新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

『かぐや様は告らせたい』における四宮かぐや様の可愛さの指数関数的増大について

『かぐや様は告らせたい』第4巻読みました。もうね…本当にね…今回も我らがかぐや様が、

おかわわわわわわわわわわわわわわわわわあああああああ!!!!!!!

という感じで、相変わらず四宮かぐや様が異次元の可愛さで、読んでる間ずっと笑いが止まりません。いや、もう、とにかく凄いとしか言いようがないんですよ。話が進むにつれてかぐや様の可愛さが指数関数的に増大しています。エクスポネンシャルです。可愛さのハイパーインフレーションです。

普通のキャラの場合、可愛さが増していくということはありません。初登場時と同じレベルを最後までキープしていくというのが基本です。しかし、まれに、話が進むにつれて可愛さがどんどん増していくキャラクターもいます。しかし、この場合でも、可愛さの増大はリニア(一次関数的)な増え方しかしません。また、その増大もいずれは飽和に達し、最終的にはある一定の可愛さラインのところに落ち着くのです。ところが、かぐや様の可愛さだけは、エクスポネンシャルな増大を見せるのです。要するに、普通のキャラの可愛さは2倍、3倍、4倍…という増え方をするのですが、かぐや様の場合は10倍、100倍、1000倍…というケタ違いの増え方をしているのです! これは、宇宙の加速的膨張の発見(この功績により、Perlmutter氏、Schmidt氏、Riess氏が2011年ノーベル物理学賞を受賞)にも匹敵する、歴史的な大事件と言えるでしょう。

では何故、かぐや様の可愛さだけが、リニアではなくエクスポネンシャルな増え方をしているのでしょうか? それは、かぐや様の中で、生徒会長・白銀御行への恋心がどんどん増大していることと関連しています。もう巻数が増えるにしたがって、かぐや様がどんどん「恋する乙女」になって行ってるんですね。かぐや様はとにかく御行のことが大好きなのです。御行といっしょに居たい、デートしたい、手をつなぎたい、抱かれたい、キスしたい、私だけを見ていてほしい、ああもう大好きだあああああああああああああ!!!!!って叫びたくなるくらい、御行のことが大好きなのです。(それと同じくらいに、御行もまた、かぐや様のことが大好きでたまらないのだということは、もはや言うまでもないでしょう。)

でも、この作品特有の上手い設定によって、自分の感情を素直に受け入れることができない状況が生まれているのです。皆さんご存知の通り、かぐや様は超エリートでプライドが高くて、自分から告白するなんて恥だと思ってるわけですね。また、同様の理由から、相手に自分の弱みを見せられない、子どもっぽいところを見せられないと考えてしまって、いつも自分の感情に蓋をして平静を装っているわけです。しかも、自分の中の恋心が日に日に増大していくのを意識すればするほど、ますますその感情を隠そうという気持ちも強くなっていってるんです。(まあ、ぶっちゃげ、2人とも自分から告白するのが恥ずかしいから、もっともらしい理由を付けて告白できない言い訳にしてるだけ説もあるんですけどね。)

さて、上で見てきたように、現状のかぐや様は、大好きな人に近づきたいという引力と、自分の弱みを見せたくないという斥力が、どちらも日に日に増大しているような状態です。こうなると、自分の頭の中で相反する感情がせめぎ合い、感情が右へ左へ揺れ動き、脳内がもうしっちゃかめっちゃかになっていきます。このカオス状態こそが、強力な可愛さのビックバンを生み出し、指数関数的な可愛さの増大という現象を引き起こすのですね。

もうこれは、2017年の日本において、最も面白いラブコメと言っても過言ではないでしょう。早くアニメ化しろって思います。