新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

最近見てたアニメ

仕事等が忙しくて全然ブログを書けてないが、最近見たアニメで印象に残ってる作品だけひとまず感想を。

『水星の魔女』1クール目

視聴者の高い期待をさらに超えてくるストーリー展開と、細かい部分にまで目が光る演出からは、ガンダムシリーズという歴史に裏打ちされた信頼を感じる。前半部分では、第1話のグエルの台詞に象徴されるような、花嫁をトロフィーとして奪い合う男尊女卑的な構造に対して、そのアンチテーゼとしてスレッタとミオリネの関係性が提示され、その点がよく言われるようにウテナみがある構造のように見えたわけだけど、後半部分ではそこから一歩踏み出して新たな構造が生まれてきたように思う。ダブスタくそ親父という言葉に代表されるように、当初は打破すべきものの象徴であったミオリネの父親であったが、第7話の株式会社設立に際してミオリネは父親に頭を下げ、ビジネスパートナー的な関係性に変化していく。そして、ミオリネをトロフィー呼ばわりした男をお尻ペンペンで蹴散らすというある意味ポリコレ的存在として登場してきたスレッタが、12話ではミオリネを守るためなら殺人すら躊躇わないという極めて野蛮な男性性を発露してきたという展開。この状況から2クール目にどう話が進んでいくのか、そして、フェルシーちゃんの出番は果たしてあるのか、今から楽しみで仕方ない。

サマータイムレンダ

離島での民間伝承やドッペルゲンガーといったホラー的要素に、2010年代に興隆したタイムリープもののテイストを加えた作品。だが、この手のゲームとそれを原作とするアニメにありがちな、安易なルート分岐やヒロイン選択が存在せず、一本筋の通ったストーリーが特徴的だった。設定に関しても、タイムリープの回数に事実上制限がかけられていたり、敵側もタイムリープすることで強くなっていったりすることで、後半も緊張感のある作りになっていたと思う。終盤、常世とかいう謎の空間に移動してしまい面食らったことを差し引いても、名作と言える作品だろう。ヒロインの可愛さという観点で言えば、もう、影澪一択だった。

リコリス・リコイル

日本のTVアニメにありがちな、主人公の周りでワチャワチャやってる分には面白いのに、大きな組織を出してきた途端に粗が目立つようになる作品。DA、真島ともに拙攻が目立つし、台詞回しも回りくどく洗練されてない感じがする。それらの欠点を除けば完璧な作品。錦木千束を演じた安済知佳さんをはじめとする声優陣の名演、百合アニメ史に残る名シーンの数々、圧巻のアクションシーンなど、どれをとっても一流の仕事であるだけに、後半の展開はちょっと残念。結局は、「才能」というものをどう捉え、どう使うかは自分次第、というようなテーマ性を帯びていたのかなあと思う。吉松は千束には殺しの才能があるというが、そもそも殺しの才能とは一体何なのだろう。例えばひとえに野球の才能といっても、選球眼とか、パワーとか、瞬発力だとか、いろいろな要素があり、それらは他の競技や仕事などでも有利に働くものがある。このように、殺しの才能という漠然とした評価は吉松が勝手にそう解釈しているだけであり、それをどのように使うかは千束の意志次第である。我々は生まれ持った才能を変えることはできないが、運命を変えることはできる、というお話なのだろうがそのあたりのテーマはあまり深く掘り下げられなかった。

彼方のアストラ

2019年の作品だが先月くらいに一気見。多少ガバガバなSF考証を補って余りあるダイナミックなストーリー展開、ところどころでスケットダンスみのあるギャグ描写、生まれや遺伝子ではなく出会いと行動こそが人の運命を切り開くのだというメッセージ性、これらのバランスが秀逸で、かつ、黒沢ともよ無双の傑作。コアのテーマ性としては上で見たリコリコ等に近いのかもしれないが、そこに、登場人物が徐々に世界の真実に気付いていくという『都市と星』『星を継ぐもの』的な王道SFの構造、少年少女の冒険を基調とした『ドラえもん映画』的なジュブナイル冒険SF、『アポロ13』『ゼロ・グラビティ』的な宇宙事故ものの緊張感など、あらゆるジャンルの良いところを詰め込んだ良質なSFアニメだった。

