高橋めぐみ(宇宙よりも遠い場所)
幼馴染のキマリが報瀬といっしょに南極に行くと言い出したのが気に食わず、彼女らの悪い噂を流したりする。出発当日の朝には、最後の悪あがきで「絶交しよう」とか言い出す。一連のめぐっちゃんの行動原理は、仲のいい幼馴染が遠くに行ってしまう寂しさや嫉妬心などという単純な言葉では説明がつかない。めぐっちゃんの一番ヤバいところは、キマリが自分と同等、いや、自分より下だと勝手に見下して、優越感覚えてるところ。だからこそ、キマリ達が南極行くと聞いて心の中グチャグチャになって、ああいう行動を取ってしまうわけ。
しかし、あんだけ啖呵切って絶交だとか言ってたのに、キマリとLINEで会話してるし、その悪人になりきれない小物っぷりがまた良い味を出している。しかし、最終回では、キマリ達に触発されて北極に旅に出てる事が発覚! ええええええええええええ????? 行動力あり過ぎて逆に怖えよ…。
『けいおん!』の和ちゃんに代表されるような後方見守り系幼なじみキャラという概念を打ち破る、まさに唯一無二の幼なじみキャラだった。
羽咲綾乃(はねバド!)
この作品を良くも悪くも特徴づけているのは、主人公・羽咲綾乃のクズっぷりであることは言うまでもない。世の中には健全な精神は健全な肉体に宿るとか言って、部活を頑張ってる人やスポーツで大成した人は無条件に人格者であると思ってる輩がいるが、本作はそんな幻想を完全にぶち壊していく。綾乃がバドミントンに打ち込んでいき、勝ち進んでいくにつれて、彼女の心は薄汚れ、不健全になっていく。
綾乃のクズさというのは、あからさまに悪いことをしてる悪人的なものとはかけ離れていて、何というか、精神的な幼さとそれに起因する自己中気質と言っていいのではないか。試合に勝てばすぐ調子に乗り、負ければすぐ不貞腐れる。試合中・観戦中の態度は最悪で、何か言われたらすぐ口ごたえするし、先輩にも全く敬語使わない。ようするにコイツは、どうしようもないクソガキなのである。こんなことになってるのは、幼馴染であるエレナのせいでもある。綾乃がクズな行為をしてもエレナは軽く注意するだけで本気で怒ったりしない。エレナが綾乃を甘やかすから、綾乃はますます調子に乗ってクズになっていくのである。
こんな事を書くと綾乃が嫌いなのだと思われるかもしれないが、はっきり言って、綾乃はクソガキだからこそ良いのである! 小さい体でふんぞり返ってクズな行動してるのが可愛いし、その合間に見せる無邪気な笑顔とかがまた素晴らしいのである。最終話、なぎさとの試合に負けて、それでもなおバドミントンを続けてきて良かったと心の底から思えるようになった綾乃の目に光る涙。そうか、そうだったんだ…。この子は、バドミントンを通してでしか、人の優しさや暖かさに触れることができないんだ…。その不器用な生き方が、たまらなく切なくて胸が苦しくなる。
という感じでようやく更生したかと思いきや、怪我から復帰したばかりのなぎさに喧嘩を吹っ掛け、この(↓)表情である。ホント、マジでどうしようもない奴だな。
泣かせたい、この笑顔 pic.twitter.com/62ianbpRHV
— 九州人 (@kyuusyuuzinn) 2018年10月21日
新条アカネ(SSSS.GRIDMAN)
2018年の日本に彗星のごとく現れた奇跡の悪役キャラ。世界は新条アカネの登場を待っていた!
第2話の衝撃は本当に凄かった。暗殺ターゲットの女子生徒が死んだと分かると「よしっ!よしっ!死んだーっ!」 と大喜び、担任教師めがけて怪獣がレーザー砲を放つと「ちょっと雑すぎ!ちゃんと狙って撃ってよ!」とまた大喜び。そこに躊躇いや良心の呵責は一切存在しない。心の底から殺人と破壊を楽しんでいる。さすがアカネ様、俺たちにできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれる!あこがれるゥ!
新条アカネちゃん、学校では本性隠して八方美人な美少女だけど、家に帰ったら特撮ガチオタな汚部屋で本性剥き出しになって汚い性格と言葉遣いでギャハギャハ笑いながら怪獣模型組み立てて楽しそうに殺人計画を考え依頼してニッコニコな陰湿性悪サブカルクソ女っぷりが眼鏡巨乳も相まってもう最ッ高… pic.twitter.com/UEgeP0e1zk
— こあさ (@Lactaphilia0) 2018年10月13日
逆に負けた時の反応もまたとにかく良い。パソコン蹴るわ、アンチ君に八つ当たりするわ、もうやりたい放題。そんでまた次の復讐計画を練って、ワクワクしながら部屋で怪獣作ってるところも含めて、もう最高すぎる。
要するに、新条アカネちゃんが勝ったら「アカネちゃんメッチャ嬉しそうwwwwww」って感じで笑えるし、負けたら負けたで「アカネちゃんメッチャイラついてるwwwwww」って笑えるので、もうアカネちゃんが画面にいるだけで最高に楽しい。「次はどんなクズいことしてくるのかなあ~」とニヤニヤしながら画面を見つめてしまう。
しかしまあ、ここまでクズというか極悪人になってしまうと、物語の構造上、彼女が無罪放免で救われるような終わり方は絶対ないだろうし、今後どんなふうにボッコボコにされて酷い目に遭うかとか、その時のアカネちゃんの反応とか、もう想像するだけでワクワクが止まらない。