新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

Wordleの攻略法についての考察

Wordleというゲームがある。これは簡単に言えば、一日一回設定される5文字の英単語を当てるゲームである。プレイヤーが5文字の英単語を入力すると、答えの単語に含まれていない文字は灰色に、答えの単語にあるが位置が異なる文字は黄色に、答えの単語にあり位置も合っている文字は緑色になる。これらのヒントを元にして答えの単語を推測し、6ターン以内に当てられればクリアとなる。

このゲームで1ターン目の単語は何にしたら良いだろうか、とずっと考えていた。入力できる単語は5文字で、ちゃんと意味のある英単語に限られるので、テキトーなアルファベットの羅列ではいけない。その制約の中で、少しでもクリアの可能性が上がる単語を選択する必要がある。

いろいろ試した結果「ABOVE」という単語に行きついた。これなら英語で出現頻度の高い母音であるA・E・Oが含まれているので、緑色や黄色が出る可能性が高い。もし仮に全部灰色だったとしても、AやEを含まないという時点でかなり単語が絞られる。

余談だが、2ターン目は、同様に出現頻度の高い母音であるIや、G・H・Tなどの子音を含む単語を入れることが多い(もちろん1ターン目の結果次第で単語を変えることもよくある)。例えば「RIGHT」などの単語を入れると、わずか2単語だけで母音A・I・E・Oと、よく使われる子音B・G・I・R・Tを試すことができ、単語を推測しやすくなる。

なるべく少ないターンで答えに含まれる文字を多く引き出すことが、このゲームの大事なポイントである。そうした観点から「ABOVE」より良い単語はないだろうかと考えてみた。そして「AEROS」という単語があることを知った。ラテン語で空気・航空などの意味を持つAeroの複数形。母音A・E・Oに加えて、RとSという英語で非常によく使われる文字が含まれている。これは我ながら良い単語を見つけたと思った。

ところが、1ターン目の単語を「ABOVE」から「AEROS」に変更したまさにその日、6ターン以内に単語を当てられずに失格となってしまった。その前日まで20日以上連続してクリアしていたのに、である。もちろんこのゲームは答えの単語によって難易度に差があるので、たまたまその日に激ムズの単語が出ただけかもしれない。なので翌日以降も「AEROS」を使い続けたのだが、それから10日間のうちに3回も失格となった(しかもクリアした日もかなりギリギリで失格になってもおかしくない感じだった)。これはいけないと思い、単語を「ABOVE」に戻した。それから20日以上が経過したが一度も失格になっていない。

1ターン目の単語を「ABOVE」から「AEROS」に変更したことで、ゲーム成績が悪化したことは明らかだ。

どうしてそんな事が起こるのだろう? この2単語にはA・E・Oという母音が共通して含まれている。異なるのは子音の部分だが、aboveに含まれるBやVよりも、aerosに含まれるRやSの方が、英単語で使われる頻度ははるかに高い。にも関わらず「AEROS」を使うとクリアの確率が下がる。これは直感に反した結果だ。いったい何故こんな事態になるのか、理由がよく分からない。

詳しい理由は分からないが、何となく仮説のようなものはある。おそらくこのゲームは、ただ単純に答えに含まれる文字を当てればクリアに近づく、というわけではないのだろう。例えば、「AEROS」を入力してEとRが黄色になったとしても、そのような単語は無数に存在するので、馬鹿正直に「まずはEとRの位置を調べて…」などとやっていても絶対にクリアできない。そのような、答えを絞れないヒントに気を取られてしまうと、クリアの確率が下がってしまうのではないだろうか。

もっとも、全てを同じ条件で比較できない以上、上の仮説が正しいかどうかは分からない。一番良いのは、「ABOVE」を使って問題を解いた後、記憶を完全に消去して同じ問題を「AEROS」を使って解くことだけれど、記憶を消すことはできないので検証のしようがない。1ターン目に使う単語によって成績がどう変化するか、うまく検証する方法があれば教えてほしい。