新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

『水星の魔女』に関する一連の騒動についての私見

月刊ガンダムエース2023年9月号のインタビュー記事で、スレッタ役の声優である市ノ瀬加那さんが、スレッタとミオリネが結婚したと言及していたのに、後に配信された電子版ではその記述が削除された件について、7月30日にガンダムエース編集部とバンダイナムコから謝罪文(月刊ガンダムエース2023年9月号掲載のインタビュー記事についてのお詫び)が発表され、その中で「作品側としては、本編をご覧いただいた皆様一人一人の捉え方、解釈にお任せし、作品をお楽しみいただきたいと考えております」などと述べられていたが、それについて私が言いたいことはただ一つ、

アニメの製作者や関係者が作中の描写について何らかの発言をすることは、公式によるダイレクトなメッセージとなり、それが結果的に視聴者の捉え方・解釈の幅を狭めてしまうおそれもあるので、あえて細かい設定などを言わないという判断がなされることは、一般的にはあっても良いとは思うが、

今回のように、作中で何度も同性婚についての言及がなされ、最終回では結婚指輪までして最早2人が結婚していることが誰が見ても明らかな状態であるにもかかわらず、それを公式が曖昧なままとし「皆様一人一人の捉え方、解釈にお任せ」するという態度をとるのであれば、2人の結婚について何も言及しないというそのこと自体に強いメッセージ性が含有されている、と見るべきであり、

であるがゆえに、本件に対する公式の態度は、同性婚を快く思わない層に配慮して、2人が結婚したという事実を出来る限り見えないようにしよう、という意図があると受け取られても仕方のないことであり、2人の結婚を祝福していた人達を深く傷付け、現実世界の性的マイノリティの人達の尊厳を踏みにじる行為に他ならないので、到底許されるものではない、ということです。