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新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

服装から見えてくるキャラクターの深層心理―『けいおん!!』エンディングテーマの映像について

けいおん!!の放送が終了し、かすかな寂寥感にひたっている今日この頃ですが、今回はけいおん!!のエンディングテーマについて考察します。さて、けいおん!!の後期エンディングテーマだったのが、皆さんご存じの通り『NO,Thank You!』という曲です。今日はこのエンディングの映像におけるキャラクターの服装について簡単に考察してみます。まずは、実際にエンディングの映像を見てみることにしましょう。後半の私服で歌っている場面は別として、特に前半で唯たちは制服を着ています。この制服はアニメ本編の物とは異なっており、本編でリボンだったものがネクタイに、無地のスカートがチェック柄になったりしています。面白いのが、各キャラクターの制服の着方です。簡単に言えば、服装の「乱れ方」がそれぞれ異なるわけですね。

http://youtube.com/watch?v=UKXlZtASj0M

唯と梓については、服装の乱れはほとんど見られません。ネクタイはきちんと締められているし、制服のボタンも全部止められています。梓のネクタイは若干緩んでいますが、まあ許容範囲と言えるでしょう。一方、ムギちゃんの服装を見てください。ネクタイは緩んでいるし、ボタンも外れています。少し服装が乱れている、と言ってよいでしょう。さらに、律の場合は、ネクタイとボタンに加えて、シャツの裾もスカートから出しているし、袖も少しまくしあげています。最後に澪ですが、彼女だけネクタイの結び方が違うし、制服ではなくてパーカーを着ています。もはや制服ではないという意味では、澪が最も乱れた格好をしています。

私は心理学者ではないし、服装の専門家でもありませんが、一般的に言って、制服の乱れというものは「反社会的なもの」「大人への反抗」といったことを連想させます。制服という物は、生徒たちの服装の自由を制限しているわけですから、大人による管理・監督を象徴する物と言えます。ですから、その制服を着崩すという行為は、大人による管理からの解放を象徴すると考えられます。このように考えると、やはり『NO,Thank You!』での制服の着方は、キャラクターの深層心理を表現していると言えそうです。

唯と梓については、ほとんど服装の乱れはありません。そしてこれは、本編でも同じです。すなわち「実際の服装」と「深層心理の中での服装」とが等しいということになります。唯の性格は天然ですから、おそらく「大人への反抗」とか、そういったものについて特に興味関心はないのでしょう。非常に真面目な性格の梓も、反抗的なものへの憧れはない。故にこの二人は、現実でもエンディングでも、服装の乱れはありません。「現実=深層心理」という点で言えば、律も同様です。彼女は軽音部の中で一番快活なキャラクターとして描かれていますから、服装の乱れは当然と言えるでしょう。

注目すべきはムギと澪です。この二人は本編では制服の乱れはほとんど見られませんが、エンディング映像での制服はかなり乱れています。ムギの場合、お嬢様育ちで英才教育を受けてきたのでしょうから、「大人への反抗」的なものとは無縁の環境にいるはずです。しかし、彼女は好奇心旺盛ですから、そういったものへの憧れがあったとしても不自然ではありません。だからこそ、エンディングでのムギの服装は少し乱れていたのです。そして、澪です。軽音部の中で一番真面目で、堅物で、反抗的なものから遠いところにいるはずの澪が、エンディングでは最も反抗的な服装をしているという事実。これが何を意味するのか、もはや言うまでもないでしょう。