新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

2014-01-01から1年間の記事一覧

『結城友奈は勇者である』最終回感想―「大好きな仲間のため」という思考停止の言葉

『結城友奈は勇者である』最終回まで視聴しましたが、以前の記事「『結城友奈は勇者である』の気持ち悪さ - 新・怖いくらいに青い空」で述べたような本作に対する違和感は、減少するどころかますます増幅されてるように感じます。結局最終回で強調されていた…

話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選―惜しくも10選には入らなかったが素晴らしかった回まとめ

以前の記事「話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選 - 新・怖いくらいに青い空」で、今年最も印象に残ったアニメを話数単位で10話選出しましたが、ここでは、様々な理由により惜しくも10選入りは逃したけれども、非常に印象深かったアニメを選びました(敬称略…

『ソードアート・オンライン II』第23話と芥川龍之介の『トロッコ』について

『ソードアート・オンライン II』の第23話に芥川龍之介の『トロッコ』が登場し、その冒頭部分をユウキが朗読していたが、原作者の川原礫さんもTwitterで次のように述べています。芥川龍之介の『トロッコ』は、小、中学校の教科書に採用されることが多いみた…

話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選

毎年恒例のアニメ話数単位10選の季節がやってきました。今年も、ブログ「新米小僧の見習日記」さんの記事*1を参考にて、 2014年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。 1作品につき上限1話。 順位は付けない。 というルールで…

『結城友奈は勇者である』の気持ち悪さ

『結城友奈は勇者である』を第9話まで見た時点で感じた違和感をまとめてみた。 主人公達が正体不明の敵と戦うという設定 バーテックスと呼ばれる正体不明の怪物を和解不可能な悪と決め付け、勇者部一同による「国防」を絶対的に正しい行為として描いているの…

『甘城ブリリアントパーク』のパラダイス的魅力

『探偵!ナイトスクープ』では、地元の個人が趣味で経営してるようなボロくてショボくてツッコミどころ満載のテーマパークの事を「パラダイス」と称し、そこに桂小枝局員が訪れて面白おかしく紹介するコーナーがあります。回によって異なりますが、その「パラ…

高橋宏議員がいよいよ調子に乗り出した件

逃げも隠れもしませんから安心して下さい。実際、「議員辞職しろ」とお手紙を頂いた方にもお会いしてきました。事務局に問い合わせのあった方にも「私から連絡をします」と申し上げましたが、個人情報の兼ね合いか今のところ、事務局からは連絡先を教えて貰…

『スロウスタート』感想―秘密を抱え込む苦しみとカミングアウトの恐怖

スロウスタート (1) (まんがタイムKRコミックス)作者: 篤見唯子出版社/メーカー: 芳文社発売日: 2014/08/27メディア: コミックこの商品を含むブログ (5件) を見る篤見唯子作『スロウスタート』は日常系4コマ漫画でありながら結構重い設定とストーリーが特徴…

『アオイハルノスベテ』―世界を変えるために「祭り」を起こす才能とは何か?

アオイハルノスベテ (ファミ通文庫)作者: 庵田定夏出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン発売日: 2014/09/29メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る『ココロコネクト』の庵田定夏と白身魚のコンビが贈る新作ラノベ『アオイハルノスベ…

SAOのパロディ4コマ漫画『そーどあーと☆おんらいん。』が面白い

そーどあーと☆おんらいん。 1 (電撃コミックス EX 176-1)作者: 川原礫,南十字星出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2012/09/27メディア: コミック購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (9件) を見るそーどあーと☆おんらいん。 (2) …

『安達としまむら』第3巻―圧倒的な「温度差」の描写に惚れ惚れする

安達としまむら (3) (電撃文庫)作者: 入間人間,のん出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス発売日: 2014/08/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る『安達としまむら』第3巻まで読みましたが、相変わらず凄いですね、安達さんの…

とある市議会議員のブログが炎上し、そこに油が注がれるまでの一連の経緯

ご存知の方も多いと思いますが、船橋市議会議員の高橋宏氏にまつわる一連の騒動をここでまとめてみましょう。高橋議員がネット上で「炎上」するきっかけとなったのは、同議員が船橋市議会で市の健康部長に対して行った次のような質問でした。 私が調べたとこ…

『ハナヤマタ』『空色スクエア。』に見る日常系の変遷

空色スクエア。 (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)作者: 双出版社/メーカー: 芳文社発売日: 2009/08/11メディア: コミック購入: 4人 クリック: 82回この商品を含むブログ (31件) を見る現在放送中のアニメ『ハナヤマタ』は、その原作漫画が…

『フレラジ☆』第1巻―緊張してる時の茜ちゃんの表情が最高に可愛いです

まんがタイムきららキャラットに連載中の『フレラジ☆』、その単行本第1巻を読みました。主人公の朱木茜ちゃんが死ぬほど可愛いですね。この作品は、ラジオ番組「フレラジ」に出演している新人声優4人の奮闘記なのですが、この茜ちゃん(上表紙の右上の子)は…

『i・ショウジョ』を読んで感じたこと

i・ショウジョ 1 (ジャンプコミックス)作者: 高山としのり出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/07/04メディア: コミックこの商品を含むブログ (3件) を見る新しい技術が人のためになるか、人を傷つける道具になるかは、結局、それを使っている人次第なんだ…

今月の『Aチャンネル』が素晴らしかったという話(ネタバレ注意)

