新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

2016年上半期アニメ総評

2016年上半期に放送されたアニメに関する総評です。と言っても、最終話まで見たのは計10作品しかないんですけどね。『僕だけがいない街』『ハルチカ』『この素晴らしい世界に祝福を!』『迷家-マヨイガ-』『キズナイーバー』については、個別に記事を書いているので、そちらを参照してください。

『僕だけがいない街』総評 - 新・怖いくらいに青い空
『ハルチカ~ハルタとチカは青春する~』総評 - 新・怖いくらいに青い空
『この素晴らしい世界に祝福を!』総評 - 新・怖いくらいに青い空
『迷家-マヨイガ-』総評 - 新・怖いくらいに青い空
『キズナイーバー』と『異能バトルは日常系のなかで』の共通点 - 新・怖いくらいに青い空

以下では、『だがしかし』『無彩限のファントム・ワールド』『くまみこ』『三者三葉』『ハイスクール・フリート』について、手短に総評を述べます。

だがしかし

ほたるさんの素晴らしさは、巨乳で美人でナイスバディな体していて、ココノツ君などの男性陣が赤面してしまうようなエロさを醸し出しているにも関わらず、本人がそれについて完全に無自覚でいるという点だろう。サヤ師についても同様である。基本ノースリーブでブラが見えそうなほど薄着でいるのに、その無防備さについて本人も周りも一切意識してないところが逆に素晴らしいのだ。

だがしかし、何にも増して可愛かったのは、主人公である鹿田ココノツきゅんであることは言うまでもない。少年のような無邪気な面を残しつつも、ほたるさんの事が気になって仕方がないムッツリスケベ感を隠しきれてないところが実に可愛い。また、そのことを豆くんにからかわれて顔を真っ赤にしてるのを見ると「ああ~~~萌え死ぬんじゃ~~~」という気持ちになる。基本的に三白眼の少年キャラは可愛いと相場が決まっていて、最近で言えば『バカテス』のムッツリーニきゅんやアキちゃんなどが挙げられるだろう。萌えに性別は関係ないのだ。

本作の骨格となる駄菓子の描写についても、様々な雑学やあるあるネタを織り交ぜてその駄菓子の魅力を最大限に引き出すことに成功していたと思う。実際に私も、視聴後にいくつかの駄菓子を買ってみたりしたので、駄菓子販促アニメとしては大成功と言えるのではないだろうか。

無彩限のファントム・ワールド

有名な映画会社が最高のスタッフや役者を揃え莫大な製作費をかけて作った映画が全くヒットせずに大赤字になることもあれば、全く無名の監督が低予算で作った映画が多くの観客を魅了し賞を総なめにすることもある。これはアニメも同じだ。現代日本においてほぼ最高レベルの技術を持つスタジオ、そこの優秀なスタッフ、豪華な声優陣、これだけ揃えてもダメなものはダメなのだ。

正直言って、作画も崩れ気味で背景などもいい加減なB級のアニメだったら、ここまで批判したりしないだろう。ストーリーはどうでもいい、舞先輩のおっぱいと小糸ちゃんのツンデレさえ見れればそれでいい、と割り切ることもできた。でも、京アニが目指しているのはそういうアニメじゃないし、ストーリー・演出・美術といったあらゆる面で完璧に近いものを目指しているはずの会社なので、あえてここで批判している。

くまみこ

最終回を見た後、昔とある観光地で見たサルの曲芸を思い出した。首輪で繋がれたサルが調教師の指示に従って芸をして、上手くできた時はエサを貰える。指示した通りの動きができなかった時は、調教師が首根っこの辺りを掴んで、サルが明らかに嫌そうな顔をしている。そうやってサルを脅しながら一通り芸を終えると、お客さんが目の前にあるカゴにお金を落としていく。熊出村がまちに対してやっているのは、まさにこの調教師と同じことである。嫌がるまちを無理やり引きずり出して都会に連れて行き、都会の人間が熊出村に金を落としてくれるように、まちに芸をさせる。その調教係が良夫という真正サイコパスのゴミクズ男だ。

そして普段は、まちが逃げないように村に閉じ込めて、「都会は怖いところなんだよ~」と刷り込みを行っているのだが、その主犯格は間違いなくナツである。ナツ!お前もか! 以前の記事でも述べた通り、ナツはまちの幸せを誰よりも強く願ってはいるのだが、同時に、彼女をずっと側に置いておきたい、村から出て行かないでほしい、という歪んだ愛情を持ち合わせているのだ。狡猾なナツの作戦によって、まちは病的なまでの都会コンプレックスを植え付けられ、村の外では生きていけない体になってしまったのである。そういう意味では、ナツも良夫や他の村民と同類ということになるのだが、ナツ自身もまた村の外では生活できない、まちと一緒でなければ生きて行けないという悲しい生き物なのだ。

これを悲劇と言わずして何と言うのだろう。

三者三葉

第8話以降、近藤さんのことが気になって仕方がない。西山が風邪で休んだだけで休み時間ぼっちになってるのって、たぶん物凄く空気読めないせいでクラスメイトから嫌われてるからだよね…。あと、葉山ちゃんにあれだけ粘着してる西川が近藤さんに対してはいつも一緒にいるだけで実質ほとんど無関心なのとか、近藤さんが昼休みに代わりの話し相手見つけてそれ以来西川にメール送らなくなってるのとか、近藤さん界隈の闇が深すぎて震えが止まらん。

こんな感じで各キャラクターが、文字通り三者三様の闇を抱えながら学園生活をエンジョイしてるという、他に類を見ない萌えアニメでしたね。

ハイスクール・フリート

ガルパンの特殊カーボンとかいうガバガバな設定に対してもちゃんと批判をしている者、あるいはその批判に対してきちんと論理的・科学的に反論できる者だけが、ハイフリに石を投げなさい。少なくとも私は、第4話辺りで謎のネズミが出てきた時点で「これは女の子がキャッキャウフフしながら船を操縦するのを見て楽しむアニメなんで、設定とかは深く考えないでね~」っていうアニメスタッフからの全力のオーラを感じ取ったのであまり深く考えないことにしてました。また、この手のアニメでストーリーとか脚本について話し出すと、結局は「個人の好みの問題」ってことになっちゃうんで、そこを深く掘り下げても意味がないのかなあと思います。

キャラクターについて言えば、内田まゆみちゃんが断トツで可愛かったです。もちろん艦橋や機関室にいるメンバーに比べれば出番も少ないのですが、水着姿もパンツも見れたし、後悔ラップも見れたし、もう、余は大満足じゃ。また、カップリングについて言えば、クロちゃんとマロンの幼なじみカップルもいいのですが、以前の記事でも書いた通り、やはりメイタマが最強だったと思います。

今後、この作品がどういう展開をしていくか分かりませんが、また何かあったら記事を書きたいと思います。