新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『銀の匙』第7話考察―出産シーンは本当に感動的か?

たまこの実家が経営しているギガファームを見学しに行った八軒達。子牛の出産に立ち会い、その感想を聞かれた八軒の第一声は「グロい」というものだった。 八軒「ムリムリムリムリ無い無いグロい怖い!」 たまこ「生命の誕生よ! 感動しないなんてあなたおか…

『ニーナとうさぎと魔法の戦車』に描かれた反戦・反核の思想

ニーナとうさぎと魔法の戦車 8 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)作者: 兎月竜之介,BUNBUN出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/06/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る見事なエンディングだった。最後の最…

『寄り道ファミリ』私論―高度にルール化された「家族ごっこ」

萌え4コマ漫画に代表される、女の子どうしのユル~い日常を描く作品では、登場人物どうしの「共有」の感覚が大切にされているように思う。それには、「物理的な共有」と「精神的な共有」とがある。「物理的な共有」とは、物語の舞台となる「場」や、そこで起…

『銀の匙』第6話考察―分業化によって遠ざかった「死」を実感するということ

近代化とは、生産プロセスの分業化の歴史でもある。かつては一つの家族や村で衣食住に関するあらゆる物を生産していたのが、近代以降になると、食料は農村で、衣服は工場で、工業製品はまた別の工場で、という具合に別々の場所で生産されるようになった。例…

『俺の目を見てボクと言え!』を読んで「ボクっ娘」と差別の問題について考えてみた

日本語の中には無数の一人称代名詞があふれている。私は男だが、普段話し言葉で自分を表す場合には「俺」を使う事が多い。先輩や先生の前では「僕」、かしこまった場面や文章中では「私」を使う頻度が増える。本や漫画の中では、これ以外にも、「わし」「お…

『ステラ女学院高等科C3部』に描かれた「虚像」の世界

「模倣」と「虚像」 アニメ『ステラ女学院高等科C3部』第4話の脚本を担当された、さかもとたけしさんがTwitterで次のように述べている。 題材の「サバゲー」ってそもそも「模倣」で「虚像」なんです。で、アニメっていう表現も「模倣」で「虚像」。その2段…

『銀の匙』第4話考察―社会の中の多様性とそれを見渡せるリーダーの存在

私の祖母の実家はかつてその地域でも有数の地主だった。今でこそ大半の土地を手放してしまったが、戦前は広大な敷地でありとあらゆる作物・食品を生産していた。米はもちろん、野菜やイモ類、スイカや桃も栽培していた。飼っていたニワトリやヤギから、卵や…