新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

アニメ『無職転生』最終話放送記念 ロキシー・ミグルディアちゃんの可愛いシーン選手権

ついにアニメ『無職転生異世界行ったら本気だす~』が最終回となってしまいました。本作の見どころは山ほどありますが、何といっても一番は、主人公ルーデウス・グレイラットの師匠ロキシー・ミグルディアちゃんの圧倒的可愛さであることは、万人の認めるところであります。

そこで本日は、我らがロキシーちゃんの可愛いシーンをランキング形式で振り返っていきましょう。

第5位 初登場時の少し恥ずかしそうにしてるロキシーちゃん(第1話)

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もう一目見ただけでロキシーちゃん大好きになること確定の圧倒的可愛さ。その後も、ダルそうにため息つくシーンなど、ロキシーちゃんの行動の一挙手一投足すべてが可愛い。

第4位 掲示板の前でルディ達の安否を確認するロキシーちゃん(第11話)

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壁に帽子が当たって折れ曲がってるのが最高に萌える。本作に限らず、例えば『このすば』のめぐみんとか、『魔女の旅々』とか見れば分かる通り、かわいい子がデカい帽子をかぶってるだけでもう画面は映えるし、可愛さ倍増なわけです。今回、ロキシーちゃんの帽子が物理的に折れ曲がることで、この可愛さをより強く印象付ける効果があります。また、食い入るように掲示板を見つめるロキシーちゃんの必死さが上手く表現されています。

第3位 両親と再会し泣きじゃくるロキシーちゃん(第18話)

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ロキシーにとってはあまり良い思い出のない故郷の地。それでも両親だけはロキシーを暖かく迎え入れてくれる。念話を使えないロキシーのために両親が向けた無償の愛。その事に気付けたのなら、どんなに年月が過ぎたとしても、どんなに離ればなれになっていたとしても、やり直すのに遅すぎることはない。人は後悔と反省を繰り返し、生まれ変わることができる。一歩踏み出して後悔しない選択をすれば、必ず道は開ける。そんな本作のテーマをロキシーちゃんの可愛すぎる泣き顔と共に印象的に描く名シーン。

第2位 理想の男性との出会いについて語るロキシーちゃん(第13話)

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「私はいつか男らしく背がスラッと高くてでもまだ子どもっぽい表情をする青年に迷宮の奥底で偶然助けられるんです。そしてそのまま力を合わせていくうちに互いに恋が芽生えて迷宮を脱出したところで…」ってwwwww頭ん中お花畑やんwwwwwwwwww 理想の男性像が完全に乙女な上に、「迷宮の奥底で偶然助けられる」とかいうシチュエーションまで妄想してて、もう可愛すぎるだろ…。

第1位 木を倒してしまい慌てるロキシーちゃん(第1話)

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ロキシーがグレイラット家にやってきた当日、ゼニスが大切にしている木を切り倒してしまい焦るロキシー。もはや説明不要。「やべっ!」みたいな顔して慌ててるのがもう最っっっっっ高に萌える。その後メッチャ必死に木を引っ張ってるのも可愛すぎだろ。結局怒られていじけるシーンも含め、堂々1位とする他ない最高のシーンです。

番外編

惜しくもランク外になったが良かったシーンをいくつか。

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第18話。ロキシーちゃんにスペルド族の話をして怯える様子を観察したいだけの人生だった。
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第2話。やっぱりね、ロキシーちゃんは見た目はまだ子どもですが、もう40年くらい生きてますからね。気持ち良いオナニーの仕方くらいちゃんと知ってるんです!
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第13話。第2位のシーンの前に一瞬だけ映るロキシーちゃんの貴重なジト目&ふくれっ面。これ描いた人、控えめに言って天才だろ。

第2期が始まるまでロキシーちゃんに会えなくなるかと思うと辛い…。オミクロン株の流行危機と重なるタイミングでのロキシーちゃんロスは、世界経済にとって大打撃となるでしょう。はやく2期放送してくれと願うばかりです。