よふかしのうた

随所に滲み出る作者の性癖、夜の独特な空気感、コウとナズナのまるで中学生カップルみたいな距離感など、原作の雰囲気を忠実に再現したアニメだった。雨宮天花守ゆみり沢城みゆきなどの名演も光る。声優陣の実力はもちろんだが、キャスティングもまた素晴らしい。

それでも歩は寄せてくる

原作の良い回を選んで贅沢に消費し、うるし先輩の可愛さを思う存分に描き切ったアニメだった。しかし、1クールで修学旅行まで行ったのはちょっと速足すぎるかも。凛を登場させるのは2期からにして、『かぐや様』みたいに付かず離れずの微妙な距離感の2人をしばらく見ていたかった気もする。

転生王女と天才令嬢の魔法革命

アニメの放送時期こそリコリコより後だったものの、陽キャで面食いの女が真面目で芯の強い女とイチャイチャする百合作品として、リコリコと双璧を成すものと言えるだろう。最初は陽キャ全開だったアニスの抱える影の部分が浮き上がり、そこから、かつてユフィがアニスに救われたように、今度はユフィがアニスを救うという、王道の展開に繋がる構成も見ごたえがある。物語のフォーマットとして種々のなろう系作品群あるいは『ゼロ魔』等に見られる伝統的な異世界転生王室モノを踏襲しつつ、そこに百合要素をふんだんに盛り込んだ作品ととらえることもできよう。

今期見るアニメ

『僕ヤバ』は原作も読んでるので視聴する。アニメ2話まで見た感じだと、『高木さん』のスタッフで作っているせいか、市川が思ったより西片みがある。

『スキップとローファー』は1話時点で黒沢ともよ無双の名作であることが確定したので視聴継続。

あとは『水星の魔女』と、他何作品か。

アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の「ぼっちタイム」まとめ

『ぼっち・ざ・ろっく!』の主人公で高校1年生の後藤ひとりは、動画投稿サイトでギターのソロ演奏をupし人気になるほどの実力者だが、極度の人見知りとコミュ障のせいでなかなかバンドを組めずにいた。たまたま伊地知虹夏、山田リョウと出会った後藤ひとりは、「ぼっちちゃん」というあまり有難くないあだ名を付けられ、2人が所属するバンド「結束バンド」のメンバーとなる。後に喜多郁代も加わり、結束バンドのメンバーはそれぞれの夢に向かって共に歩み始める。

このあらすじだけ見ると、音楽を扱った普通の作品に見えるが、『ぼっち・ざ・ろっく!』には、通称「ぼっちタイム」と呼ばれる他では見られない変わった演出が出てくる。

「ぼっちタイム」とは、人付き合いが超苦手なぼっちちゃんが、過去のトラウマを思い出したりストレスに晒されたりした時に、完全に自分の世界に入りこんでしまい、脳内で様々な妄想を繰り広げる現象のことである。これが単にギャグとして優れているだけでなく、様々なアニメ表現を見せてくれてなかなかに見ごたえがある。そして、「ぼっちタイム」を通すことで『ぼっち・ざ・ろっく!』の基本構造が浮かび上がってくるように思う。

なので、本記事では1~12話までに発生した「ぼっちタイム」をざっくりと紹介していくこととしよう。

プランクトン後藤(第1話)

  • 本番前に虹夏・リョウと練習するもド下手と言われて落ち込むぼっちちゃん。
  • 謎のギター型マスコットが出てきて解説が始まり、ぼっちちゃんはソロは上手でもバンド演奏ではミジンコ以下という扱いに。
  • ぼっちちゃんがその場に倒れ込んで「完」という文字とエンディングテロップが流れだす。
  • その後ぼっちちゃんはゴミ箱に入ってしばらく出て来なくなるが、最後は虹夏たちに励まされて、段ボールをかぶって何とかステージに立つ。


青春コンプレックス(第2話)

  • 虹夏・リョウと好きな音楽についての話になり、「青春コンプレックスを刺激する歌以外ならなんでも」と答えるぼっちちゃん。
  • またしてもギター型マスコットがやってきて、実写映像とともに「青春コンプレックス」の解説を始める。
  • ギター男の「逆に青春時代の鬱憤を歌詞に叩きつけてるバンドは大好物だよね」という声に「うんうん」と頷くぼっちちゃん。
  • 虹夏が「おーい、ぼっちちゃん」「おねが~い、一人の世界に入らないで~」と声をかけるも全く聞こえていない様子。


