新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

『BanG Dream! Ave Mujica』第9話時点での各キャラの状況まとめ

豊川祥子

祥子からしたら、人生を賭けるつもりでAve Mujicaを始めたのに、結局上手くいかず、祖父に尻拭いまでしてもらって、「お嬢様のごっこ遊び」というにゃむの言葉が本当になってしまったという状況。そして、ムジカの活動のせいで睦が壊れてしまい、現在進行形でまだ大変なことになってるという状況。こんな中でAve Mujica再結成という選択はとても取ることはできない。にもかかわらず、海鈴とモーティスが接触し、初華も合流して、どんどん再結成へと外堀が埋められていってる。それも元を辿れば、「残りの人生を私にください」という祥子の言葉にメンバーが心動かされてるからであって、かつての自分の言葉がそのまま責任となって跳ね返ってきてるという状況。

こうして祥子は逃げられないような状況に追い込まれてて、懸案だった睦の件も(本当はモーティスの演技だけど)解消されて、なし崩し的にムジカ再結成になってもおかしくない形が出来上がってしまう。そこで待ったをかける奴がいるとすればそれは祐天寺にゃむしかない。にゃむからしたら、4話でも言っていたように「お嬢様かなぐり捨ててやる覚悟」を祥子に求めてるけれども、今の祥子はとてもじゃないが自分の人生預ける気になれんと思ってる。だから、10話で波乱あるとすれば、その点ににゃむがどういう感じでぶっこんでいくかに寄ると思われる。

MyGO編の10話の燈みたいに、一人でステージに立って必死にバンド再結成に動く、みたいな動機が祥子にはまだ無いので、今後どんなふうにムジカを再生していくのか道筋が見えない。逆に、燈みたいに何が何でもMyGOをやるって決めれば、たった1話でも状況が好転するって分かってるので、そこにどう持っていくかが鍵になる。あるいは、祥子とは違う別の誰かが主導してムジカ復活する流れになるのか、全然想像もつかない展開があるのか、っていう可能性も考えられる。

若葉睦

8話で睦がまだCRYCHIC再結成を望んでいることが判明。さらに、【睦ちゃん】も無数の役の中の一つに過ぎず、ギターを手にしたことで【睦ちゃん】が他の役を駆逐して表の人格になったこと、その睦を助ける役としてモーティスだけは生き残ったこと、など衝撃の事実が発覚。モーティスに対してレスバつよつよの睦がモーティスを飲み込み、睦が主導権を取り戻したのかと思いきや、海鈴と接触したのはどうやらモーティスで、いやどうなってるのこれ?と思う。

8話で海鈴の家に行ったのはモーティスの演技をした睦ではないかとも思った(直前でモーティスが飲み込まれてる描写あったし、ムジカ再結成のためにモーティスが動くことを睦が許すはずないと思っていたため)。でも結局、あれは本当にモーティスだったっぽくて、9話では睦とモーティスがギターを取り合った末に、睦が落下して消えてしまう(じゃあ8話のカラオケ屋のシーンはマジで何だったのかという気にさせられる)。

それにしても、このモーティスという存在がどういう着地をするのか、全く想像がつかない。モーティスは苦しんでる睦ちゃんを助けたいけれども、睦ちゃんが苦しまなくなったら存在意義を失う。ムジカを再結成しなければ睦ちゃんは苦しまなくで済むけれども、そうしたらモーティスは消えちゃうからモーティスは必死にギターを練習してムジカ復活を企む。消えたくない一心で睦ちゃんから役を奪っても、そもそも睦ちゃんが居なかったらモーティスの存在意義も無くなるという事態になる。あっちを立てればこっちが立たずという袋小路。ここ数話、睦関連の予想は全く当たらず、1話ごとに目まぐるしく状況が入れ替わっている。なので10話も、たぶん想像を超えた展開になっていくと思う。

あと意外だったのが、初華と鉢合わせしたシーン。「初華黙ってて!」の台詞、一瞬モーティスかと思うくらい珍しく睦ちゃんが語気強かったし、初華も睦のこと敵対してるけど、睦も睦で「こんな奴に祥子は渡さない」とか考えてそう。というか初華自体が、ムジカメンバーから祥子のことしか眼中にないアカン奴って見下されてただけかもしれん。

祐天寺にゃむ

にゃむは今、睦の才能を見せつけられて自信を失いかけてるけれども、同時に、どうすれば自分が芸能界で生き残れるかを必死で考えて、ムジカ再結成に乗るかどうするか考えてると思う。youtubeでの人気にも陰りが見えてきて1話の「昨日好きでも今日飽きた」が我が事として振りかかってきてる状況で、一人でタレントとしてやっていくことに限界も感じ始めてるけど、このままムジカに人生預けることにも不安を感じていると思う。

にゃむとしては、一緒に組む相手にも芸能界で生き残るために貪欲さや決断力を求めてるからこそ、4話で「睦に戻ってきてほしい」とか泣き言言ってた祥子に愛想をつかしたし、いつも他人事で責任を取ろうとしない海鈴のことも信用できないと言う。おそらく、祥子のことしか見えてない初華のことなどマジで眼中にない。逆に、圧倒的な演技力がある睦のことは一目置いてるし、祥子は睦の足枷になってると思ってる。

