マウスの体細胞に酸などの刺激を与えるだけでES細胞やiPS細胞に似た万能性を獲得した細胞(STAP細胞)を得ることができる、という内容の論文がネイチャーに投稿され、その筆頭著者である小保方晴子さんの人となりなども含めて大きなニュースとなった。理化学研究所がその論文の内容について報道機関向けに分かりやすく解説しているので、興味のある方は是非読んでみてほしい。
しかし、これらの論文の一部に不自然な画像があるという指摘が複数寄せられ、実際にネイチャーやその他の関連機関が調査に乗り出したという報道がなされた。具体的にどのような問題点が指摘されているのかについて、まとめているサイトがあるので興味のある方は参照してほしい。
関連:小保方晴子が筆頭著者の論文の不適切さについて - 世界変動展望
関連:小保方博士のSTAP細胞ネイチャー論文に疑義 | 日本の科学と技術
現在、論文の関係者が総出でデータの再検証を行っている段階だと思う。また、世界中の研究者が論文に書かれてある方法で実際にSTAP細胞が作れるのかどうか追試を行っているだろう。今後、それらの検証結果が次々と出てくるので、遅かれ早かれこの問題について結論が出ることと思う。DNA関連の研究を行っている大学院生として、私もこの問題の推移を見守っている。
それはさておき、この件に関するネトウヨ達の右往左往っぷりが酷いことになっている。ここまでカオスな様相を見せている話題も珍しいだろう。2ちゃんねるまとめサイトやヤフーニュースのコメント欄なんかを見ると、ネトウヨ達の対応が3つに分かれているということが分かる。
1つ目が、早々に小保方さんに見切りをつけて「日本の恥」とか「在日臭い」とか言って徹底的に叩いているパターンだ。
- 日本の恥だこいつ
- 神戸の黄教授やな
- オラァ!いい加減出てこいや割烹着!
(【絶望】 小保方の相棒、STAP細胞が再現できないことを認める 小保方絶望の状況発生へ ジャップw 【2chまとめ】ニュース速報嫌儲板より引用)
- やっと捏造だと認めたのか 捏造した糞女引っ張り出して全力で追い詰めろ
- とりあえずの小保方は在日朝鮮人臭いから戸籍調べるべきだろ
- 逮捕してブタ箱に放り込めよこの豚女
- マスコミの理系女子ブームゴリ押し頓挫wwwww
- 小保方って よく見たらだいたい左右対称だな
- 割烹着ブーム(笑) 理系女子ブーム(笑)
- 小保方本人が徹底的に雲隠れし説明しようとしないのは、危機管理として最低最悪の卑劣。
- 第二の森口かよwwwwwwwwwwwwwww
- え~~~~もし黒だったら チョンと同じクオリティーだな
2つ目が、逆に小保方さんを擁護して「韓国政府の妨害工作」とか「マズゴミの歪曲報道」とか言っているパターン。
- 日本人の小娘にノーベル賞獲られたら発狂する人達のネガティブキャンペーンだろう
- またチョンの嫉妬かよw
- 結局は彼女に負けたのが悔しい奴らの嫉妬だろ
- 変態新聞の記事だから信用できないんだよなぁ。
- マスコミや画像のあら探しばかりしているサイトも、せめて中身を読んでから報告すべきだ。
- 売国毎日の歪曲報道に比べればささいなことや
そして3つ目が、白か黒かは現時点では分からないけど何とか本当であって欲しいと願うパターン。
- 捏造であって欲しくないと強く祈る自分がいる
- まー結論出るまではどうにもならんな。最悪の事態になることだけは避けてほしいがのう。
- 改めてSTAP細胞を作ることができれば全て解決。本当にできるのか、ちょっと不安でもある。
- オボちゃん、信じてるよ。
彼らは結局のところ、STAP細胞論文が本当に正しいのかどうかなんて全く興味が無いのだろう。彼らが気にしているのは、STAP細胞作製の一報を聞いた時に感じた「同じ日本人として誇らしい」という自尊心が今後どうなるのか、という一点だけなのだ。ネトウヨ達はただでさえES細胞論文捏造の件で韓国を散々バカにしてきたのだから、今回の件でかなり神経質になっていることだろう。実際、STAP細胞の件が本当に捏造だったなんて事になれば、韓国・中国などから何を言われるか分かったもんじゃない。常日頃から日本が一番だと信じているネトウヨにとっては、耐え難い屈辱だろう。
であるからこそ、論文を批判する側に何らかの落ち度があれば、そこを徹底的に叩き「また反日マスゴミのネガキャンが始まった」とか「チョンの陰謀」とか言って、論文が正しいという可能性にすがろうとする。逆に、小保方論文は黒が濃厚と見るや、一気に手の平を返して彼女をこき下ろし(あるいは在日認定をし)、この「日本の恥」を「なかったこと」にしようとする。そして、嘘か本当か見極めがつかない人は、「日本が韓国と同じであってほしくない!」という願望だけを振りまく発言になる。はっきり言って、このふざけたバカ騒ぎこそが、「日本の恥」以外の何物でもないと思うのだが、皆さんはどうお感じだろうか。
故意なのかそうでないのかは置いとくとしても、ネイチャーの論文の画像に訂正が必要なほどのミスがあることは最早間違いないだろう(それについては、研究チームがいずれ何らかの説明をしなければならないだろう)。そのようなミスがあること自体問題だとは思うが、もっと大事なのは、STAP細胞が作製できたという「科学的事実」が真なのか否かということだ。そしてその真偽は、世界中の研究者による追試を通して、いずれ明らかになるだろう。
我々にできるのは、小保方さんらの説明や追試の結果が出るのを待つことだけだ。論文に対する批判意見の出処や、小保方さんが在日かどうかを調べたところで、問題は一向に解決しない。