石橋で全部同じじゃないですかクソコラ

旅客機全部同じクソコラも作ろうとしたけど、良い写真が無かったので挫折した。

『平家物語』についてのメモ書き

来年1月からアニメ『平家物語』がTV放送されるので、それに先立って予習。参考にしたのは、以下のテキストと中田敦彦の動画です。忘備録的なメモなので読みにくかったらすみません。

平家の台頭

  • 瀬戸内海の海賊を平定したり、日宋貿易で巨万の富を得たりすることで、平家が台頭してくる。その富を利用して天皇や寺社に寄進、さらに天皇家と親戚関係となり、貴族を凌駕するまでになる。ついに平忠盛平清盛の父)が宮中への昇殿を許される。
  • それを快く思わない貴族が忠盛を奇襲する計画を立てるが、忠盛はそれに気付く。夜の宮中で抜刀し貴族達を威嚇。計画はご破算に。
  • 怒った貴族達が後鳥羽院に「アイツ宮中に刀持ち込んでますよ」とチクりに行く。忠盛はその刀を見せて「いやこれ木刀に銀箔張っただけやで」と言う。後鳥羽院は「忠盛さすがやな」となり、忠盛はますます出世する。
  • 暗闇で刀が良く見えない状況を利用→「闇」の力を利用する武士と言う存在を象徴。
  • 貴族が「」だとすれば、武士は「」の存在。「光」=お日様が登っている間だけ活動できる優雅で煌びやかな(形式や伝統を重んじる)存在。「闇」=暗闇で目が見えなくても野性的な直感を研ぎ澄ませて未来を切り開く存在。平家は闇を支配する力を持っていたからここまで台頭できた。

平家の驕り

  • 平資盛平清盛の孫)が摂政・藤原基房とすれ違った時、馬から降りずに通り過ぎようとしたので、基房一向から引きずり降ろされる。それを聞いた清盛がマジギレし、仕返しを決意。基房一向をボコボコにする。→平家の驕りの始まりとされるエピソード
  • このとき平重盛(清盛の長男)だけは仕返しを止めさせようと説得する。重盛が重んじていたのは儒教の「」と「」の精神。「忠」とは一貫性、一度決めた事を貫き通す事、要するに天皇家への忠誠のこと。「孝」とは、子が親や祖父母のために尽す気持ちのこと。重盛からすれば、清盛の顔に泥を塗った資盛こそが悪いという考え。
  • 鹿ヶ谷で後白河法皇と反平家派の貴族が反乱を企てた時も、法皇を幽閉しようとする清盛に対して資盛が泣いて説得し思い止まらせる。
  • だが重盛は若くして亡くなってしまい、ブレーキ役を失った平家の暴走が加速する。清盛の娘・徳子が高倉天皇に嫁ぎ子を産む。その子が即位(安徳天皇)し、いよいよ清盛の権力は絶頂に達する。結局、後白河法皇も幽閉されてしまう。

平家没落の始まり

  • 清盛の三男・宗盛が源仲綱の愛馬にいたずらする。それを聞いた仲綱の父・頼政が激怒。頼政以仁王後白河法皇の息子)を説得し平家打倒の令旨を出させる。→どんなに堅牢なシステムも些細なきっかけで壊れる
  • 宇治川を挟んで両軍が対決。この時は平氏が勝利する。→橋合戦と呼ばれる名シーン。
  • ついに源頼朝が出陣。平家側は清盛の孫・維盛を大将として迎え撃つ。富士川で両軍がにらみ合いとなり、周りの住民は山に避難してキャンプする。その火を源氏の大軍だと勘違いした平家軍は怯えあがる。夜、水鳥が一斉に飛び立ち、源氏が攻めてきたと勘違いした平家はそのまま敗走。→平家が持っていた「闇」の力が無くなり、源氏に移ってしまったことを示唆する描写。清盛の代までは良かったけど、子・孫と代を経るにつれて平家が貴族化し綻びが出てきている。
  • ここから得られる教訓は、無能な人をリーダーにしてはいけないという事。宗盛・維盛は平時だったら「良い人」だったかもしれない。人間的な魅力とリーダーとしての素質は別物。
  • 奈良の大仏を燃やしてしまった後、清盛は高熱を出し、最後に「頼朝の首を持ってきて俺の墓に捧げろ」と言って死んでしまう。

