新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

2013-01-01から1年間の記事一覧

オタク趣味の残念女子がリア充女子高生と出会い仲良くなる作品―『ともだちマグネット』『トモダチログイン』

ともだちマグネット 2 (バンブーコミックス WINセレクション)作者: まご出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2013/12/07メディア: コミックこの商品を含むブログ (2件) を見るトモダチログイン (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)作者: 井藤なな…

『のんのんびより』に描かれた不自然な「田舎」

アニメ『のんのんびより』を見て、まんがタイムきらら系の4コマ漫画『ねこのひたいであそぶ』を思い出した。この作品はその名の通り、小さな町に住む女子中学生4人が学校や家の周りで遊んでいるというだけの漫画であって、シリアスな設定や複雑なストーリー…

話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選

まだ少し早いかもしれないですが、今年印象に残ったアニメを話数単位で選出しました。選出に際してのルールは、記事「話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選: 新米小僧の見習日記」にあるとおり、 ・2013年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を…

(ネタバレ注意)〈古典部〉シリーズ『長い休日』考察―努力と友情、そして信仰の危機

長い休日 古典部>シリーズの最新話『長い休日』を早速読んだ。今回の話は、奉太郎が何故「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」をモットーにして生きるようになったのか、そのきっかけとなった小学生時代のエピソード…

(ネタバレ注意)〈古典部〉シリーズ『鏡には映らない』考察―摩耶花の圧倒的可愛さ!

先日、ようやくシリーズの文庫本未収録エピソード『鏡には映らない』を読むことができたので、今日はその感想を書く。ネタバレ満載なので、くれぐれもご注意願いたい。 刑事・摩耶花の捜査 卒業制作で大きな鏡を彩るレリーフを作ることになった折木・里志・…

『キルラキル』はノーパン主義

「制服」と「鋏」、「自由」と「服従」 ブラジャーを考えた人は誰だろう。よくもまぁあんなものを思い付いたもんだ。天地がひっくり返るような発想だ。(中略) そう考えてみれば、パンツを発明した人はもっと凄い。今もって老若男女全てを束縛している。人…

『銀の匙』第11話考察―逃げてきた先で自分と向き合うということ

このブログで時間をかけて説明してきたように、八軒はエゾノーに入学するまで「自分はこうあるべきだ」という思い込みが強すぎて、それが達成できなかった時に強い負い目を感じる傾向が強かったのだと思う。親の期待に応えなければならない、勉強が苦しくて…

『銀の匙』第10話考察―豚丼がいた教室と、命と向き合うということ

『ブタがいた教室』という映画をご存じの方も多いと思うが、そのモデルとなったのは大阪府の豊能町立東能勢小学校で行われた実際の授業だったという。この授業の概要はテレビで一度見ただけなので、細かい所は違っているかもしれないが、おおむね次のような…

『銀の匙』第8話考察―大事なのはミスをしないことではなく、今自分ができる最大限の努力を続けること

これまで八軒は、常に「完璧」を目指して勉強や農作業に努力してきた。良くも悪くも完璧主義な八軒には、「失敗」は決して許されないものだ、という強迫観念のようなものがあったのだろう。しかし、勉強や仕事やその他何であれ、ミスをしない事よりもむしろ…

『銀の匙』第7話考察―出産シーンは本当に感動的か?

たまこの実家が経営しているギガファームを見学しに行った八軒達。子牛の出産に立ち会い、その感想を聞かれた八軒の第一声は「グロい」というものだった。 八軒「ムリムリムリムリ無い無いグロい怖い!」 たまこ「生命の誕生よ! 感動しないなんてあなたおか…

『ニーナとうさぎと魔法の戦車』に描かれた反戦・反核の思想

ニーナとうさぎと魔法の戦車 8 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)作者: 兎月竜之介,BUNBUN出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/06/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る見事なエンディングだった。最後の最…

『寄り道ファミリ』私論―高度にルール化された「家族ごっこ」

萌え4コマ漫画に代表される、女の子どうしのユル~い日常を描く作品では、登場人物どうしの「共有」の感覚が大切にされているように思う。それには、「物理的な共有」と「精神的な共有」とがある。「物理的な共有」とは、物語の舞台となる「場」や、そこで起…

『銀の匙』第6話考察―分業化によって遠ざかった「死」を実感するということ

近代化とは、生産プロセスの分業化の歴史でもある。かつては一つの家族や村で衣食住に関するあらゆる物を生産していたのが、近代以降になると、食料は農村で、衣服は工場で、工業製品はまた別の工場で、という具合に別々の場所で生産されるようになった。例…

『俺の目を見てボクと言え!』を読んで「ボクっ娘」と差別の問題について考えてみた

日本語の中には無数の一人称代名詞があふれている。私は男だが、普段話し言葉で自分を表す場合には「俺」を使う事が多い。先輩や先生の前では「僕」、かしこまった場面や文章中では「私」を使う頻度が増える。本や漫画の中では、これ以外にも、「わし」「お…

『ステラ女学院高等科C3部』に描かれた「虚像」の世界

「模倣」と「虚像」 アニメ『ステラ女学院高等科C3部』第4話の脚本を担当された、さかもとたけしさんがTwitterで次のように述べている。 題材の「サバゲー」ってそもそも「模倣」で「虚像」なんです。で、アニメっていう表現も「模倣」で「虚像」。その2段…

『銀の匙』第4話考察―社会の中の多様性とそれを見渡せるリーダーの存在

私の祖母の実家はかつてその地域でも有数の地主だった。今でこそ大半の土地を手放してしまったが、戦前は広大な敷地でありとあらゆる作物・食品を生産していた。米はもちろん、野菜やイモ類、スイカや桃も栽培していた。飼っていたニワトリやヤギから、卵や…

