新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

『ゆるキャン』アニメ2期

ゆるキャン』セカンドシーズンはとにかく良いところが多すぎた。

まず1期1話とオーバーラップする第1話の美しさ。本作は、ソロキャンプという特別な体験をしつつも、その中でやっていることはカップ麺を食ったり、LINEしたり、読書だったりというありふれた事で、でもそのありふれた事が普段とは全く違って感じられるという「気付き」を、驚くほど繊細に描き出していく。

そして3話の土岐綾乃の圧倒的なインパクト。黒沢ともよさんの怪演が光る。実質この第3話にしか登場してないのに視聴者に残すインパクトがヤバすぎる。もし第3期を原作通りのエピソードで作るのなら、メインは綾乃&シマリンによる大井川吊り橋探索原付不倫旅行がメインなので是非とも3期やってほしい。

その後、なでしこがバイトを始めたり、野クルメンバーが山中湖で凍えそうになってたりと色々ありつつ、なでしこソロキャン回である。原作ファンからは、さくリン不倫旅行回として非常に有名だが、それだけでは終わらせないのがアニメの素晴らしいところ。8話冒頭「うなぎおいし浜松〜」のインパクトが強すぎて元の歌詞を忘れそうになるけど、そこからのラスト「夢は今も巡りて」につなげるのは反則過ぎる。なでしこにとっては静岡こそが故郷、だからこそこの選曲なんだと気づくと、もう美しすぎて涙出てきそうになる。

さすがに8話を超えるものは無いかと思いきや、第9話、リンとお爺ちゃんの2人ツーリング回。そして11話、眠気に襲われて温泉やキャンプ場で前後不覚になる志摩リン。もうこの志摩リン最高なんだけど、あそこまで力が抜けたようになっているの、どう考えてもなでしこが側にいるからよな。これが例えば、大垣と2人でキャンプとかだったら、どんなに眠くてもあんなにはなってないと思われる。そして、なでしこはなでしこで元カノ・斎藤の前でリンとの親密さをアピール。その斉藤も「18になったら車の免許取りたい」って要するに、志摩リンの保護者ポジションは渡さないという宣戦布告ですよね。

という感じで毎回良いところ盛りだくさんだった第2期も、4月1日の放送で最終回。作中世界も、現実の世界も、もうすぐ本格的な春がやってくる。

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というか、どうやったらこんな美しいPVを作れるのだろう。「ここにも春が来る」には色々な意味が込められている。作中ではもう3月で、ずっと冬キャンを題材としてきたこの作品にもいよいよ春がやってくるという意味。山間の雪深い山梨にもようやく春がやってくるという意味。そして、もちろん、我々が生きる現実の世界に訪れる春。そして、コロナ禍という冬が終わり春がやってくるという希望の意味も込められているだろう。

だが現実の世界では、ゆるキャン2期が終わり春がやってくると、すぐにこれがやってくる。

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いやもう楽しみすぎだろ。