初バイト(第2話)

  • チケット代ノルマを稼ぐためにバイトしようと言われて「働きたくない!怖い!社会が怖い!」と動揺するぼっちちゃん。
  • バイト中の自分がネットに晒されて死刑宣告される妄想を繰り広げる。
  • その後も、バイトを休むために風邪を引こうとして氷風呂に入ったり、仕事内容を歌で覚えようとして急に演奏したりと奇行を繰り返す。


駄目バイトのエレジー(第3話)

  • 喜多ちゃんがスターリーにやってきてバイトを手伝うことになるも、陽キャ全開で接客も上手いことが発覚。
  • ゴミ箱に入りながら「その日入った新人より使えない駄目バイトのエレジー」を歌い出すぼっちちゃん。
  • メロディに合わせてぼっちちゃんが幽体離脱し、エンドカードまで出てきて最終回みたいな雰囲気に。


下北沢のツチノコ(第4話)

  • キラキラなSNS画像を見てぼっちちゃんが卒倒し、また幽体離脱する。喜多ちゃんが「後藤さんどうしたの!?死なないでー!」と慌てる。ぼっちの変顔を見た虹夏は「ぼっちちゃん、顔ヤバいって」とドン引き。
  • キラキラなイメージ映像とともに「現代の女子高生で私みたいな人、他にいるのかな?」「ツチノコと肩を並べるくらいの希少種なのでは?」というぼっちちゃんのモノローグが入る。
  • 「私が下北沢のツチノコです…ノコノコ…ノコノコ…」と言いながら地べたを這うぼっちちゃん。喜多ちゃんは「後藤さんが変なこと言ってる!」と心配するも、虹夏は「いつもこんなんだよ」と最早心配すらしていない。


承認欲求モンスター(第4話)

  • 「ぼっちちゃんもイソスタ初めてみたら?」という虹夏の発言をきっかけに映像が乱れ、ぼっちちゃんの体が崩壊しサイバーパンクな感じになる。
  • 「私がそんなもの初めてしまったら…生まれてしまう!承認欲求モンスター!」というモノローグ。「いいねくれー!」という叫び声を上げながら町を破壊する承認欲求モンスター。
  • 妄想の中で喜多ちゃん達に呼びかけられてようやく正気に戻るぼっちちゃん。


チケットノルマ(第6話)

  • チケットノルマ5枚のうち、父と母のぶんしか売れずに動揺するぼっちちゃん。
  • 「父…母…父…母…」という独り言とともに、画面がサイケデリックアートのような凄い色彩に。


アル中ぼっちちゃん(第6話)

  • 偶然、泥酔して幸せスパイラルに陥る廣井きくりと出会うぼっちちゃん。
  • 将来ニートになって酒に溺れる自分を想像し、絶叫するぼっちちゃん。きくりからは「キミ、もしや結構ヤバい子?」などと笑われる。


体育祭のトラウマ(第7話)

  • 喜多ちゃんのTシャツ案を見て体育祭のトラウマが蘇るぼっちちゃん。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」とか言いながらぼっちちゃんの周りを回る人形たち。
  • 全身ピンク色になったぼっちちゃんを見て、さも当たり前のように「後藤さん、溶けちゃいましたね」と言う喜多ちゃん。CM明けでもまだ溶けてるぼっちちゃんを見て、「今日のぼっちタイム、CMまたぐくらい長いねー」と感想を述べる虹夏。
  • 「No 協調性 No Life!」と連呼する一団に捕まって火炙りにされるぼっちちゃん。
  • ちなみに、そのあと青春胸キュン映画を見た後にもトラウマ発動している。


胞子化(第7話)

  • 虹夏と喜多ちゃんに言われるがまま私服に着替えるぼっちちゃん。虹夏に前髪を上げられた瞬間、急激なストレスに耐えきれずに体が崩壊を始める。
  • 「らら、らんらららん」という何処かで聞いたことあるようなメロディとともに体が胞子状になり四散していくぼっちちゃん。
  • その胞子を肺に吸い込んだ虹夏・喜多ちゃんも、倒れてネガティブ思考全開の状態になる。


顔面崩壊(第8話)

