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ブラタモリ用語辞典

(2018年5月27日 初版投稿) ※用語が増えたらその都度改定していく予定。

岩石

安山岩【あんざんがん】 マグマが地上で急激に冷えて固まってできる岩石の一種。こんぴらさん、萩の回で登場。硬く風化しにくいという特徴があり、建材としてよく利用される。

花崗岩【かこうがん】 地下のマグマがゆっくり冷えてできる岩石の一種。白っぽく風化しやすいのが特徴。黒部ダムの周辺の山地、厳島神社のある宮島、こんぴらさん、平泉などは花崗岩からなる地形。京都・東山の枯山水は川底に溜まった花崗岩の小石や砂を使って作る。

軽石【かるいし】 マグマに含まれる水などが発砲してできる多孔質の石。軽井沢の語源は軽石沢であるという説もある。

凝灰岩【ぎょうかいがん】 火山灰が堆積してできる岩石。室蘭の銀屏風、鎌倉の鎌倉石など。高温の火山灰が溶融・接着したものは溶結凝灰岩と呼ばれ、鹿児島のたんたど石などが挙げられる。加工しやすく遮熱性に優れているため、建材として使われる(例えば、小樽の倉庫街)。

玄武岩【げんぶがん】 マグマが急激に冷えて固まってできる岩石の一種。秩父、伊豆の回で登場。硬くて風化しにくいため、城の石垣などによく用いられる。

砂岩【さがん】 海底に堆積した砂が固まってできた岩石。宮崎の観光名所「鬼の洗濯岩」は砂岩と泥岩が交互に重なってできたもの。

水冷破砕岩【すいれいはさいがん】 マグマが水で急激に冷やされてできた岩石。かつて噴火口があった場所でよく見られる。熱海、知床、室蘭の回で昔この場所に活火山があった痕跡として登場。

石灰岩【せっかいがん】 サンゴの死骸などが堆積してできる炭酸カルシウムを多く含む岩石。秩父首里城の回などで登場。

チャート【ちゃーと】 プランクトン(放散虫など)の死骸が堆積してできた岩石。嵐山、清水寺、岐阜の金華山などで見られる。

泥岩【でいがん】 海底に堆積した泥が固まってできた岩石。水を通しにくいという性質があり、水戸では江戸時代に水道の壁として利用された。

溶岩【ようがん】 火山から流れ出た岩石溶融物およびそれが冷えて固まった物。粘り気の少ないサラサラした溶岩をハワイ語パホイホイ、逆に粘り気の多い溶岩をアアと言う。前者はハワイ・キラウエア火山などの傾斜の緩やかな山を形成し、後者は昭和新山雲仙普賢岳などのゴツゴツしたお椀型の山を形成する。

天然の地形

海食崖【かいしょくがい】 大地が波によって削られてできる崖。小樽や長崎では、かつての海岸線の痕跡として海食崖が見られる。海食崖が階段状になっているものは海岸段丘と呼ぶ(函館などに見られる)。

河岸段丘【かがんだんきゅう】 河川が土地を削ってできる階段状の地形。仙台、沼田、伊勢神宮、水戸、秩父の回で登場。

カルデラ【かるでら】 巨大な火山の中央部が陥没してできた地形。箱根、十和田湖洞爺湖などに見られる。

汽水域【きすいいき】 河口付近に広がる真水と海水が混じり合っている領域。広島、宍道湖などで見られる。シジミ漁が盛ん。

砂丘【さきゅう】 風や潮によって運ばれてきた海の砂がたまってできる地形。新潟、福岡、萩は砂丘の上に発達した町である。

三角州【さんかくす】 河口付近に川から運ばれた土砂が堆積してできる地形。広島や萩は三角州の中に発展した町として有名。

自然堤防【しぜんていぼう】 洪水で運ばれた土砂が川からあふれ岸に堆積してできた地形。ブラタモリでは宝塚を流れる武庫川、大阪を流れる寝屋川などの自然堤防が登場した。

扇状地【せんじょうち】 河川が運んできた土砂が山間部と平地の境目に溜まってできる地形。水捌けが良く、小麦や茶の栽培に適している。扇状地の終端は水を得やすい。会津、別府、宇治、常願寺川土器川など、ブラタモリでも頻繁に登場する。