それを念頭に9話ラストの「キモっ」を考えてみると、海鈴が本気でムジカやりたいって言い出して「ああようやく信用できるようになってきたかな」って思ってたのに、出されてきたのが睦の演奏の真似してるモーティスだったと分かって失望して「キモっ」ってなってるのかなあと思う。あるいは、祥子に対しても、未だに睦のことしか見えてなくてCRYCHICという過去に執着してる姿を見て「キモっ」ってなってる可能性ある。そして睦に対しても、圧倒的な才能があるのに祥子に固執して「祥とバンドができればそれでいい」とか言って自分の才能を無駄にする選択してるのを見て「キモっ」って感じなのかもしれない。

モーティスが睦の演技をしてたことににゃむが気付いてたかは分からないけど、いずれにしても、今のムジカメンバーの姿を見て失望とか嫌悪を覚えているのは確かだと思う。それでも、にゃむは非常に計算高い行動を取ってくるので、最終的には自分の感情を抜きにしてここはムジカ再結成に乗った方が得と判断する可能性もある。

八幡海鈴

それまで秘密のベールに包まれていた海鈴の内面が、8話以降、まるで霧が晴れたかのようにクリアに見えるようになってる。海鈴としては、信じあえる仲間と本物のバンドをやりたいという切実な願望がある。でもそこに至るまでの過程があまりにも歪で、周りが見えてないという点に、海鈴の問題点があるのかもしれない。

海鈴は本質的に中二病なのだと思う。普段はクールぶって感情を表に出さないけど、心の奥底ではずっと誰かから必要とされたい、自分の居場所が欲しい、信じあえる仲間が欲しいと願ってる。それでも、失敗して傷付くのが怖いから、自分からは本気で踏み込めない。立希の言葉とCRYCHICの演奏を聴いてようやく一歩踏み出してみるけれども、そうしてとった行動が結局、自分の居場所になってくれるかもしれない人の周りをうろちょろするだけ、っていうのがもう本当に自意識をこじらせた悲しきモンスターやなあと思う。

モーティスに睦の演技をさせることでムジカ復活を目指してるけど、それで本当ににゃむや他のメンバーを説得できると思ってるのか。「睦に何やった?」って問い詰められて言い淀むようなやり方で、本当に自分の望んでいたバンド活動になるのか。兼任バンド全部辞めてきたって言うけど、そもそも海鈴個人の覚悟でどうにかなる話じゃないだろ。やるべき事をやらない奴は信用されないけど、勝手に余計なことをやっちゃう奴もまた信用されることはない。

同じアニメ内に見切り発車で強引に行動して何故か上手く行っちゃう愛音という化け物がいるからこそ、余計に海鈴の不器用さが際立つ。めちゃくちゃ辛辣な評だけど、あまりにも人間臭くて直近2話で一気に好きになったキャラ。

三角初華

CRYCHIC再結成したいという祥子の意向を聞かされた上、Ave Mujicaは祥子がCRYCHICを忘れるために作ったバンドでしかないと知らされたことで、ついに怒りが爆発しそうになり、想像の中で睦を突き飛ばしてしまう初華。海鈴・立希の会話に割り込んで「私、Ave Mujicaやるから」と言って、去り際に立希を睨みつける初華。いよいよもって初華さんの精神が限界に達しつつある。

クラスメイトの中で一番祥子の事情を知ってそうなのは立希なのに、これまで一向に立希と話そうとしなかったのは、CRYCHICの元メンバーに対して敵意を持ってるからというのがようやく分かった。MyGO編の10話で燈に優しかったのも、祥子と関係ない所でMyGOやってる分には問題ないしむしろ歓迎っていうことだとすれば合点がいく。でも9話で燈の詩の才能を目の当たりにしてしまい(「詩って伝わる気がするよね」が最悪の形でブーメランとなって跳ね返ってくる)、祥子のそばにいる人達(燈と睦)の圧倒的な才能に対して、自分は何者でもない(CRYCHICを忘れるために利用されただけの存在)という事実を思い知らされて絶望する初華。

初華からしたら睦のことは突き飛ばしたいくらい妬んでるんだけれども、9話ラストの睦(実際には睦を演じてるモーティス)はムジカ再結成に向けて動いてるから、初華とは利害が一致している。なので初華としては、祥子と睦が仲睦まじく手を取り合ってても、黙って見てることしかできないというあまりにも哀れな状況になってる。

睦ちゃん突き飛ばそうとしたのは確かにヤバいけど、ラスボスとして超えちゃいけないラインはまだ超えてないし、今後さらにヤバいことやってくる可能性高いと思う。長崎そよがMyGO編でやらかした悪事(ライブ後にキレ散らかす、CRYCHIC再結成のために愛音らを利用する、燈との一生の誓いを破る、睦ちゃんを脅す、電停で燈をわざと無視する)に比べれば、まだまだ全然いける。