  • 居酒屋にいたサラリーマン2人の会話を聞いたぼっちちゃん、自分が将来働いた時のことを想像し卒倒する。
  • 顔面が崩壊するぼっちちゃん。星歌さんから「ぼっちちゃん、またいつもの発作か!?」「怖いんだよな、ぼっちちゃんのこの顔」とか言われる。
  • リョウと喜多ちゃんが紙やすりを使って顔の修復を試みる(喜多ちゃんは「毎回この作業大変ですよね~」と言い、もはや驚きもしなくなっている)が、微妙に失敗し面長な感じになってしまう。


セミのお墓(第9話)

  • 夏休みに誰からも遊びに誘われないショックで落ち込むぼっちちゃん、スターリーの前で何故かセミのお墓を作り始める。
  • その後、喜多ちゃんから江ノ島に行こうと誘われるが、浜辺で仲睦まじく遊ぶカップルを想像してしまい卒倒。「tropical love forever」などとうわごとをつぶやく。
  • 以降、江ノ島に着くまでずっと茫然自失に。


風船化(第9話)

  • 江ノ島パリピに声をかけられ動揺するぼっちちゃん、風船化し爆発する。
  • ふにゃふにゃになったぼっちちゃんを虹夏がかついで逃げる。


キュビズム(第10話)

  • ゴミ箱に捨てた文化祭ライブの申請書を喜多ちゃんが提出してしまったことが発覚し、顔がピカソの絵のようになるぼっちちゃん。
  • その後、気絶して棺桶に入る。


メイド喫茶(第11話)

  • 文化祭のメイド喫茶の看板持ちをさせられるぼっちちゃん、極度の緊張で放心状態となり口から緑色の液体を垂らす。
  • 世紀末的な風貌のヤバい2人組がぼっちちゃんに声をかけるが気付かない。
  • やがて、ぼっちちゃんの口からギターのマスコットが登場し、2人組は恐怖のあまり土下座して謝罪。


超サイヤ人(第12話)

  • 動画広告収入の30万円が入り、バイトを辞められるという安堵感から超サイヤ人になるぼっちちゃん。
  • 結局、店長に辞めると言い出せず、ゴミ箱に入る。


腹話術の人形(第12話)

  • 楽器屋の店員に話しかけられ、腹話術の人形のようになるぼっちちゃん。
  • 喜多ちゃんが後ろから支えて代わりに店員と会話する。


まとめ

以上が、アニメ版に出てきたぼっちタイムの内容である。一応言っておくが、上で挙げたのはあくまでも代表的なものに過ぎず、これ以外にも大小様々な奇行が見受けられる。

こうして見ていくと、ぼっちタイムには以下のような特徴が認められるであろう。

  • 過去のトラウマやネガティブ思考、強いストレスなどの影響により、ぼっちちゃんの脳内で様々な妄想が繰り出され、それが奇行となって現れる。
  • ぼっちちゃんの奇行を見た周りの人も、最初は驚いているが、次第に慣れて普通の事として受け入れてる。
  • ぼっちタイムが及ぼす影響に「階層性」がある。

ここでは「階層性」についてもう少し詳しく解説していこう。

上の例で挙げたぼっちちゃんの妄想は全て、言うまでもなくぼっちちゃんの脳内にある映像である。しかし、その影響は脳内だけに留まらず、ぼっちちゃんが見せる奇行という形で表出してくる。急に倒れたり、奇声を上げたり、ゴミ箱等に入ったりするのがそれにあたる。それを図にすると以下のようになるだろう。

ぼっちタイムによる影響を受けた行動を見て、周囲の人は驚いたりドン引きしたりと様々な反応を見せる。だが、ぼっちタイムの影響はそれだけに留まらない。単なる行動の変化だけでなく、ぼっちちゃんの体が物理的に変化していってるのだ。例えば、体が溶けてしまったり、胞子状になったりするなど、もはや人間の形を保てなくなっている。その特徴は、特にアニメの後半の方になるにつれて顕著に現れてくる。

リョウ達がぼっちちゃんの顔を紙やすりで修復しようとしていることからも分かる通り、これは単なる漫画・アニメの演出ではなく、あの世界では本当にぼっちちゃんの顔や体が変化しているのだ。しかもそれは、明らかに生物学・物理学の常識に反した振る舞いを見せる。これは紛れもなく、ぼっちタイムが作中世界の物理法則に影響を与えている、ということに他ならない。その究極の形が、第7話で起きたぼっちちゃんの胞子化であろう。

