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新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

『ななしのアステリズム』第4巻があまりにも切なすぎて胸が張り裂けそう…

『ななしのアステリズム』第4巻、読み終わった。

つらい…。胸が苦しい…。

誰かを好きになるということ、誰かを愛し続けるということ、ただそれだけのことが、こんなにも辛く、苦痛に満ちているなんて…。誰かの気持ちを知るということ、秘密を抱えながら生きるということ、それがこんなにも悲しくて、苦しくて、耐え難い痛みを伴うものだというのなら、いっそのこと、3人が出会う前の何も知らないまっさらな気持ちのままでいたかった。

でも、あの運命の日、電車の中で出会ったあの日から、彼女たちの運命はどうしようもなく動き始めてしまったんだ…。それはまるで、ブレーキのきかない鉄道のように、もはや後戻りなど叶わず、嵐の海で帆を失ったヨットのように、どこに辿り着くかも分からない危険な旅。しかし、それでも、この名前のない旅が『ななしのアステリズム』という一つの物語となって紡ぎ出される時、言葉で言い表せないくらいに美しい光を放つのは、何故なのだろう…。

さあ、とりあえず気持ちを落ち着かせて、状況を整理してみましょう。

第1~2巻についての記事で、各キャラクターの恋愛感情を赤線で表記し、「その気持ちを知っている」という事実を青線で表記しました。今回さらに、「『その気持ちを知っている』という事を知っている」という事実を緑の矢印で表記してみましょう。すると次のような三角形が出来上がります。

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第4巻で新たに増えた矢印は、一番左にある太い緑線。つまり、鷲尾は「私の気もちを琴岡が気づいてる事を知っている」です! これまで琴岡は、3人の間にある全て矢印の存在を把握してきました。ところがここでついに、琴岡の知らない、鷲尾だけが知っている新しい矢印が登場してきたのです! まさに、追い詰められた鷲尾が放った渾身の一手という感じですね。

しかも、ここに昴と朝倉まで加わり、状況はますます混迷を深めて行っています。昴と朝倉は司のことが好き。そして「朝倉→昴」のフラグが立ちつつある? しかも、第3巻で琴岡が朝倉に「司には好きな人がいる」とかぶっこんで来やがったので、さあ大変。司には好きな人がいる、けれどそれが誰かは分からない、というこれまでにない矢印が出現したわけです。朝倉経由で昴にもそのことが伝わり、昴の心は掻き乱されていきます。

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鏡の前で女装して自分を慰めることしかできない昴の姿が、あまりにも切なすぎて、涙なしには見られません。喉を押さえながら「大丈夫」とつぶやく昴の姿、それは、間もなく訪れる第二次性徴期の声変わりによって、鏡の中の司ですら遠くへ行ってしまうという悲しい未来を暗示しているかのようです。

ここからさらに、各キャラクターが抱える過去のトラウマや、他のクラスメイトなども登場してきて、話はどんどんややこしい方向へ向かって行っています。この複雑怪奇な関係性が、今後どのように変化していくのか、物語はどういう結末を迎えることになるのか、全く予想もつきません。