遅ればせながら『かぐや様』を22巻まで読んだのですが、いやもう、これ、スゲーわ・・・。
伊井野ミコがどんどん魅力的なキャラになっていってるのよ!
初登場時の伊井野ミコって、融通が利かない真面目一辺倒って感じの子で、良くも悪くもステレオタイプな風紀委員という役付けだったのよね。
ところが、ヒーリングボイスとか、大食いとか、登場回数が増えるにつれて、どんどん化けの皮が剥がれていく。さらに、藤原書記への依存度も日に日に増していき、コイツ実はヤバいやつなんじゃね?ってなっていく。
その勢いはクリスマスパーティでの骨折事件で一気に加速。怪我で片手が使えないことを利用して石上に身の回りの世話をさせるなど、もうやりたい放題。さらに、石上への恋心を自覚するとほぼ同時期に、タオルケット依存症、闇ポエム、般若心経など、激ヤバメンヘラ設定が目白押しとなる。
そして、般若心経と同じ回なんですが、ついにミコと会長との関係性にも急展開が生じます。
もしかして私のタイプって白銀先輩なのかもしれませんよ どうします?
もちろん冗談です 私……会長と四宮先輩が付き合ってるの気づいてますから
(『かぐや様は告らせたい』第19巻、190話より)
気づいてたんか~い! ていうかちょっと待って、ミコちゃん、会長をからかうようなキャラじゃなかったよな・・・。だが、ここから伊井野ミコの会長イジりはどんどん加速する。
……先輩はそうやって何人の女の子を泣かせてきたんですか?
私にもこんなに優しくしちゃって……本命チョコは会長にあげますね
(『かぐや様は告らせたい』第20巻、194話より)
極めつけが21巻206話、石上がつばめ先輩に振られ、そのことを内心で喜んでしまったミコは自己嫌悪に陥ります。何か出来ることはないかと白銀が声をかけると、なんと「私を抱きしめてください」と。もうヤバすぎる展開。焦る白銀。するとミコは笑いながら、
先輩の慌ててる顔見たら ちょっと元気出ました
(『かぐや様は告らせたい』第21巻、206話より)
ってもう、完全に白銀をからかって遊んでるんですよね。そしてその後も、
先輩だったらいつでもハグして来ていいですよ
お互い変な気起こしたら その時は一緒に地獄へ堕ちましょうね
あーあ… 先輩が女の子だったら良かったのに
そしたらいっぱいイチャイチャ出来たのにな
(『かぐや様は告らせたい』第21巻、206話より)
ひぇ~~~~~~!!! 怖えよ!!! なんなの、この女!?
第22巻でもヤバさ全開。
先輩も大人な私にどんどん甘えてくれて構いませんよ?
私は子供扱いも頭なでられるのも好きなタイプなので
いつか先輩からのなで返しを期待しています
(『かぐや様は告らせたい』第22巻、213話より)
とか言いながら、会長の頭ナデナデしています。
一体何なんだ。この豹変ぶりは。ミコちゃん、いつの間にこんな強キャラになった?
でも、これが、伊井野ミコが生徒会に入って大きく成長したということの何よりの証拠じゃないでしょうか。
中学時代の辛い経験もあって人前でスピーチする事すらできなかったミコちゃんが、白銀会長の協力もあってトラウマを克服した。でもその時点ではまだ生徒会役員としても人間としても全然会長の足元にも及ばないヒヨっ子だった。
そんなミコちゃんが、会長や他のメンバーとフランクに会話できるようになり。いや、それだけじゃない。仕草、話術、度胸、人間力、全てのレベルが格段に上昇していて、白銀会長をからかい弄んで遊んでいる。あのかぐや様と恋愛頭脳戦をやってきた百戦錬磨の会長が、本気でタジタジとなり狼狽えている。
この様子を見るだけでもう涙が出てきそうになる。
ああ、伊井野ミコ、成長したなぁ・・・。間違いなく、生徒会メンバーの中で一番成長したのは伊井野ミコだと断言できる。
ここからさらに物語が進んだら、伊井野ミコは一体どうなるんだろう。本当に末恐ろしい子だ。
正直、かぐやと御行がカップルとなり、あとは最終回に向けてソフトランディングしていくだけと思っていた。しかし、ここに来てキャラクターの新たな一面が開花し、物語は想像もつかない方向へと進もうとしている。見事としか言いようがないです。