新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

『夏のバスプール』の望月さんが可愛すぎて萌え死ぬ

夏のバスプール (集英社文庫)

志村貴子さんのイラストに釣られて買った畑野智美さんの青春小説『夏のバスプール』。本作は、主人公・涼太(右)とメインヒロイン・久野ちゃん(左)が出会って次第に惹かれていくまでを描いた青春ラブストーリーです。が、しかし! 本作一番の見所は何と言っても、涼太の幼なじみ・望月さんの圧倒的可愛さにあります! 何故、望月さんが可愛いのか、早速検証してみましょう。

望月ちゃんと涼太は共に高校1年生です。望月ちゃんは青野という男子と付き合っていて、青野は涼太のクラスメイトで中学時代からの友達です。まずは、望月ちゃんの登場シーンから。

教室に戻ったら、視聴覚室からみんな戻ってきていた。青野はいなくて、隣のクラスの望月が青野の席に座っていた。
一番前で堂々とニンテンドー3DSをやっている。廊下の方を向いて座り、大きく開いた足に肘をつくという女子としてあり得ない姿勢になっているが、本人は気づいてるのだろうか。他の女の子だったら見たくても見てはいけないと目を逸らすところだけれど、望月だったら見てもいい気がする。
「何、見てんの?」望月は3DSから目を上げる。
「何も見てないよ。青野は?」
「いないんだけど、一緒じゃなかったの?」足を閉じて正面を向き、机に肘をついてゲームをつづける。
(43~44頁)

はあぁ~(恍惚)。休み時間に彼氏の席にやってきて無防備な姿でゲームに勤しむ望月ちゃん可愛い。しかも、涼太がやってきた途端、姿勢を正してるのがまた可愛い。その後、お目当ての青野が登場。

「それで、望月はどうしたの?」
青野が目を向けると、望月は嬉しそうに表情を柔らげる。
「モンハンでわからないことがあって教えてもらいたかったんだけど、涼太に教えてもらった」
「何も教えてないじゃん」僕が言う。
「罠のタイミングが知りたかったの」
青野に話す時と僕に話す時で、声も目つきも違う。望月はこんなキャラではなかったはずだ。
(47頁)


彼氏と話せて嬉しそうな望月さん、萌え。涼太と話す時とのギャップがまた最高ですね。

で、後日、涼太が青野の家で遊んだりしていると、そこに望月さんが登場。青野の方も、いかにもこれから二人でやるんでお前ら帰れ、的なオーラを発してます。涼太は気を使って帰ろうとしますが…

「待って。わたしも帰る」玄関が開き、望月が走って出てきた。
「ええっ!」
「帰る。帰る」僕の腕にしがみついてくる。
ヒールがあるサンダルを履いてるから、いつもは頭半分下にある望月の顔が僕と同じ高さになっていた。二の腕に胸が当たる高さだ。今日二度目の感触だった。久野ちゃんのが触れた時は命の危険が優先されたのに、望月なんかに欲情してしまう。ハーフパンツは薄いので、前屈みになってごまかす。
(112~113頁)

お分かりいただけたであろうか。彼氏とやるつもりで家に来たけど、やっぱり怖くなって幼なじみの男にしがみついてくるこの感じ! ああ~萌え死ぬんじゃ~。

いつもはうちの学校の生徒が並んでいるバス停も、今日はすいていた。ベンチに座ってバスを待つ。
「青野とやらないの?」
「そういう言い方しないでよ」望月は僕の二の腕をグーで殴る。
さっきまでおとなしそうな顔して下を向いていたくせに、急に元気になった。せっかくの柔らかい感触を忘れてしまうくらいの鈍い痛みが響く。久野ちゃんの胸の感触を帰ったら思い出そうと決めていたのに、もう無理かもしれない。
「痛いよ」
「帰れると思ったら、気が楽になってきた」
「それは良かったね」
(114~115頁)

帰れると思って安心して、いつも通りに戻る望月さん、マジでかわいいっす。てか、こんな萌えシチュエーションでも、涼太は久野ちゃんのこと考えてんのな。目の前にもっと可愛い子いるだろうが(全ての久野ちゃんファンを敵に回す発言)。

また後日、涼太と望月さんは、とある事情で富君という同級生の家に行くことになります。しかし、その日、青野が松ちゃんという美人教師にメールでしつこく詰め寄ってるらしい、という噂が流れます。放課後、富君の家に向かう時の涼太と望月さんの会話がこちら。