木曾義仲の台頭

  • 木曾義仲軍と平家が倶利伽羅峠で対決。義仲軍は時間稼ぎをして夜まで待ち、大音響で平家をビビらせて大勝する。→「闇」の力が完全に平家から失われ、逆に「闇」の力を得た木曾義仲が台頭してくるという構図
  • 平家は西国に敗走し、義仲が京都へ。民衆から略奪を繰り返して、後白河法皇も「さすがにこれはあかん」となり挙兵するが敗北。義仲は「もう法皇も倒したし、自分が天皇法皇になろうかな~」とか言い出す。←完全に調子乗ってる。
  • ついに義仲討伐のため頼朝・義経が動くと、義仲軍は一気に劣勢になる。→義仲軍はマフィア的な血の繋がりを重んじる組織。少数の身内は義仲に忠誠を誓っているが、それ以外は義仲劣勢となると一気に離れていってしまう。対する、頼朝軍は「ご恩と奉公」という契約関係にとって結ばれた組織なので、身内以外もどんどん取り込んで勢力拡大できた。
  • 最後は今井四郎(義仲と乳母子の関係)と再会。今井が敵を引き付けている間に木曾義仲は自害しようとするも、田んぼに馬の足を取られて身動き取れなくなり敵に打たれて死ぬ。

平家滅亡

  • ここから義経の快進撃がスタート。一ノ谷の戦い→急な崖を馬で駆け下りて平家軍を奇襲。屋島の戦い那須与一の扇のエピソードで有名。
  • 一ノ谷の戦いで、平敦盛(清盛の甥)が源氏軍の熊谷直実と対峙。直実はまだ若い敦盛を殺さなければならないという葛藤に苦しむ。結局、敦盛を殺したのち、直実は出家する。→儒教における「」と「」の対立を描くエピソード。「忠」=一貫性(一度決めた事を貫き通す事)、「恕」=他者と一体化すること(相手の気持ちになって考えること)。
  • 平家物語での義経は無茶な作戦立案やスタンドプレーばかりで「リーダーには向かないアカン奴」として描かれる。→後に頼朝に殺されることを暗示か
  • 壇ノ浦まで追いつめられた平家。豪華な唐船に普通の兵士を乗せ、ショボい兵船に天皇三種の神器を乗せることで敵の目を欺こうとする。しかし、その作戦が源氏に漏れ、平家軍は完全崩壊。安徳天皇は船上で念仏を唱えた後入水。

登場人物達の最期

  • 各登場人物の死に方は『往生要集』の世界観に沿っている。仏教において「成仏」つまり「悟りをひらいてること」こそが究極の救い。しかし、穢れた現世では修行もまともに出来ないので、ひとまず死んだら極楽浄土に行き、そこで修行して成仏を目指そう、という考え方が生まれる。「極楽浄土にきそこできる」ことを「往生」という。どんな悪人でも死ぬ前に「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば極楽浄土に行ける
  • 奈良の大仏を燃やした罰で平清盛は高熱に苦しみ、最後に「頼朝の首を持ってきて俺の墓に捧げろ」と言って死ぬ。木曾義仲は戦で敗れて自害しようとするも、田んぼに馬の足を取られて身動き取れなくなり敵に打たれて死ぬ。→悪行・驕りの最たる人は念仏すら唱えさせてもらえない。→地獄行き確定
  • 壇ノ浦の戦いで平家が破れ、安徳天皇は船上で念仏を唱えた後入水。その母・平徳子も一緒に入水するが源氏に捕まり、その後は平家の死者を弔う生活を送る。最期はちゃんと念仏を唱えながら亡くなる。→極楽浄土へ

