新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

響けユーフォニアム

世界が塗り替えられる時―『飛び立つ君の背を見上げる』感想

飛び立つ君の背を見上げる (響け! ユーフォニアムシリーズ)作者:武田 綾乃発売日: 2021/02/13メディア: 単行本あらゆる物事は見る角度を変えれば全然違った形で見える。ある人が見る世界と、別の人が見る世界は全く異なる。頭では分かっていたことだけど、ま…

たとえ言葉が刺さらなくても―『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章』感想

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編 (宝島社文庫)作者:武田 綾乃発売日: 2019/04/17メディア: 文庫響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編 (宝島社文庫)作者:武田 綾乃発売日: 2019/06/22メディア: 文庫…

世界は不公平だ。それでも頑張る意味はある。―『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』

デジタル大辞泉の解説 こうへい【公平】 すべてのものを同じように扱うこと。判断や処理などが、かたよっていないこと。また、そのさま。大辞林 第三版の解説 こうへい【公平】 かたよることなく、すべてを同等に扱うこと(さま)。主観を交えないこと(さま…

『響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ』の佐々木梓さんがヤバすぎて魂が震える!

響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編 (宝島社文庫)作者: 武田綾乃出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2016/08/04メディア: 文庫この商品を含むブログ (6件) を見る響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへ…

のぞみぞ概念

生まれて初めて同じ映画を2度映画館で見た。原作を読むだけでは全然理解できなかったのに、映画を観て、ツイッターやブログで多くの人の感想を見て、再び映画を観ると、自分の中でようやく「のぞみぞ概念」が確固としてきました。希美とみぞれが2年生の頃の…

『リズと青い鳥』は傘木希美の嫉妬と敗北と諦めの物語である

映画冒頭、学校の階段や廊下を一緒に歩く希美とみぞれ。2人は決して並ぶことはなく、常に希美が前を行く。朝の音楽室、みぞれが希美に寄りかかろうとする瞬間に、希美は席を離れて行ってしまう。みぞれが一人で希美の方を見ている時も、希美の周りにはいつも…

青春の「光」と「闇」―『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 (宝島社文庫)作者: 武田綾乃出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2017/08/26メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 (宝…

『響け! ユーフォニアム2』総評

ひとまず、各キャラについて、これまでいくつかの記事で述べてきたことをまとめました。 久美子の成長 すでに他の方も指摘している通り、第2期になって改めて、久美子役の黒沢ともよさんの演技の素晴らしさを実感できましたね。私の第1話の記事でも述べま…

『響け! ユーフォニアム』の作品構造

アニメ第10話まで見てようやく、『響け! ユーフォニアム』の作品構造が自分の中で分かったので、備忘録としてここに載せておきます。 作中で描かれているのは、個人のエゴとエゴとのぶつかり合い。例えば、テキトーに部活やる組と、全国を目指して頑張る組と…

『響け! ユーフォニアム2』第4話と原作小説との比較

みぞれの独白と自己嫌悪 アニメの第4話に全体的に足りないのは、各登場人物から放たれる「毒」と、それが自分や相手を容赦なく傷付けていく様だと思います。第4話にしてようやく明かされるみぞれ先輩の心の叫び。希美のことが大好き、自分には希美しかいない…

『響け! ユーフォニアム』第2期第1話の久美子が素晴らしかったという話

『響け! ユーフォニアム』第2期、始まりましたね。夏紀先輩は相変わらず大天使だったし、すぐに泣き出す晴香先輩は死ぬほど可愛かったし、みぞれ先輩はもう言葉に出来ないくらい尊かったですね。でも、そんな描写が全部吹き飛ぶくらい、久美子さんが凄いこと…

『響け! ユーフォニアム』の2年生組の関係性が尊すぎて生きるのがつらい!

はじめに 【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫)作者: 武田綾乃出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2013/12/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (16件) を見る『響け! ユーフォニアム』原作小説を第3巻まで読みまし…

『響け! ユーフォニアム』原作小説の小笠原晴香部長の可愛いシーン(1)

『響け! ユーフォニアム』の原作小説を2巻まで読みました。全体の感想については後日また記事を書こうと思いますが、今日は小笠原晴香部長についてお話します。だって、晴香部長が可愛すぎるんだもん。夏紀先輩、ごめん。以前こんな記事書いときながら、部長…

『響け! ユーフォニアム』総評

演出・ストーリーについて 個人的な好みもあるが、7話、8話あたりから大化けした印象が強い。そこから最終回まで、各話それぞれに異なる見どころや味わい深さがあった。 この手の作品に有りがちな「主人公補正」が一切無く、あくまでも吹奏楽部という組織の…

『響け! ユーフォニアム』の中川夏紀先輩は何故こんなにも可愛いのか

夏紀先輩は何故こんなにも可愛いのか、そんな事を私ら程度が議論して何らかの答えが出せたとしても、ひとたびアニメで夏紀先輩のお姿を見れば、その可愛さの前に議論など無意味だと知るよね。それでも私は夏紀先輩について語らずにはいられない。下に挙げた…

『響け! ユーフォニアム』第7話感想―葵ちゃんの退部と『青空エール』との比較

『響け! ユーフォニアム』第7話は、全国を目指した練習に嫌気がさした葵ちゃんが退部する話だった。滝先生も他の部員も、一応、退部の理由を聞いたり辞めないよう説得したりはするものの、無理に引き留めるようなことはしなかった。人それぞれに部活に対する…