まんがタイムきららキャラット8月号の『Aチャンネル』が良かったです。今回のお話はトオルが手紙で告白されてそれを断るという、まあよくあると言えばよくある話なんですが、「へ~、それを『Aチャンネル』でやるんだ~」と驚きました。しかも、日常系4コマ…

『僕らはみんな河合荘』の律先輩

私が『ぼくらはみんな河合荘』という作品を好きな理由の根底には、やっぱり律先輩という強烈なキャラクターを可愛いと思うと同時に、強い親近感を持って見ているという部分があって、それはどういうことかと言うと、要するに律先輩の感じているある種の「生…

品格の欠片もない相撲記者たちは横綱・白鵬に土下座して謝罪すべき

大相撲の横綱・白鵬(29)=宮城野=が5日、自身のブログで紗代子夫人(30)が第4子を流産していたことを明かした。(中略) 「もし会見に出たら、おそらくお腹の中の子供のことも聞かれるであろうと考えました。紗代子のことを考えると、事実を発表す…

縁ちゃんに萌え死ぬ『ゆゆ式』第6巻

あぁ~萌え死ぬ~『ゆゆ式』を見始めた頃は圧倒的に唯ちゃん好き好きだったんですが、アニメ版を見た後にはゆずこのことが狂おしいほど好きになってしまいまして、この抑えきれない衝動をどうしたらいいものかと思っていたのですが、最近になって、アレ、縁…

やられたらやり返す倍返し少女・小佐内ゆきが可愛いすぎる〈小市民〉シリーズ感想

「小市民」を目指す謎の高校生2人組 米澤穂信の〈小市民〉シリーズの内容を一言で言い表すならば、やられたらやり返す倍返し少女・小佐内ゆきと、見た目は小市民だけど頭脳は超明晰な名探偵・小鳩常悟朗が織り成す、少し甘くて、めちゃくちゃ苦い青春ミステ…

『幻影ヲ駆ケル太陽』の舞台・長崎県長崎市の石橋を見てきたったwww

連休を利用して長崎に行ってきました。長崎市内に現存する貴重な石橋を撮影してきましたので、その一部をご紹介します。新中川町電停近くに架かる中川橋(左)と古橋(右)。閑静な住宅街にひっそりと存在する。長崎の中心部を流れる中島川には、江戸時代に…

『たまこラブストーリー』ネタバレ有り感想―変化を受け入れ、想いを伝えるまでの物語

『たまこラブストーリー』観て来ました。予告編などで示唆されていた通り、この映画はTVアニメ版の『たまこまーけっと』とはガラリと雰囲気が変わって、もち蔵とたまことの青春ラブコメが展開されていました。今回の映画を簡単に要約すれば、「変わる」とい…

STAP細胞問題で「再現性が確認出来さえすればOK」と考えるのは間違ってる

9日の小保方さんの会見を見て、マイケル・サンデルが著書『これからの「正義」の話をしよう』の中で述べていたクリントン弾劾裁判についての話を思い出した。モニカ・ルインスキーさんとの不倫疑惑が浮上した当初、クリントン大統領は「彼女と性的関係はなか…

『キルラキル』と『利己的な遺伝子』(その2)―遺伝子に「着られる存在」から「着こなす存在」へ

リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』の本文は、次のような一文から始まる。 ある惑星上で知的な生物が成熟したといえるのは、その生物が自己の存在理由をはじめてみいだしたときである。 (中略) 地球の生物は、三〇億年もの間、自分たちがなぜ存在…

STAP細胞論文の不適切画像問題から見えてきたこと

体細胞を酸に浸すだけでES細胞やiPS細胞に似た万能細胞(STAP細胞)を得ることができる、という内容の論文がネイチャーに投稿され、その筆頭著者である小保方晴子さんの人となりなども含めて大きなニュースとなりました。しかし、これらの論文の一部に不自然…

『ニセコイ』第9話の変顔を原作と比較してみた

カーブの時の車内ポーカーフェイスができない小野寺さんそして、同じくポーカーフェイスができない桐崎さんシャフトと言えば、独特の演出で原作をアレンジしてくる制作会社というイメージもあるかと思いますが、構図や顔芸に関しては、かなり原作を忠実に再…

『共学高校のゲンジツ』の尼妻さんが可愛すぎる

『共学高校のゲンジツ』はメインヒロインの保延さんも可愛いのですが、私は断然、尼妻さんが好みです。尼妻さんは、見た目はヤンキーで一人称が「オレ」な男勝りな女子。でも、主人公である草野君に気があるらしく、彼の前では女の子らしい表情を連発してい…

『キルラキル』と『利己的な遺伝子』

利己的な遺伝子 (科学選書)作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 1991/02/28メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 102回この商品を含むブログ (110件) を見るリチャード・ドーキンスは著書…

STAP細胞論文の不適切画像問題に関するネトウヨ達の発言がカオスなことになっている件

マウスの体細胞に酸などの刺激を与えるだけでES細胞やiPS細胞に似た万能性を獲得した細胞(STAP細胞)を得ることができる、という内容の論文がネイチャーに投稿され、その筆頭著者である小保方晴子さんの人となりなども含めて大きなニュースとなった。理化学…

『銀の匙 2期』第2話考察―八軒の自己犠牲精神と「世界をポジティヴにとらえる才能」について

『銀の匙 2期』の第2話は、全体を通して八軒の自己犠牲精神が描かれていましたが、このブログで何度か取り上げた自己犠牲に関する考察が、この第2話を考える上で良い補助線になると思います。 『うえきの法則』とカント哲学について―何が道徳的に「正しい」…