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新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

『かぐや様は告らせたい』第5巻感想

かぐや様は告らせたい』第5巻に収録されている夏休み編、その素晴らしさについてはすでに何人かが語りつくしているので、ここではもう述べません。

しかし、それ以外のエピソードでも、かぐや様のお可愛さと2人のすれ違いが強烈なエネルギーで描かれている傑作だったと言えるでしょう。

正直「お互い奥手すぎて恋愛関係がなかなか進まない」というタイプの恋愛漫画は珍しいわけではありません。そこに「自分から告白したら負け」という勝負の概念を持ち込んだのが『かぐや様は告らせたい』の最大の特徴だと思います。妙なプライドと気恥ずかしさが邪魔してしまい、お互いが相手より優位に立とうとしてマウント取り合い合戦みたいになってるのがクッソ面白いわけです。

ところが、巻が進むにつれて、物語の構造も少しずつ変化していってるように感じます。これまでは何とかして「相手に告白させたい、自分を選ばせたい」という気持ちから行動していたように思いますが、最近は「相手に好かれたい、嫌われたくない」という気持ちの方がより強まっているみたいです。例えば、第47話の選択科目を選ぶエピソードが一番分かりやすいかと思いますが、1巻の時点だったらかぐや様は真っ先に自分の選択を紙に書いて、白銀より優位に立とうとしたでしょう。ところが、かぐや様は先に書いたふりをすることで、白銀の選択を狭めることなく、より確実に同じ授業を選択できるようにしていました。

要するに第1巻の時点では、もちろん相手を好きである事には変わりないのだけれど、自分が相手より優位に立つということが半ば目的化してた部分があると思います。しかし今では、相手と一緒にいたい、この掛け替えのない高校生活を2人で楽しみたい、という気持ちがより前面に出てきて「お前らちょっと可愛すぎんだろwww」って感じになってますよね。

しかし、この感情の変化はある意味、諸刃の剣でもあるわけです。相手のことが好きで好きでたまらないくらい大好きだからこそ、相手に嫌われたくないという思いから行動はますます慎重になっていくんです。だからこれからも、2人は悩んで、間違って、すれ違って、そのたびに相手を愛おしく思う気持ちを強くしていくのだと思います。

そんな2人をニヤニヤしながらこれからもずっと見つめていたいと思います。