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新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

細かすぎて伝わらない『陽炎、抜錨します!』(第7巻)の萌え(燃え)ポイント

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第7巻

曙を一人ぼっちにしたら何分後に泣き出すか賭けをしようとか言い出す長月。皐月「ボクは五分後だと思うなあ」、長月「ちょっと長いな。三分だろう」、霰「十秒もたないと思う……」(9頁)

  • 霰さん、意外と曙に対して畜生度高めでワロタ。これは完全に私の想像ですが、霰は曙を見て、かつての同僚艦である霞のことを思い出しているのかもしれません。なので、口が悪くて素直になれない艦娘を見ると、ついついこんな風にからかって遊びたくなるのかもしれませんね。

姉妹艦についての説明→「艦娘における『同型艦』『姉妹艦』というのは、艤装の型式が同じものを指す。血縁関係があるわけではない。とはいえ実際の姉妹がそのまま艦娘になるケースも一応存在する」(24頁)

  • 陽炎抜錨の世界では普通の人間が艦娘に志願して、適性のある者が艤装と艦名を与えられて艦娘になるので、基本的には同型艦であっても元は赤の他人どうしなわけですが、どの艦になるかという「適性」の決定には「遺伝」的な要素も関係してくるんじゃないか、と私は何となく考えていました。なので、戦艦を多く輩出してる一族とか、○○型駆逐艦を多く輩出してる地域、みたいなものが存在してもおかしくないと思っていました。事実、「実際の姉妹がそのまま艦娘になるケースも一応存在する」と書かれているので、私が予想していた通りの設定であると言えるでしょう。

7名の夕雲型駆逐艦の指導係をつとめることになった陽炎たち。誰が最後まで訓練について来れるかの賭けで、曙は朝霜を選ぶ。 → 自分と似た娘を選んだだけだろと突っ込まれる曙 → 曙「正当な判断よ。だいたいあたしのどこが朝霜に似てんの」、皐月「生意気なところかなあ」、曙「あたしは生意気じゃないわよ。大人しい方。つきあい長いんだから分かるでしょ」、皐月「思い込みってすごいなあ」(62頁)

  • まあ二人とも生意気であることは間違いないけれど、朝霜は何かガキ大将的な生意気さがあるのに対して、曙の場合はただひねくれてるだけだと思います(名推理)

艤装の建造工程について愛宕から説明を受ける陽炎。どういう訳か、ここで普通に建造できる艤装と、そうでない艤装とがあるらしい。愛宕「深海棲艦を倒すことによって海域を取り戻すか、敵を倒すこと自体で偽装が建造可能になるのよ。どういう理屈かさっぱり不明なのだけれど」(77頁)

  • なるほど。ゲーム版の艦これは、資材によって普通に建造できる艦娘と、あるイベントのクリア報酬で入手できる艦娘とがあるわけですが、その設定を小説版ではこのように解釈したのですね。

夕雲から私たちは全員同期で候補生になったと聞き、ああだからこの娘達はみんな仲良しでいつも一緒にいるんだ、と納得する陽炎。「なんとなく、彼女たちの画一性が理解できた。同型艦なのだから気があう少女たちであり、根が真面目なタイプが集まったのだろう」(126頁)

  • アニメ版の第六駆逐隊みたいに、どこへ行くにもずっと一緒にいるこの一体感がホント可愛いです。

それにしてもお前ら真面目すぎやろ、もっとギンバイとかしろよ、と教官らしからぬことを言う陽炎 → よりにもよって鳳翔さんの店からギンバイしようとして捕まる朝霜・長波・清霜 → 陽炎「なに命知らずなことしてんのよ!」、朝霜「陽炎さんを見習おうと思って」、陽炎「なんで馬鹿正直にギンバイしようとすんの」、朝霜「このお店はまずかったんですか」(134~135頁)

  • ゲームの中じゃ提督にもタメ口で「壁に手つきなよ!」とか言ってる朝霜が、陽炎を「さん」付けで呼んで敬語使うとかwwwww 朝霜にもこんな初々しい時代があったんだなあ。かわいいのう、かわいいのう。

「勇気にはサービスしないと」と言ってサイダーを差し出す鳳翔さん。目を輝かせて「いただきます」と言い、幸せそうにサイダーを飲む3人。

  • お前ら絶対反省してないだろ。てか、可愛すぎだろwww

何で店には3人しかいなかったのか、他の娘はどうしてるのか、と尋ねる陽炎 → 朝霜「そろそろ部屋に帰った……あ、いや」「部屋で休んでるんじゃないでしょうか。訓練が凄く疲れたとか言ってましたから。本当です」 → 夕雲の部屋に向かう陽炎 → 途端に焦り出す朝霜「あんなとこ狭いですよ。こんなに大勢じゃ窒息します大量殺人です」(138~139頁)

  • 朝霜、墓穴掘りすぎやろwwwww 慌て過ぎ、言い訳下手すぎ、ゲーム版とキャラ違い過ぎwwwww 何なの、この娘、マジで可愛すぎるんですけど!