「別れるの?」
「別れるんじゃん。メールも電話もないもの」
「青野も同じこと言ってたよ」
「この前のことだけだったら、わたしから連絡した方がいいのかなって思うけど、噂を聞いちゃったから」
「いつ?」
「今日。みんな優しいよね。知らないとかわいそうだからって。付き合う前は誰も教えてくれなかったのに。青野とわたしの仲が危なそうってなったら、教えてくれた」
「そうなんだ」
「わたし、かわいそうなんだって」
望月は僕のシャツの裾を掴んで立ち止まる。そして、いきなり泣きだした。迷子になった子供のように上を向き、声を上げて泣く。涙と同じくらいの量の鼻水も流れ落ちる。シャツを強く引っ張ってくる。
(201~202頁)

ぐはあっ!!!!!(悶絶して血を吐く音)

かわいいよ~、幼なじみのシャツ掴んで大泣きする望月さん、かわいいよ~。でも、圧巻なのはここからです!

「かわいそうじゃないから、大丈夫だよ」
「セックスしてたら、青野はわたしを選んでくれたのかな」
「そんなこと言うなよ」
「わたしとはセックスするために付き合ったのかな」
「噂のことはよくわからないけど、青野はそんな奴じゃないよ」
「涼太がそう言うから信じたのに」
「そうだよね。ごめんね」頭をポンポンと軽く叩く。
「優しくするな。気持ち悪い」シャツを掴んでいるのとは反対の手で僕の肩を何度も叩いてくる。
(202~203頁)

ぐはあっ!!!!!(悶絶して血を吐く音、本日2度目)

はあ~、これは、たまらんですわ…。あの時帰らなかったら私を選んでくれたかな…。そんなこと思ってしまう望月さんの気持ちを想像したら、もうたまらんよね。はあぁ~(恍惚)。これはすごい破壊力ある台詞だ。しかも、そんな会話してる間もずっと涼太のシャツ掴んだままなのですよ! かわいすぎんだろ、もう!

「夏休みは二人で遊びに行けると思ってたのに。ゲームだって、話が合うように頑張ったのに」
「そうだね。望月はよく頑張ったよ」
「頑張ったからって、駄目なもんは駄目なんだよ」
(203頁)

うわあああああああ!!!!!

衝撃の事実! 冒頭のモンハンは、彼氏と話し合わせるためにやってたのかぁ~! 健気すぎる! 望月さん健気すぎるよ! ゲーム教えてもらうのを口実にして休み時間に青野に会いに行ってる望月さん想像して萌え死ぬ!

バスに乗って富君の家に向かっている間も、望月はずっと泣いていた。
うちの学校の生徒が何人か乗っていて、他にも買い物や仕事帰りの人で混んでいた。つり革につかまって泣いているのを全員が見ちゃいけないけれど気になるという目で見ていた。僕が泣かしたように思われたら困るから、ハンカチやティッシュを差し出しつづけて、優しい友達であることをアピールする。しかし、望月は優しくされると辛いと言い、更に泣いた。
(204~205頁)

ぎゃあああああああああ!!!!!

かわいい! かわいいなあ、もう! 普通の小説では公園で二人きりになって泣くみたいな描写が多いですが、公共交通機関の中でみんなに見られながら泣くという素晴らしいシチュエーション! 人は普通、見ず知らずの人がいっぱいいる場面では感情を押さえて泣き止むものですが、それでも我慢できずに泣いちゃう望月さん、最高に可愛いです。
ていうか、そこまでして富君の家に行かなくていいだろ。二人きりになって慰めろよ。そして、あわよくばNTRで付き合っちゃえば良いやん! 久野ちゃんより望月の方が可愛いだろ(全ての久野ちゃんファンを敵に回す発言)。

誤解の無いように言っておきますが、久野ちゃんもメチャクチャかわいいですし、本筋のストーリーも面白いです。物語の主軸はあくまでも久野ちゃんと涼太なので、クライマックスにも望月ちゃんは登場しません。でも望月ちゃんは、いちいち可愛い仕草と、台詞の破壊力が半端ないので、読者に強烈なインパクトを残していきます。挿絵も何も無いのにこの破壊力。感動した! 『夏のバスプール』、幼なじみキャラが好きな人にはオススメです。