台地【だいち】 平地よりも一段高くなっている場所。水を得にくいという難点があるが、地盤が安定しており、水害に強いという特徴がある。水戸城名古屋城などは台地の地形を利用して建てられている。ブラタモリでは、大阪の上町台地、大宮台地、田園調布がある武蔵野台地などが登場。

台地のへり【だいち‐】 台地と平野部との境目。階段や高低差などの痕跡が残る。水を得やすいため古くから集落などが発達しやすい。台地のへりから水が湧き出した場所として、ブラタモリでは大宮氷川神社の湧水、熊本の健軍水源地などが登場。

断層【だんそう】 地震によって地層や地盤が割れてずれてできる地形。断層に沿ってできる崖のことを断層崖と呼ぶ。ブラタモリで特に頻出するワード。断層に沿って温泉が湧き出した例として道後温泉別府温泉が挙げられる。断層に沿って直線状に流れる河川として長瀞が登場。嵐山、清水寺、東山などの美しい風景と断層が密接に関わっていることも紹介された。

低湿地【ていしっち】 海岸や湖沼の近くに広がる低い土地。水捌けが悪く、水害が発生しやすい。

微高地【びこうち】 平坦な平地の中で周囲よりもわずかに高くなっている場所。洪水や津波の被害を受けにくく、街や集落が発達しやすい。

メサ【めさ】 スペイン語でテーブルという意味で、柔らかい地質の上に硬い地質が水平に乗ってできる台地のような地形。こんぴらさんのある象頭山は、花崗岩の上に安山岩が乗ったメサとも言える。

陸繋島【りくけいとう】 陸地と島の間に砂が堆積し半島のようになった地形。函館、江の島など。

人工の地形

暗渠【あんきょ】 地中に埋没された河川や用水路のこと。河川や用水路を暗渠化する理由としては、道路の拡張や都市の整備などが挙げられる。ぱっと見ただけでは川があるとは分からないが、石垣、橋、マンホール、道路の幅といった痕跡から暗渠であると分かる場合が多い。札幌、那覇、別府、清水寺、倉敷、宇治など、ブラタモリでは繰り返し登場する。

埋立地【うめたてち】 海を埋め立てて造られた土地。浦安、小樽、函館、江戸など、埋め立てによって拡大していった都市は多い。

運河【うんが】 船で物資を運ぶために作られた人口の川。新河岸川小樽運河、松山の中の川、名古屋の堀川、小名木川など。

干拓【かんたくち】 遠浅の海を堤防で仕切り、水を抜いて土地を造成することを干拓という。ブラタモリでは広島や倉敷の干拓地が登場。

河川の付替え【かせん‐つけか‐】 町の整備や洪水防止のために河川の流れを変えること。熊本の白川、彦根の芹川、神戸の湊川などが登場。

堤防【ていぼう】 洪水防止のために川沿いに盛り土をしたもの。現在は使われてなくても高低差などの痕跡が残る。

天井川【てんじょうがわ】 土砂の堆積と堤防の積み増しによって周囲よりも高い位置を流れるようになった川。神戸の旧湊川など。

土塁【どるい】 城や城下町を守るために築かれた土手。小田原の総構、熊本の船場山など。

用水路【ようすいろ】 生活用水や農業用水の確保のために作られた人口の川。今も昔も都市の発展のために何よりも大切なのは水の確保であり、ブラタモリでも多くの回で用水路が登場する。金沢の辰巳用水、仙台の四ツ谷用水、小田原用水、会津の戸ノ口用水、琵琶湖疎水、玉川上水、三田用水など。熊本の馬場楠井手には鼻ぐり井手と呼ばれる火山灰の堆積を防止する仕掛けがある。

建造物

石垣【いしがき】 ブラタモリでは用水路、橋、船着き場、城などの痕跡としてよく出てくる。石の種類や積み方も、時代や地域によって特徴が異なる。

温泉街【おんせんがい】 ブラタモリではこれまでに、熱海、道後温泉、別府、箱根、有馬温泉が登場。宝塚など、かつて温泉街として栄えた町も登場した。

街道【かいどう】 江戸時代以前から続く陸上交通の要となる道路。江戸時代には日本橋を起点として延びる五街道が整備された。特に、江戸と京を結ぶ街道として東海道が有名だが、河川の氾濫などによる足止めを避けるために、東海道の代わりに中山道を選ぶ者も多かった。

