新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『銀の匙』第3話考察―人間の残酷さと理解の不可能性

親鳥が自分の子孫をなるべく沢山残すためにとるべき最適の方法とは、どのようなものだろうか。リチャード・ドーキンスは著書『利己的な遺伝子』の中で、それは、親鳥が育てることのできるヒナの数よりも1羽だけ多い卵を産むことであると述べている。そうすれ…

『銀の匙』第2話考察―先入観を捨てて物事を見るということ

稲田先輩の持ってきたスモークチキンを見て、八軒の脳裏にニワトリの首を切断する生々しい光景がよみがえる。それでも「いやいや、先入観はいかん」と覚悟を決めてかぶりついたスモークチキンは、言葉を失うほど絶品だった。さらに、タマコが稲田先輩の妹で…

結局私たちはみんな『恋愛ラボ』の真木会長のように、的外れでおバカな妄想を繰り広げている恥ずかしい生き物なんだ

普通のスポーツや文化系の活動とは異なる、一般人から見たらどうでも良いと思えるようなことに青春をかける作品として、『ベン・トー』や『学校の階段』などが挙げられるが、今期からアニメ版が始まった『恋愛ラボ』もまた、そういった作品の一つである。こ…

『銀の匙』第1話考察―理不尽な自然と向き合った時に得られるもの

荒川弘のエッセイ漫画『百姓貴族』には「農家の常識は社会の非常識」という台詞が登場する。高校入学まで全く農業と縁のない生活を送ってきた八軒勇吾にとって、エゾノーは正に「非常識」に満ち溢れた世界だった。家畜の放つ強烈な臭い、ニワトリの頭を切り…