まとめ

平家物語はかなり多層的でいろんな読み方ができる作品。

  • 純粋に物語として面白い … 琵琶法師による演奏・語りと一緒に聴いた時のパワー。史実と創作を織り交ぜて絶妙にキャラ化された登場人物。印象的な名シーンの数々。
  • 諸行無常」「驕れるもの久しからず」というテーマを一貫して描き続けた作品 … 平家も木曾義仲も、調子に乗ってる奴は後で必ず滅亡する。国や時代を超えて通用する普遍的なテーマ。
  • 仏教的価値観・儒教的価値観を描く … 極楽浄土の思想。亡くなった全ての人への鎮魂。武士が重んじる儒教的価値観とマッチし後世で広く語り継がれる。
  • 武士にとって重要なリーダー論的な側面 … 兵の動かし方、リーダーはどうあるべきかなど、現代のビジネス書的な側面。

『星屑テレパス』感想

まるでパッチワークのように華やかで多様なコマ割りと吹き出し、その中で紡ぎ出される繊細な百合の雰囲気は、もはや4コマ漫画という枠組みを超えた芸術作品のような尊さがある。

主人公・小ノ星海果は引っ込み思案で友達もできず、地球上には居場所がないと思っている女の子で、将来はロケットで宇宙へ行き、自分と分かり合える宇宙人を探したいと願っている。そんな中で自称宇宙人の明内ユウと出会い、さらに2人の部員とともにロケット研究同好会を設立。まずはペットボトルロケットの製作からスタートし、宇宙を目指すべく歩み始める。その活動の中で海果は少しずつ他人と打ち解け、いつしかそこが彼女にとってかけがえの無い居場所となっていく。

読んだあと、SF映画ガタカ』のラストを思い出した。生まれ持った遺伝子によって人生のあらゆる事が決められてしまう近未来。「不適正者」として差別されていたヴィンセントは、宇宙に行きたいという夢を諦めきれず、出生を偽って宇宙飛行士となる。ロケットに乗って地球を離れる時、ヴィンセントは「地球にいる意味なんてないと思っていたのに、今は去るのがつらい」と回想する。

壮大な夢の実現に向けて仲間と共に一生懸命に突き進む、その過程こそが何よりも大切な心の居場所。『恋する小惑星』も、今アニメ放送中の『月とライカと吸血姫』も、根底にこのテーマが流れているように思う。

将来アニメ化する事は間違いないと思うので、もっと多くの人に読んでほしい作品。どのキャラクターも可愛いが、個人的イチオシは、ロケット研究同好会を技術面から支える雷門瞬ちゃん。きらら系4コマ史上最高かもしれんっていうレベルで可愛い。

『よふかしのうた』第9巻感想

先日アニメ化も決定した『よふかしのうた』。今月原作漫画の第9巻が発売されたのですが、もう凄まじいですな…。

もともとこの作品の魅力は、何といっても、主人公であるコウとナズナの掛け合いにありました。例えばアニメ版公式ホームページを見てください。

もうこのキャラデザ見るだけでキュンキュンする。何が良いって、夜守コウ君の三白眼・鎖骨・生足! そして、七草ナズナさんは、トレンチコートの下は黒の短パン!そしておへそ丸だし! この二人がまた、闇夜の怪しげな雰囲気を醸し出しつつも、思春期の中学生カップルみたいに初心でさあ、もう読んでてキュンキュンする!

作者の性癖だだ漏れすぎやろ…。でも、この過剰なまでに、読者のフェティシズムを刺激するキャラクター設計が、本作最大の魅力なわけです。正直、新人作家が「こういうの描きたいんです」って言っても担当から「ダメに決まってんだろ」って言われるのがオチ。『だがしかし』という名作を生み出した実績のあるコトヤマ先生だからこそ、これが許されているのでしょう。

だがしかし、ここから話数が増えるにつれて登場人物も増えていって、どんどんエモい方向に進んでるように思います。特に第8巻と第9巻、ナズナとその初めての眷属候補だった目代先輩とのエピソードは、もうエモさの塊やろ…というしかない出来。

ただでさえただコウとナズナがイチャついてるだけで最高の漫画なのに。そこからさらに、「普通」から弾き出され暗闇の中でしか生きられない人が抱える悲しみ、それが驚くほど精緻かつ強烈なインパクトを持って描かれ、作品に深みを与えているように思います。