カギ状の道路【かぎじょう‐どうろ】 城下町などでは、敵の侵入を防ぐためにあえて道をクランク状に曲げている場合がある。会津、松山などの回で登場。大宮では、街道での出会い頭の事故を防止するためにあえて十字路を作らず、道をカギ状に交差させた例が見られる。

碁盤の目状の町割り【ごばん‐めじょう‐まちわ‐】 街を効率よく整備するために道路を等間隔に配置し、直角に交わらせるような街割りをする場合がある。このような街として京都が有名だが、大阪、名古屋、札幌などでも見られる。

宿場町【しゅくばまち】 街道沿いにはかつて宿場として栄えた宿場町が点在する。ブラタモリで登場する箱根・小田原・熱田宿は東海道の宿場町であり、大宮宿・坂本宿・軽井沢宿は中山道の宿場町である。

【とうげ】 山越えの道で最も標高が高く険しい場所で、古くから交通の難所とされた。明治以降にトンネル等が整備され、往来が容易になった。ブラタモリでは箱根、碓氷峠天城峠が登場。

細長い敷地【ほそなが‐しきち】 江戸時代、全ての家が通りに面するようにするため、あるいは、間口の広さによって税金が決められていたため、家の敷地が道と垂直方向に細長に伸びた長屋が数多く作られた。今でも城下町や門前町でよく見られる。吉祥寺、軽井沢などにも見られる。その他、函館では、海に面する屋敷が海側を埋め立てて増築した結果、細長くなった家がある。

【みなと】 船が停泊して積み荷の揚げ降ろしをする場所。波が穏やかで、船が停泊するために十分な水深があり、港町が発達しやすい平地がある、といった条件の場所に作られる。江戸時代以前は陸運が未発達であり、港町は交通の要衝として古くから発達していた。長崎、横須賀、神戸、室蘭などが典型。

門前町【もんぜんまち】 大きな寺社仏閣の参道に発達した町。伊勢、こんぴらさん、出雲などに見られる。参拝客が泊まる宿があるだけでなく、遊郭や劇場など、娯楽施設が立ち並んでいることも多い。

その他の用語

温泉番付【おんせんばんづけ】 江戸時代、人気の温泉地を相撲の番付に見立ててランク付けしたもの。今で例えるなら、2ちゃんねるの「打線組んだ」スレみたいなものである。有馬温泉大関別府温泉は前頭六枚目、熱海温泉は行司(ランキングに入らない別格の温泉)という位置づけになっていた。

高低差【こうていさ】 ブラタモリの町歩きは高低差を探すのが基本中の基本。高低差ができる要因は様々で谷・台地・断層・河川・海岸線の跡など自然の地形に由来するものもあれば、堤防・堀・土塁など人工物に由来するものもある。谷筋や尾根筋に道が通っている場合、道の両側が盛り上がったり低くなったりして見える。

節理【せつり】 岩の割れ目のこと。特に、溶岩が冷えて収縮する時にできる割れ目を指す場合が多い。宮島、長瀞の回で登場。柱状にのびた岩の割れ目は柱状節理と呼ばれ、知床、十和田湖、伊豆の回で登場。

鉄道と町の発展【てつどう‐まち‐はってん】 江戸時代以前から参拝客等で賑わっていた場所が、明治以降、鉄道が開通することによってさらに身近な観光地として発展するケースがよく見られる。香川県こんぴらさん出雲大社、高尾山、伊勢神宮など。

天領【てんりょう】 徳川幕府直轄の領地。交通の要衝や重要な農作物の産地など、幕府が手厚く保護したい地域が天領となった。長崎、倉敷、宇治など。

不自然なカーブ【ふしぜん‐かーぶ】 高低差と並び、ブラタモリの町歩きで基本となるもの。カーブができる理由は、かつての河川の後だったり、元からあった建造物等を避けるためだったり、様々である。軽井沢や田園調布のように、景観を良くするために意図的に道を半円状に曲げている場合もある。

湧水【わきみず】 台地のへり、扇状地の末端、水を通しやすい地層と通しにくい地層との境目、などに見られる。湧き水が湧く場所は水を得やすいため、古くから町や田畑が発達している場合が多い。地下を通って湧き出てくるため、河川の水よりも水質が良く、年間を通して水温が安定しているという特徴がある。