朝霜たちが店に行ったのは実はフェイクで、その隙に他のメンバーが食堂から缶詰などをギンバイしていたことが発覚! 陽炎たちに桃缶を差し出す夕雲「訳あって、みんなで集めているんです。見逃してもらえたら一生恩に着ます」(141頁) → 夕雲たちに説教しながら、上手いギンバイの方法を伝授する陽炎。

  • あんた嚮導なのに何言ってんだwwwww

さらに続けて、人気の訓練海域を押さえる方法を伝授する陽炎「全部の海域でできる限り色んな人の名前使って申請を出すの。それから認められた海域を駆逐艦同士で取引すんのよ」「訓練海域をお菓子や果物で売り買いするわけ。週に一回、第八駆逐隊の朝潮んとこで市場が立つわよ」「今度連れてってあげるから。顔つなぎしときなさいよ」(144~145頁)

  • 闇市の元締めみたいなポジションになってる朝潮さんクソワロタwwwww

改装を終え、改二になった潮。そして、夕雲型の教育が終わったら第十四駆逐隊を解散し、皆を元の艦隊に戻すことが決定される。その事実を聞かされ、ショックで言葉を失う曙。

鳳翔さんの店に一人で行き、鳳翔さんに自分の気持ちを話す曙。潮が改二になって遠くへ行ってしまうようで辛い…。陽炎が秘書艦になって私から離れてしまうようで悲しい…。第十四駆逐隊がなくなって仲間が離ればなれになるのがたまらなく寂しい…。

  • あけぼの!(´;ω;`)ブワッ 苦しい…もう読んでるだけで胸が張り裂けそう…

曙の言葉を聞いて鳳翔さんが語り始めます。提督と一緒に試行錯誤を繰り返した日々。愛する提督を守るために危険な任務にも真っ先に志願したこと。やがて自分より性能のいい艦娘が増えて出撃機会が減っていき、疎外感を覚えるようになったこと。そして、今は辛くても時間が経てばきっと良くなる、と曙にアドバイスする鳳翔。

  • 鳳翔さん!(´;ω;`)ブワッ なんてことだ…なんてことだ…

さらに曙が語ります。「細かいことなんて気にしないで、今を精一杯楽しむってのもあると思うんです。(中略)でも、あの娘やみんなに罪があるわけじゃないのに、顔を合わせたらそっぽを向きます。きっと口を開けたら毒しか吐かなくなる。そんな自分がとても嫌です。だから……だから昼は任務に集中して、夜はなるべくこうやって会わないようにしてます。その方が、きっといいんです」(183頁)

  • ああ、そうか、そうだったんだ…。曙は他人が嫌いなわけではない、艦娘が嫌いなわけでもない。ただ、自分のことが嫌いなだけだったんだ。かつては、敵に怯えて何もできなかった自分が、他人とぶつかることしかできない不器用な自分が、心の底から嫌いで仕方がなかった。そんな自分はもういない。陽炎と出会って曙は変わった。でも今度はまた、自分の中にある気持ちと向き合えない、気持ちを素直に伝えられない自分のことが、たまらなく嫌いになってしまっている! こんな風にずっとずっと、自己嫌悪の海の中でもがき苦しんできたのが、曙という少女だったんだ!

話を盗み聞きしていた陽炎たちが飛び出してきて曙に抱きつく。陽炎「寂しがらせてごめん、本当にごめんね!」、潮「全部聞きました。寂しがらせてごめんなさい!」、皐月「曙、ボクらに言ってくれればいいのに!」、長月「私たちはいつだってお前の仲間だ!」、霰「曙のこと、受け入れるから……大丈夫」、曙「ああああんたたち!」(184~186頁)

  • ああ~~~心がポカポカするんじゃ~~~! 本を読んでて、こんなにも暖かく幸せな気持ちなれたのは、本当に久しぶりです。十四駆の皆と共に過ごした暖かな日々の中で、凍りついた曙の心がゆっくり少しずつ暖まっていく、そんな陽炎抜錨のストーリーを象徴するような最高のシーンです。思い返せば、第1巻で大喧嘩した後、皆で抱き合って泣いた輪の中に曙はいませんでした。でも今、幾多の困難を乗り越えて大きく成長した6人の輪の中心には、曙がいる! 艦これ史に残る名場面です! 曙、万歳! 第十四駆逐隊、万歳!

空母・千代田と一緒に出撃することになりガチガチに緊張する清霜「戦艦にもなりたいですけど、軽空母にもなりたいです!」(192頁)

  • 清霜可愛い!ホント可愛い!頭なでなでしたい!

