新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

(イカ語訳)人類侵略宣言―『侵略!イカ娘』アニメ第2期によせて

アニメ『侵略!イカ娘』第1期が終わってから今日までの間に、海と人類を取り巻く環境は大きく変わったでゲソ。これまで数えられないほどのゴミや廃液を海に捨ててきた人類が、とうとう放射性物質まで海に垂れ流すようになったのでゲソ。想定外の大災害だったなんて言い訳は通用しないのでゲソ。電力会社はこれまでに何度も何度も、重大な事故や不正を繰り返し、その度に世間からバッシングを浴びてきたでゲソ。でも、ほとぼりが冷めるとすぐに原子炉の運転を再開して、電力会社や行政の問題点はずっと放置されたままだったのでゲソ。だから今回の原発事故は、立派な人災なのでゲソよ。「電力が足りない」とか「代替案がない」なんて言い訳も、もう聞き飽きたでゲソ。たとえどんなに困難でも、世の中を変えてゆく努力をすべきじゃなイカ! 無理だ無理だと言い続けていたら、自然エネルギーなんかいつまで経っても普及しないでゲソよ!

そもそも人類は自分達の便利な生活を維持することばかり考えて、他の生物のことなんか全く考えてないでゲソ。そりゃ、人類が環境破壊やら核戦争やらで滅びるのは勝手でゲソよ。でも、残された他の生物達は、人類が汚した海でどうやって生活すればいいのでゲソ? 自分さえ良ければいいなんて考えは、もう時代遅れでゲソよ。そして、これだけは知っててほしいでゲソ。昔、水俣湾に工場廃水が垂れ流されて、そこにいた沢山の魚が水銀に汚染されてしまったことがあったでゲソ。でも、その魚を食べた大勢の人間達も水銀中毒になって、何千人という人間が死に、未だに苦しんでる人もいるのでゲソ。お主達が海を汚すという事は、結局、巡り巡って自分達の首を絞めることになるんでゲソよ。…べっ、別に、お主達を心配しているんじゃないでゲソよ! このくらい脅しをかけないと、お主達はいつまで経っても変わらないじゃなイカ! だから、別に、人類のためを思って警告してやってるわけじゃないでゲソよっ!

とにかく、これ以上、海を汚すというのなら、こっちも手段を選ばないでゲソ。愚かな人類を侵略し、啓蒙してやる事が必要でゲソ。すでに「海の家れもん」を拠点として、週刊少年チャンピオンテレビ東京虚構新聞ミニストップは手中に収めたでゲソ。侵略と言っても、手荒な真似はしないので、安心するでゲソ。一昔前には、大気汚染を止めさせるために大洪水を起こして、地上文明を滅ぼそうとした天上人も居たんでゲソよ(詳しいことは『ドラえもん のび太と雲の王国』を参考にするでゲソ)。そういう連中に比べれば、私がやろうとしていることは、実に穏健で良心的だと思わなイカ? 暴力的な侵略は20世紀で終わったのでゲソ。過去の幻想を捨てきれない一部の人間が、未だにそういう野蛮な行動をしているだけなのでゲソ。侵略の方法も、刻一刻と変わっているのでゲソよ。今、時代は何と言っても、ゆるキャラと萌えでゲソ。

やっぱり、人類ごときが自然を支配できるなんて愚かな考えは、即刻改めるべきでゲソね。人類は、自然の前では謙虚でなければいけないんでゲソよ。もちろん、全ての人間がそういう傲慢な考えを持っているわけではないでゲソ。賢い人はとっくの昔から気付いていたんでゲソよ。金子みすゞの『大漁』という詩を見るでゲソ。

朝焼け小焼けだ大漁だ
オオバいわしの大漁だ
浜は祭りのようだけど
海の中では何万の
いわしの弔いするだろう

別に人類が魚介類を食べる事自体は悪いことじゃないでゲソ。私だってエビは大好きだし、それは生きてゆくために必要なことでゲソ。でも、偉大な海によって生かされているという感謝の念・畏怖の念は、決して忘れてはいけないのでゲソ。どんな生物も、海なしには生きられないのでゲソ。そのことを忘れて傲慢に生きていると、いつか痛いしっぺ返しを受けるでゲソよ。そうなりたくなかったら、まずは週刊少年チャンピオンと『侵略!イカ娘』単行本を買って、アニメ1期再放送とアニメ2期を見て、きちんと私の考えを勉強するべきでゲソ。