毎年恒例のアニメ話数単位10選です。例年通り、こちらの記事を参考に、
・2016年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。
というルールで、今年最も印象深かった10話を選びました。
『ハイスクール・フリート』、第10話、「赤道祭でハッピー!」
赤道祭やろうと言い出したのに周りが全然盛り上がってなくて拗ねるマロンちゃんかわいい。航海科による後悔ラップは「寒すぎて凍える」「恥ずかしくて見ていられない」など散々な評判だったが、バカ野郎!テレビを直視できないほど寒くて痛々しくて恥ずかしいからこそ逆に良いんじゃねえか!と言いたい。
『僕だけがいない街』、第8話、「螺旋」
- 脚本:安永豊
- 絵コンテ:こさや
- 演出:こさや
- 作画監督:古住千秋
これはアニメだけに限らず、最近の映像作品は分かりやすさを求めるあまり、回想・台詞・その他の演出などが説明過多になってしまうケースが多いように感じる。そんな中でも『僕だけがいない街』は、必要最小限の情報で物語を進めて行く演出の力が際立っていたと思う。特に第8話はそれが顕著だった。
関連記事:『僕だけがいない街』総評 - 新・怖いくらいに青い空
『響け! ユーフォニアム2』、第4話、「めざめるオーボエ」
みぞれ先輩が最高。下の関連記事でも書いたように、決して目新しいというわけではないがグッとくる表現技法によって、原作屈指の名シーンを見事に再構成していた。第1話や第10話も良かったけど、あえて一つに絞るならやっぱり第4話かなあ。
関連記事:『響け! ユーフォニアム2』第4話と原作小説との比較 - 新・怖いくらいに青い空
『この素晴らしい世界に祝福を!』、第3話、「この右手にお宝(ぱんつ)を!」
久々にアニメ見てテレビの前で笑い転げた。スティール魔法でパンツを奪うくだりは、見る前から結果が予想できるけれども笑える。アニメ第2期も早く見たい。
『この美術部には問題がある!』、第6話、「気になる美少女転校生」
内巻君が宇佐美さんを肩車するシーンのリアルな質感というか肉感が凄い。恐る恐る太腿を肩に乗せていく感じとか、立ち上がった時の身体の揺れとかがリアルで、TV画面から体温や匂いまで伝わってくるようでした。
『ストライクウィッチーズO.V.A.』、Vol.1、「サン・トロンの雷鳴」
『ブレイブウィッチーズ』第4話の放送延期に伴い代替放送された『ストライクウィッチーズ』OVAの中の1話。この企画の趣旨に合ってるかは分かりませんが、一応今年がTV初放送なので選出しました。とにかく、エーリカマジ天使としか言いようがない素晴らしさ。トゥルーデを心配するあまり妹ウルスラにきつく当たってしまうエーリカがもう…。特に、ウルスラが開発したジェット機にイチャモンつけて、「ジェットとはそういうものなのです」と言い返された後、「なんだよ!そういうものって!」とマジなトーンで声を荒げるエーリカが本当に尊い…。
『3月のライオン』、第10話、「Chapter.20 贈られたもの①」「Chapter.21 贈られたもの②」
昨日見たばかりの第10話。前話の感動的な対局とは大違いだ。笑っちゃうくらい胸糞悪い。でも、これこそが『3月のライオン』という作品の真髄なのだ。見終わった後に心の中に残る、なんとも言えないモヤっとした感じ。おそらく作者自身もまた、他人の何気ない一言とか、小さな悪意とか、エゴイズムとかのせいで、何度も理不尽に傷付けられてきたんじゃないだろうか(Twitterとかの発言を見てるとそう感じる)。そうでなければ、こんな繊細な物語は描けないだろう。
『91Days』、第11話、「すべてがむだごと」
ファミリーを守ろうと戦ってきたヴィンセントやネロの人生が、まさに一晩で全て「むだごと」になってしまう衝撃。ああもうメチャクチャだよ!と叫びたくなる。見終わった後に残るのは言いようのない虚しさだが、あまりにも虚しすぎると人は逆にカタルシスすら感じるのだ。
『NEW GAME!』、第4話、「初めてのお給料…!」
八神さんの「青葉が楽しそうな顔してるうちは大丈夫。ゲームがつまらなかったらあんな顔しない」という台詞が凄く印象に残っている。「自分達の作ったものがちゃんと売れるか?」みたいな現実的な心配をするのは、ある程度キャリアを積んだ人の仕事で、入社して日が浅いうちはただ無我夢中で楽しみながらスキルを身につければそれでいい、という作中の仕事観みたいなものがよく表れてる台詞だと思うのだ。
『Re:ゼロから始める異世界生活』、第13話、「自称騎士ナツキ・スバル」
- 脚本:横谷昌宏
- 絵コンテ:長山延好
- 演出:古賀一臣
- 作画監督:中田正彦、渡邉八惠子、浅利歩惟、池上太郎
演出や作画や声優の演技が全て「本気」だった。スバルという主人公の痛々しさと見苦しさを表現するためだけに、全ての力を注ぎ込んで作られている。こんな回は今後二度と見ることができないだろう。