新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

今月の『Aチャンネル』が素晴らしかったという話(ネタバレ注意)

まんがタイムきららキャラット8月号の『Aチャンネル』が良かったです。今回のお話はトオルが手紙で告白されてそれを断るという、まあよくあると言えばよくある話なんですが、「へ~、それを『Aチャンネル』でやるんだ~」と驚きました。しかも、日常系4コマにありがちな、勘違いでした~とか、女の子からの手紙でした~とかいうオチじゃなくて、普通に告白されて普通に振るというのがまた良いんですよ。私はこの作品を全話フォローしてるわけではないので分かりませんが、ここまで「踏み込んだ」話が描かれるのは初めてなんじゃないでしょうか。

こういう描写があるからこそ、『Aチャンネル』は確かに日常系ではあるけれども、いわゆる「無菌系」ではないんですね。『きんモザ』や『ごちうさ』のような典型的な無菌系とは違って、『Aチャンネル』は男は出るわ、告白はされるわ、しかもるんちゃんは男子とも仲良くしゃべったりとかしてて、ラブコメ方向に振れる「余地」が結構あるんですよね~。でも、それはあくまでも「余地」であって、やっぱり最後は百合ですよ~っていう、絶妙な揺らぎが素晴らしいと思います。黒田bb先生はこういうフックの仕掛け方が絶妙に上手いですね。

そして何より、トオルが告白されたことを知らされた時のるんちゃんの反応が萌えました。ほとんど放心状態で、ナギいわく「こんなの初めて見た」*1っていう顔してましたし、告白を断ったと聞いた後の安堵の表情も良かったですね。そもそもこの2人の関係って、最初はトオルの方がるんちゃんへの依存度強めな感じで、るんちゃんと話してる男子をバットで追い払おうとしたり、ナギやユー子にも嫉妬したりしてたわけですが、次第に4人の関係性も大切に思えるようになり、さらには、るんちゃんと全く関係のないユタカやミホとも仲良くなっていて、(こういう言い方が適切かどうかは分からないけど)トオルの中でるんちゃんの占める割合は相対的にどんどん小さくなっていってるんですよね。今回のエピソードは、それを象徴するような描写だったと思います。まさかるんちゃんの口から「トオルをとられちゃうみたいで少し寂しいかも」*2なんて言葉が出てくるとはね…。トオルがバット振りかざしてた頃からしたら隔世の感すらあります。

なんかもう、自分の心の中では、『Aチャンネル』と『ゆゆ式』は別格の存在になりつつありますね。「この作品のこのキャラが可愛い」とかではなくて、お前ら全員可愛すぎだろおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!っていうレベルにすでに達してます。長いスパンで見たら当然、これら2作に匹敵する日常系の作品が現れてくるとは思いますが、当面はこの2作が最強の座を譲ることはないと思いますね。

関連記事:『Aチャンネル』と『けいおん!』の比較―るんとトオルとの微妙な距離感 - 新・怖いくらいに青い空
関連記事:Aチャンネル #03 『同級生』 感想 | 空深ク、彼方へ ―