『銀の匙』第3話考察―人間の残酷さと理解の不可能性

親鳥が自分の子孫をなるべく沢山残すためにとるべき最適の方法とは、どのようなものだろうか。リチャード・ドーキンスは著書『利己的な遺伝子』の中で、それは、親鳥が育てることのできるヒナの数よりも1羽だけ多い卵を産むことであると述べている。そうすれ…

『銀の匙』第2話考察―先入観を捨てて物事を見るということ

稲田先輩の持ってきたスモークチキンを見て、八軒の脳裏にニワトリの首を切断する生々しい光景がよみがえる。それでも「いやいや、先入観はいかん」と覚悟を決めてかぶりついたスモークチキンは、言葉を失うほど絶品だった。さらに、タマコが稲田先輩の妹で…

結局私たちはみんな『恋愛ラボ』の真木会長のように、的外れでおバカな妄想を繰り広げている恥ずかしい生き物なんだ

普通のスポーツや文化系の活動とは異なる、一般人から見たらどうでも良いと思えるようなことに青春をかける作品として、『ベン・トー』や『学校の階段』などが挙げられるが、今期からアニメ版が始まった『恋愛ラボ』もまた、そういった作品の一つである。こ…

『銀の匙』第1話考察―理不尽な自然と向き合った時に得られるもの

荒川弘のエッセイ漫画『百姓貴族』には「農家の常識は社会の非常識」という台詞が登場する。高校入学まで全く農業と縁のない生活を送ってきた八軒勇吾にとって、エゾノーは正に「非常識」に満ち溢れた世界だった。家畜の放つ強烈な臭い、ニワトリの頭を切り…

科学的思考とは何か―『斉藤アリスは有害です。』私論

非科学的なオカルト・迷信・呪いの類を科学的に否定する方法は2つあると思う。1つ目は、一見すると非科学的で超常現象にしか見えないそれが、よくよく調べてみると実は科学的に説明の付く現象だったというパターンだ。かつては神などの超常的な存在を持ち出…

『ゆゆ式』第5話考察―ゆずこと唯・縁との間に生じた微妙な距離感

アニメ『ゆゆ式』第5話。ゆずこにとっては大変辛い回になったことでしょう。「唯と縁 とゆずこ」というサブタイトルが暗示しているように、第5話はこれまでの回とは一転して、ゆずこと他2人との間の微妙な距離感・すれ違いが強調されていました。また、flunk…

『ゆゆ式』関連記事を読んで、ようやく自分の中で「ゆゆ式とは何か」を理解できるようになってきた

特に縁が部活終了の合図を出すまでの “間” と “表情” については色々と想像が捗るところで、あのタイミングでのあの行動に関しては決して「彼女一人のお腹が空いたからではない」というのが自論です。 (中略) それは、例えば縁が “二人の目線を自分の中に…

『LSD~ろんぐすろーでぃすたんす~』に描かれた理想的な部活動の姿

LSD~ろんぐすろーでぃすたんす~ (2) (まんがタイムKRコミックス)作者: ほた。出版社/メーカー: 芳文社発売日: 2013/04/26メディア: コミックこの商品を含むブログ (6件) を見る『LSD~ろんぐすろーでぃすたんす~』第2巻、読みました。相変わらず素晴らしい…

『彼氏ってどこに行ったら買えますの!?』と「友達が欲しい系」作品について

彼氏ってどこに行ったら買えますの!? (1) (まんがタイムKRコミックス)作者: 火曜出版社/メーカー: 芳文社発売日: 2013/04/26メディア: コミックこの商品を含むブログ (11件) を見るついつい表紙買いしてしまったんですが、大正解でした。この『彼氏ってどこ…

『波打際のむろみさん』を見て生物進化を学ぶ

アニメ『波打際のむろみさん』第3話に登場したイルカですが、今日はその進化の過程について勉強していきましょう。クジラにはヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目*1の2種類があり、ハクジラ亜目の中で特に小型のものが一般にイルカと呼ばれています。では、このク…

熊本県の石橋を見てきたったwww(まとめ)

熊本県の石橋を見てきたったwww(その1) - 新・怖いくらいに青い空(熊本市、玉名市、宇土市、大津町の石橋) 熊本県の石橋を見てきたったwww(その2) - 新・怖いくらいに青い空(美里町の石橋) 熊本県の石橋を見てきたったwww(その3) - 新…

熊本県の石橋を見てきたったwww(その3)

山都町の石橋 山都町の石橋の中で最も有名なものが、言わずと知れた通潤橋。一度、バスに乗って見に行ったことはあるが、まともに撮影していなかったのが悔やまれる。今回、バイクで向かおうとしたが、あまりにも遠すぎて断念。その代わり、途中でいくつか石…

熊本県の石橋を見てきたったwww(その2)

美里町の石橋 旧中央町と旧砥用町が合併して誕生した美里町は、大小様々な石橋が存在する石橋マニアの聖地。国道443号と218号が交わる場所にある小筵橋(写真上)。そこから山道を少し行った所にある妙見橋(写真下)。上から大窪橋、馬門橋、県橋。探し出そ…

熊本県の石橋を見てきたったwww(その1)

昨年から今年にかけて、数回に分けて、熊本県内の石橋を撮影してきた。 熊本市の石橋 一番上が大井手橋。アスファルトで舗装されているが、未だに現役で使われている。真ん中が中松尾橋。市内の別の場所にかかっていた橋を、公園内に移築したもの。一番下が…