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新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選

アニメ 話数単位10選

毎年恒例のアニメ話数単位10選の季節がやってきました。今年も、ブログ「新米小僧の見習日記」さんの記事*1を参考にて、

  • 2014年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
  • 1作品につき上限1話。
  • 順位は付けない。

というルールで、最も印象深かったアニメを10話選びました(敬称略、順不同)。

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『キルラキル』、第24話、「果てしなき闇の彼方に」

脚本:中島かずき、絵コンテ:吉成曜今石洋之、演出:今石洋之大塚雅彦作画監督:すしお
関連記事:『キルラキル』と『利己的な遺伝子』 - 新・怖いくらいに青い空
関連記事:『キルラキル』と『利己的な遺伝子』(その2)―遺伝子に「着られる存在」から「着こなす存在」へ - 新・怖いくらいに青い空
私は以前の記事の中で、『キルラキル』の物語をリチャード・ドーキンス的な観点から考察するということを行ってきた。著書『利己的な遺伝子』に述べられていることを『キルラキル』風に書き直すとすれば、生物とはまさに、遺伝子に着られる「服」だ。だが、人間という「服」は理性と意志を持っている。人間は地球上で唯一、遺伝子の支配に反逆することのできる「服」だ。『キルラキル』とは言わば、遺伝子に「着られる」存在でしかなかった人間が、自らの存在理由を知り、ついには遺伝子を上手く「着こなす」存在となるまでの壮大な物語だ。その最終回を見終わった後の何とも言えない喪失感が、寂しいと思うと同時に、非常に心地良い。

僕らはみんな河合荘』、第12話、「近づきたくて」

脚本:古怒田健志、絵コンテ:米たにヨシトモ、演出:室谷靖、作画監督:梶浦紳一郎・小林利充
関連記事:『僕らはみんな河合荘』の律先輩 - 新・怖いくらいに青い空
律先輩の抱える生きづらさ、何とかしたいと思ってもどうすることも出来ない悲しさ。それでも河合荘だけは律先輩を暖かく迎え入れてくれる。そんな本作の魅力が凝縮された最終回で、おまけに後半は酔っぱらった先輩の圧倒的可愛さも堪能できるという、素晴らしい最終回。

中二病でも恋がしたい! 戀』、第4話、「無垢なる…生徒会長選挙(クイーンメーカー)」

脚本:花田十輝、絵コンテ:武本康弘、演出:武本康弘作画監督:秋竹斉一
凸守にとってモリサマーとはまさに「神」のような存在だ。彼女はただ純粋に信仰を守り続け、本物のモリサマーを探し続けている。しかし、丹生谷が中二病を卒業した以上、その「神」は永久にこの世界から消えてしまった存在だ。それでもなお凸守は、その二度と現れることのない「神」を探し続ける。一方で丹生谷もまた、部活をころころ変えたり生徒会長に立候補してみたりしながら本当の自分を探し求めているという点で、凸守とよく似ていると言える。そんな凸守とモリサマーの、たった一日だけの邂逅を美しく描いた今年一二を争う百合回。

『異能バトルは日常系のなかで』、第2話、「誤想(ミスコンセプション)」

脚本:大塚雅彦、絵コンテ:大地丙太郎、演出:宮島善博、作画監督平田雄三
私はよく、原作付きアニメを数話見てからその原作を買うかどうか決めることがあるのだが、この第2話を見終わってすぐに、私の足は本屋に向かっていた。まず前半、ノリツッコミの鳩子と、隠れ中二病の灯代が最高に可愛い。安藤さんのデレデレっぷりも、灯代・鳩子の慌てふためく姿も全てが可愛い。そして何より後半、急転直下のシリアス展開。他のアニメでは味わえないこの強烈な落差は、間違いなく今年一番印象に残る回だった。世間では早見さんの伝説的演技が光った鳩子マジギレ回(第7話)が話題になったが、自分はあえて、この作品に注目するきっかけになった第2話の方を挙げたい。

『selector spread WIXOSS』、第2話、「その絆は微熱」

脚本:岡田麿里、絵コンテ:二瓶勇一、演出:吉田りさこ、作画監督:村上雄
アキラッキー赤崎こと赤崎千夏さんの圧倒的な演技力を思う存分堪能できる回。「怪演」という言葉は彼女のためにあるのだろう。

ディーふらぐ!』、第9話、「そうだよ、あいつの妹だよ」

脚本:日暮茶坊、絵コンテ:吉村愛、演出:ふじいたかふみ、作画監督:たむらかずひこ・松本健太郎・本多孝敏・重本和佳子
カバンをかぶってギチギチになった船堀さんと、ゲーム制作部のメンバーに怯えて泣いちゃう風間妹。この2人の「ピンチヅラ」*2を思う存分堪能できる爆笑必至の回。

ニセコイ』、第9話、「オンセン」

脚本:大嶋実句、絵コンテ:阿部記之、演出:宮原秀二、作画監督:伊藤良明・高野晃久・清水勝祐・武本大介・河島久美子・築山翔太
関連記事:『ニセコイ』第9話の変顔を原作と比較してみた - 新・怖いくらいに青い空
この回は主に、(1)バスの中、(2)旅館でのババ抜き、(3)女湯、という3つの場面からなっているが、その全てが非常に高いクオリティで描かれていた。特に、原作を忠実に再現した変顔描写は爆笑必至の出来だった。

ヤマノススメ セカンドシーズン』、第5話、「ゆるして、あげない!」

脚本:山本裕介、絵コンテ:寺東克己、演出:羽多野浩平、作画監督:赤尾良太郎
せっかくの山アニメなのに登山してない回を挙げるのもどうかと思ったが、あおいとひなたが可愛すぎるから選ばないわけにはいかない。しかも、ただ可愛いだけではなく、些細な喧嘩によって生じた心の動揺と、そこから2人の関係を見つめ直し、素直に自分の気持ちを伝えて仲直りするまでの流れを15分の中に凝縮し、見た後に幸せな気持ちになれるような回だった*3

PSYCHO-PASS サイコパス 2』、第1話、「正義の天秤〈299/300〉」

脚本:熊谷純、絵コンテ:鈴木清崇、演出:サトウユーゾー、作画監督:普津澤時ヱ門
常守朱という人物は正真正銘のヒューマニストだ。シビュラシステムによって国民を選別し、犯罪係数を計測して「危険」と見なされた人物を有無を言わさず排除してしまう世界においてただ一人、朱だけが、罪を犯した人間にも手を差しのべ更生させようと努めている。思えば第1期の1話でも、ドミネーターを使おうとした執行官を新米監視官だった朱が体を張って制止していた。また、同僚の監視官(第1期は宜野座、第2期は霜月)から批判を受けながらも自分の正義を貫いたという点も共通している。機械によって善悪が判断される世界で、それでもなお人間の可能性と尊厳に重きを置き、人間本位の法と正義を追求しようとする朱のスタンスが1話の中でよくまとめられていた。

『結城友奈は勇者である』、第9話、「心の痛みを判る人」

脚本:村田治、絵コンテ:平井義通、演出:平井義通、作画監督:山口飛鳥・阿部達也
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今ここで敵と戦えるのはあなた達だけなんですよ、という無理やりな状況を提示して、勇者達の自己犠牲を「仕方のないもの」と位置づけ、彼女らの自己犠牲精神を賛美する醜悪な構造。自分の心の中に何とも言えない「気持ち悪さ」を残していった回。作品の良し悪しやインパクトは別にしても、ブログで議論する価値のある回だと思ったので選出した。