敵を倒した後も周辺海域で落ち着きなく何かを探している夕雲型駆逐艦。理由を尋ねるとどうやら、夕雲たちの同期にはあと一人「風雲になるはずだった少女」がいたのだが、例の「特定の深海棲艦を倒さないと艤装が完成しない」システムのせいで彼女だけ艦娘になれなかったらしい。なので他の夕雲型は、一日も早く風雲を着任させるために敵を倒そうと躍起になっているようです。

  • なるほど、これは面白い設定ですね。例えば第四駆逐隊とかも、最初は舞風だけが着任していて他三人の艤装は建造できなかったけれど、その後敵を倒したことでようやく野分・嵐・萩風が着任できて四人が再会を果たす、みたいな物語があるんだろうなという想像が膨らみますね。

夕雲型駆逐艦が出撃命令書と艤装使用許可書を偽装して勝手に出撃→陽炎「もう、誰よこんな手段教えたの!」「あたしか……」(223頁)

  • ほら言わんこっちゃないwwwww

空母棲姫に遭遇した夕雲型を救うため出撃しようとする陽炎たち。そこになんと神通さんと鳳翔さんも加わり一緒に出撃!

空母棲姫を追い詰めた第十四駆逐隊。もしここで奴を逃がせば、私たちはまだ一緒に戦える、隊も解散されることなくいつまでも一緒にいられる…そんな一瞬の迷いを自ら吹き払うように曙が叫びます。「だから早く撃って!あいつをここで倒して!!」(261頁)→陽炎の魚雷が命中し沈んでいく空母棲姫。→その後、無事に風雲の艤装建造にも成功。

  • 敵の断末魔の叫び声、そして、再会の喜びを分かち合う夕雲型の歓声。それはまた、別れの時を告げる鐘の音でもあったのです。なんて切ないんだ…。

第十四駆逐隊の解散式。皆もちろん泣いてました。でも、人目もはばからず一番号泣してたのは他でもない曙でした。

後日、長月と皐月は佐世保へ復帰。曙と潮は横須賀に残り、再び第七駆逐隊の所属に。そして陽炎は、霰と共に呉に戻ってそこで秘書艦をすることに。別れの日、陽炎と曙が「本当の名前」を教え合い、固い握手を交わす。呉へと旅立ってゆく陽炎たちの姿を、最後まで見つめている曙。(完)

第7巻まとめ&総評

『陽炎、抜錨します!』は、艦娘の可愛さ・格好良さをただ描いただけではない。艦娘とは何か、駆逐艦とは何か、というテーマを真剣に描き切っていたのです。そしてその問いは、仲間とは何か、成長とは何か、誇りとは何か、という壮大なテーマへと繋がっていました。

最初は、旧型の駆逐艦だし、体も弱いし、砲撃も全然当たらない、と嘆いていた皐月と長月が、陽炎と出会って大きく成長し、駆逐艦としての誇りを獲得していく姿を見続けることができて幸せでした。皐月くんの可愛い笑顔にみんな何度も救われました。勇敢に敵に立ち向かっていく長月は最高に格好良かったです。今なら胸を張ってこう言えます。君たちは、睦月型駆逐艦は、世界一の船だよ!

感情を表に出すことはほとんど無いけれど、心の中に常に熱い闘志を秘めている霰ちゃん、十四駆の皆とすごす日々を全力で楽しもうとする茶目っ気たっぷりの霰ちゃんが大好きでした。あなたは、楽しい時も辛い時も、ずっとずっと陽炎や長月に寄り添い、ともに戦い続けてくれました。今まで本当にありがとう。これからも、陽炎や霞ちゃんのお世話をよろしくお願いします。

自分の感情と上手く向き合えず憎まれ口ばかり叩いている曙と、そんな彼女にまるで母親のように時に優しく、時に厳しく接する潮のコンビがすごく可愛かったです。『陽炎、抜錨します!』という物語はまさに、曙が長い時間をかけて駆逐艦としての誇りを取り戻すまでのお話だったと思います。潮さん、これからもその全てを包み込むような優しさと勇気で、曙を支えてあげてください。そして曙、どうかこれからは自分を嫌いにならないで、自分を愛してくれる人がこんなにも沢山いるんだということを時々思い出しながら、胸を張って生きてください。

そして陽炎さん。あなたは曙にとっての光でした。全ての艦娘を導く希望の光でした。その屈託のない笑顔、全ての艦娘を虜にする優しい人柄、全てのことに一生懸命に取り組む情熱、それらが多くの人の心を揺り動かしました。皐月を、長月を、霰を、潮を、曙を、ここまで導いてくれてありがとう。心温まる素晴らしい物語を与えてくれてありがとう。どうか体に気をつけて、あまり無理しないように、これからも皆を導く光であり続けてください。

駆逐艦、万歳!

第十四駆逐隊、万歳!