新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

小説

世界が塗り替えられる時―『飛び立つ君の背を見上げる』感想

飛び立つ君の背を見上げる (響け! ユーフォニアムシリーズ)作者:武田 綾乃発売日: 2021/02/13メディア: 単行本あらゆる物事は見る角度を変えれば全然違った形で見える。ある人が見る世界と、別の人が見る世界は全く異なる。頭では分かっていたことだけど、ま…

たとえ言葉が刺さらなくても―『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章』感想

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編 (宝島社文庫)作者:武田 綾乃発売日: 2019/04/17メディア: 文庫響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編 (宝島社文庫)作者:武田 綾乃発売日: 2019/06/22メディア: 文庫…

『巴里マカロンの謎』感想

巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)作者:米澤 穂信出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2020/01/30メディア: 文庫さて、〈小市民〉シリーズとして実に11年ぶりの新刊にして、初の短編集である。忘れかけている細かい設定なども思い出しながら読み進めていった…

最近読んだ本まとめ(6)―『オーダーメイド殺人クラブ』『14歳からの哲学入門』『植物たちの戦争』

オーダーメイド殺人クラブ オーダーメイド殺人クラブ (集英社文庫)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/05/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見るこれは我々一人ひとりの物語でもあり、少年Aの物語でもある。我々は一歩間違えれ…

『響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ』の佐々木梓さんがヤバすぎて魂が震える!

響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編 (宝島社文庫)作者: 武田綾乃出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2016/08/04メディア: 文庫この商品を含むブログ (6件) を見る響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへ…

最近読んだ本まとめ(3)―『がん消滅の罠 完全寛解の謎』『人間の測りまちがい 差別の科学史』『真実の一〇メートル手前』

※本の内容に関するネタバレがありますのでご注意ください。 がん消滅の罠 完全寛解の謎 がん消滅の罠 完全寛解の謎 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)作者: 岩木一麻出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2018/01/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件)…

最近読んだ本まとめ(2)

君たちはどう生きるか 君たちはどう生きるか (岩波文庫)作者: 吉野源三郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1982/11/16メディア: 文庫購入: 54人 クリック: 631回この商品を含むブログ (169件) を見る人間は中学生くらいになると、学校では教えてもらえない…

青春の「光」と「闇」―『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 (宝島社文庫)作者: 武田綾乃出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2017/08/26メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 (宝…

〈古典部〉シリーズ『いまさら翼といわれても』各話感想

『箱の中の欠落』 『箱の中の欠落』*1は今回初めて読みました。『箱』とそれに続く『鏡には映らない』*2そして『連峰は晴れているか』*3は一繋がりの物語と捉えていいと思います。それはこの3作全てが、登場人物が心の中にある「気になる!」に徹底的にこだ…

『響け! ユーフォニアム』の作品構造

アニメ第10話まで見てようやく、『響け! ユーフォニアム』の作品構造が自分の中で分かったので、備忘録としてここに載せておきます。 作中で描かれているのは、個人のエゴとエゴとのぶつかり合い。例えば、テキトーに部活やる組と、全国を目指して頑張る組と…

(ネタバレ注意)〈古典部〉シリーズ『いまさら翼といわれても』を読んで感じたことをダラダラと書く

古典部>シリーズの最新作『いまさら翼といわれても』を読みました。素晴らしかったです。親や教師や大人が軽く考えてることでも、子どもにとっては非常に深刻な悩みだったりする場合は結構多いし、そういう認識のズレによって大人は無自覚に子どもを傷つけ続…

『響け! ユーフォニアム』の2年生組の関係性が尊すぎて生きるのがつらい!

はじめに 【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫)作者: 武田綾乃出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2013/12/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (16件) を見る『響け! ユーフォニアム』原作小説を第3巻まで読みまし…

『響け! ユーフォニアム』原作小説の小笠原晴香部長の可愛いシーン(1)

『響け! ユーフォニアム』の原作小説を2巻まで読みました。全体の感想については後日また記事を書こうと思いますが、今日は小笠原晴香部長についてお話します。だって、晴香部長が可愛すぎるんだもん。夏紀先輩、ごめん。以前こんな記事書いときながら、部長…

小説版『心が叫びたがってるんだ。』を読んで映画館に行くのを断念したという話(ネタバレ注意)

小説 心が叫びたがってるんだ。 (小学館文庫)作者: 豊田美加,超平和バスターズ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2015/09/08メディア: 文庫この商品を含むブログを見る映画版に先立って発売された小説版『心が叫びたがってるんだ。』を読みましたので早速感想…

『夏のバスプール』の望月さんが可愛すぎて萌え死ぬ

志村貴子さんのイラストに釣られて買った畑野智美さんの青春小説『夏のバスプール』。本作は、主人公・涼太(右)とメインヒロイン・久野ちゃん(左)が出会って次第に惹かれていくまでを描いた青春ラブストーリーです。が、しかし! 本作一番の見所は何と言…

『ソードアート・オンライン II』第23話と芥川龍之介の『トロッコ』について

『ソードアート・オンライン II』の第23話に芥川龍之介の『トロッコ』が登場し、その冒頭部分をユウキが朗読していたが、原作者の川原礫さんもTwitterで次のように述べています。芥川龍之介の『トロッコ』は、小、中学校の教科書に採用されることが多いみた…

やられたらやり返す倍返し少女・小佐内ゆきが可愛いすぎる〈小市民〉シリーズ感想

「小市民」を目指す謎の高校生2人組 米澤穂信の〈小市民〉シリーズの内容を一言で言い表すならば、やられたらやり返す倍返し少女・小佐内ゆきと、見た目は小市民だけど頭脳は超明晰な名探偵・小鳩常悟朗が織り成す、少し甘くて、めちゃくちゃ苦い青春ミステ…

(ネタバレ注意)〈古典部〉シリーズ『長い休日』考察―努力と友情、そして信仰の危機

長い休日 古典部>シリーズの最新話『長い休日』を早速読んだ。今回の話は、奉太郎が何故「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」をモットーにして生きるようになったのか、そのきっかけとなった小学生時代のエピソード…

(ネタバレ注意)〈古典部〉シリーズ『鏡には映らない』考察―摩耶花の圧倒的可愛さ!

先日、ようやくシリーズの文庫本未収録エピソード『鏡には映らない』を読むことができたので、今日はその感想を書く。ネタバレ満載なので、くれぐれもご注意願いたい。 刑事・摩耶花の捜査 卒業制作で大きな鏡を彩るレリーフを作ることになった折木・里志・…

(ネタバレ注意)小説『Another』を読んで感じた事

今アニメ版が放送中の『Another』の原作小説を読んだ。あまりにも面白すぎて一気に読み終えてしまったので、読んで思った事をいくつか書き留めておく。以下の文章では本作における重大なネタバレを含むので、まだ小説を読み終えてない方、今後のアニメの展開…