会を変えてゆくのか」という人類の進歩に関わる根源的なテーマを扱った作品

『ソードアート・オンライン』を読んでいる時のワクワク感は半端ない。この小説って本来は仮想空間におけるバトル物・ラブコメに分類されるんだろうけど、私はこの作品を、新しい技術や新しい世界に対して、人類がそれとどのように向き合い社会を変えていっ…

『ココロコネクト』と『氷菓』から絆について考える

『ココロコネクト』における絆 ココロコネクト ステップタイム (ファミ通文庫)作者: 庵田定夏,白身魚出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2012/06/30メディア: 文庫 クリック: 18回この商品を含むブログ (18件) を見る『ココロコネクト』のアニメ版が…

『ココロコネクト ユメランダム』私論―「能力の行使」と「自分の意志を持つこと」

はじめに ココロコネクト ユメランダム (ファミ通文庫)作者: 庵田定夏,白身魚出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2012/02/29メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 58回この商品を含むブログ (24件) を見るアニメ版のキャストも決まり、いよいよ盛り上が…

『スクール・デモクラシー!』と現代民主主義の問題点

スクール・デモクラシーの暗部 スクール・デモクラシー!1 (講談社ラノベ文庫)作者: 吉村夜,鍋島テツヒロ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/02/02メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (9件) を見る『スクール・デモクラシー!』は…

『これからの正義の話をしよっ☆』を読んで、これからのバレンタインデーの話をしよう

第1章 問題の提起 これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学作者: マイケル・サンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/05/22メディア: 単行本購入: 483人 クリック: 15,840回この商品を含むブログ (587…

『ココロコネクト』の思想3―ディスコミュニケーション論の「その先」へ

2月末に『ココロコネクト』の最新巻が発売されるという事で、今から楽しみにしているが、今日はこの作品が描く「絆」の形について述べてみようと思う。さて、「絆」とは何だろうかと考えた時に、それは「互いの欠点も許容できるほどの強固な関係性」の事だと…

『ココロコネクト』の思想2―「世界を変える」ということ、「仲間を信頼する」ということ

はじめに 前回の記事『ココロコネクト』の思想1―「悩み」を解決するためのヒントでは、『ココロコネクト』の第1巻から第3巻までの内容について考察した。今回は、それに続いて第4巻、短編集である第5巻、そして先日発売されたばかりの第6巻について考察して…

『ココロコネクト』の思想1―「悩み」を解決するためのヒント

はじめに 『ココロコネクト』の舞台は私立山星高校の文化研究部。そのメンバーである八重樫太一・永瀬伊織・稲葉姫子・桐山唯・青木義文は、〈ふうせんかずら〉という謎の存在によって、不思議な現象を体験させられる。第1巻では『人格入れ替わり』、第2巻で…

『バカとテストと召喚獣』とアファーマティブ・アクション―学力を取るか、多様性を取るか

掲示板まとめサイトを見ていたら、『バカとテストと召喚獣』について次のような指摘があった。 結局召喚獣って何の意味があるのかさっぱりわからん テストの点数で強さが決まるならテストの結果が全てで召喚獣いらないじゃん (ろぼ速VIP なんで失敗したか分…

『テルミー』が伝えようとしている事は―作中に垣間見える反石原・反表現規制のメッセージ

はじめに テルミー きみがやろうとしている事は (集英社スーパーダッシュ文庫)作者: 滝川廉治,七草出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/07/23メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 133回この商品を含むブログ (52件) を見る先日『テルミー』第1巻を読んで強い…

『僕の妹は漢字が読める』と日本語の変遷について―「伝えること」「伝わること」の素晴らしさ

僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)作者: かじいたかし,皆村春樹出版社/メーカー: ホビージャパン発売日: 2011/06/30メディア: 文庫購入: 16人 クリック: 1,324回この商品を含むブログ (78件) を見る最近『僕の妹は漢字が読める』といふライトノベルが話題になつ…

『とある魔術の禁書目録』と原発事故―上条当麻の言葉から脱原発への道筋を探る

上条さんは原発というシステムを絶対に認めないと思う。なぜならそれは、周辺住民や作業員の命や生活を犠牲にして、大量の放射性廃棄物という未来へのツケを残して、現代の我々が豊かな生活を送れるようにするという、誰かの犠牲を前提としたシステムだから…

桜庭一樹私論1―『GOSICK』と「大人になる」ということ

桜庭一樹と「大人になる」ということ 桜庭一樹の小説に出てくる少女たちは、複雑な家庭環境(親の再婚や家庭内暴力など)のもとに生まれ、何も分かっていないのに知ったような口を利く教師や警察官をずっと見てきた。だからこそ、彼女たちには、大人達の醜い…

『とある魔術の禁書目録』―科学、魔術、そして「再現性」について

『禁書』と再現性 もしあなたが研究者で、論文誌に自分の研究成果を投稿しようとする場合、どういった事が重要になるだろうか。まず第一に、その論文には「新規性」がなければならない。どんなに優れた研究成果であっても、それが一番でなければ意味がない。…

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』―「想いの伝わらなさ」を克服した物語

『俺妹』におけるテーマの転換 私は以前書いた記事の中で、『俺妹』は「普通と異常の境界」で起こる化学反応を描いた作品だと述べた。すなわち、「オタク文化」についてほとんど何も知らない「普通」の高校生である京介の視点を通じて、妹・桐乃の趣味である…

『バカとテストと召喚獣』についての3つの論点―試験召喚システム・強者への反抗・キャラクターの個性

はじめに 7月からアニメ『バカとテストと召喚獣』の第2期が始まる。そこで今回は、この作品を「試験召喚システム」「強者への反抗」「キャラクターの個性」という3つの観点から考察する。この記事が、これからアニメ第2期を語る皆さんの役に立ってくれたら幸…

『緋弾のアリア』に学ぶ国際政治―各勢力についての要点整理を兼ねて

(※注)『緋弾のアリア』に関する重大なネタバレがあります。原作ライトノベル9巻まで読んでない方はご注意を。 『緋弾のアリア』第8巻以降の勢力図 『緋弾のアリア』は、第5巻においてイ・ウーが壊滅し、一区切りがついたと言って良いでしょう。しかし、イ…