新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

至高の体操服フェチ漫画『群青』

体操服フェチの人に是非読んでほしい漫画『群青』

演劇に情熱を注ぐ高校生の姿を描いた青春漫画『ひとひら』で有名な桐原いづみさんが、現在連載で描いているのが『群青』という駅伝の漫画なんですが、これがもう本当に凄い、体操服フェチにはたまらない漫画なんですね。

主人公の蓬原 道は、走ることが大好きで駅伝で都大路を走ることを夢見る女の子です。しかし、彼女の入った高校には陸上部がなく、最初は部員を集めなければならないという、設定自体は実に王道なスポーツ漫画なのですが、注目すべきなのは彼女の服装です。

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いや~、体操服で走る少女、最高だと思いませんか? まあ、普通の陸上部だったら、練習の時から試合用のユニフォーム(よく箱根駅伝とかで見る、上がノースリーブになってるアレ)を着て走るのが普通だと思いますが、そこであえての体操服! この作者はよく分かってるなあと思います。というか、正式に陸上部が発足したわけじゃないので、ユニフォームその他の設備もままならない状態で、仕方なく体操服を着ているというのが実情だと思いますが。

ぶっちゃげ、陸上のユニフォームで走ってる絵を見せられても、全然萌えないでしょ? バスケ部とかがよく着てるハーフパンツなんかも論外ですよね。なんて説明したら良いんだろう。ユニフォームっていうのは、本当にその道のプロフェッショナルが着るものというイメージが強すぎて萌えないのに対して、体操服姿ってのは、純粋無垢で無邪気な感じがして実に良いですよね。よく、スパッツフェチの方がブログとかで盛んに宣伝されていますが、あれも私に言わせればダメダメですね。なんかもう、スパッツはいかにも「スポーツウェア!」「アスリート!」って感じがするじゃないですか。そうじゃなくて、より幼さや純粋さの際立つ体操服の方がはるかに可愛いと思うのです。

群青(2) (ビッグガンガンコミックス)

群青(2) (ビッグガンガンコミックス)

まずこの「1-A 蓬原 道」って書かれてるゼッケンが実に可愛らしくて良いじゃないですか。そして、純白の白地に赤いラインというシンプルなデザイン。さらには、体にピッタリとフィットするわけでもなく、体のラインを覆い隠してしまうほどブカブカというわけでもない、この絶妙なバランス。滴る汗、その汗を吸い込む純白の生地。ああ、これぞフェティシズムって感じですね。

今時の体操服にありがちなハーフパンツじゃなくて、昔ながらの短パンを着用しているところも、ポイント高いですよ。ブルマなんていう今となっては非現実的な服装は、もはや風前の灯で、今や、時代は何と言っても短パンなんですね。

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見てください。第2巻の扉絵なんか、もう狙ってやってるとしか思えないでしょ。短パンの下にあるパンティーのラインが見えるか見えないかの瀬戸際。角度によっては股下からパンティーが見えるんじゃね?と淡い期待を抱かせる絶妙な長さ。スパッツやハーフパンツでは決して味わえないギリギリの感覚ですね。

大人びたパンティーを履いている黒子よりも、スカートの下に短パンを履いている美琴の方が可愛く感じるあの感覚。露出度の高いビキニよりも、スクール水着の方が何故か萌えるというあの感覚。体操服フェチの根底にあるのは、そういう逆説的な何かだと思います。皆さん、是非この漫画を読んで体操服フェチに目覚めよう!

体操服フェチじゃなくても是非読んでほしい漫画『群青』

ここまで色々と気持ちの悪いことを話してきましたが、こういうフェティッシュな表現に優るとも劣らないのが、各キャラクター達の表情だと思います。桐原いづみという人は、何かに情熱を注ぐ少女達に宿る一瞬の輝きを捉える事に関して、天才的な才能を持っている人だなあ、と感じます。そもそも、ネガティブ思考の塊で極度の恥ずかしがり屋だった『ひとひら』の麦ちゃんから一変して、全く正反対の天真爛漫でポジティブシンキングな主人公を描くというのが、実に面白いと思います。

しかし結局のところ、私が何故この漫画に注目しているのかと言えば、一番の理由は私自身が以前陸上をやっていたからだと言えます。陸上競技というスポーツはおそらく、最もシンプルな競技で、それゆえに最もシビアな競技とも言えます。特に駅伝は、ただ黙々と走るだけという究極の個人種目でありながら、チーム全員の思いを乗せたタスキを繋ぐという団体種目でもあります。こういう地味でシンプルだけれども奥の深い「駅伝」というスポーツを、どのように描いてゆくのか、実に楽しみですね。