上の図で示す通り、本来なら物理的な実体を持たないはずの妄想世界が、ぼっちちゃんの身体を変化させ、さらに世界自体にも影響を及ぼしているのだ。筒井康隆の『パプリカ』や、鈴木光司の『リング』シリーズ、あるいは映画『マトリックス』などを彷彿とさせる衝撃の描写である。『ぼっち・ざ・ろっく!』は一見すると音楽を題材にした萌え4コマ漫画、萌えアニメのように見えるが、実はSF作品でもあったのだ。

こうして『ぼっち・ざ・ろっく!』の真の姿を知った後、ハッと気づく。もしかすると、ぼっちタイムは、我々の住むこの現実世界にも影響を及ぼしているのではないか? 上で見てきた通り、ぼっちタイムの影響は時空や物理法則を超越している。であるならば、すでに現実世界がぼっちタイムの影響を受けて書き換えられていたとしても、何ら不思議ではない。我々の精神自体も世界の一部であるため、この世界の改変を人間が認識することは不可能である。人間がこの世界の外に出られない以上、ぼっちタイムによる世界改変を証明することも反証することもできないのだ。

ここまで来ると、もはやSFというより哲学的という方が正しいであろう。果たしてぼっちちゃんは、結束バンドは、そしてこの世界はどうなってしまうのか。続きが気になって仕方がないので書店で原作漫画を買おうと思う。

話数単位で選ぶ2022年TVアニメ10選

今年もaninadoでやっている話数単位10選の季節がやってきました。こちらの記事にあるとおり、

・2022年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。

というルールで今年放送されたアニメの良かった回を10個紹介します。

『明日ちゃんのセーラー服』、第7話、「聴かせてください」

脚本:山崎莉乃
絵コンテ:Moaang
演出:Moaang
作画監督:川上大志
やっぱ蛇森さん素晴しいんですよねぇ。ギター弾けないのに強がって弾けると言っちゃう蛇森さん、他の子が部活などで頑張ってる姿を何とも言えない表情で見つめる蛇森さん、ギターを持って部屋ではしゃいで戸鹿野さんに目撃される蛇森さん、江利花の演奏を聞いて様々な感情が押し寄せてきて胸が詰まってしまう蛇森さん。練習を始めてすぐに壁にぶつかってくじけそうになる蛇森さん、でもそんな時に傍に寄り添って的確なアドバイスをくれる戸賀野さんとの関係性。思春期真っ盛りのどこか痛々しくて繊細な心理描写。明日ちゃんに聞かせる曲がスピッツの『チェリー』なのも、その歌がぶっちゃげあんまり上手くない(ギター覚えたての中学生が必死に歌った曲なのだからこのくらいのクオリティで当たり前)のも、とてもリアルで素晴らしい。初めから終わりまで、蛇森さんの魅力が全て詰まっている。

かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』、第3話、「柏木渚は誅したい」「四条眞妃は何とかしたい」「白銀御行は信じられたい」

脚本:菅原雪絵
絵コンテ:畠山守
演出:池田愛
作画監督:矢向宏志、水谷雄一郎、横山穂乃花
総作画監督:矢向宏志
原作読者100人中100人が待ち望んでいた四条眞妃ちゃん登場回。親戚である四宮かぐやと同じく、プライドが高くてなかなか素直になれない子。でも、かぐやとは違い自分の感情を隠すのが下手で、すぐに泣き出す。落ち着いたかと思いきや、翼くんのことを思ってまた泣く。その後すぐ泣き止んで強がって見せるけど、石上になんか言われるとまたすぐ泣く。次から次へと繰り出されるギャグ。眞妃ちゃんの言動全てが圧倒的な可愛さ。だが、その後のアイキャッチに書かれている「だれかに話すだけで…こんなに心がかるくなるんだ…」というモノローグは、眞妃が友情と恋心との板挟みで思い悩んでいたことを物語っている。その健気で繊細な姿が、あまりにも美しく、愛おしい。

『SHAMAN KING』、第52話、「SHAMAN KING GOD END」

脚本: 米村正二
絵コンテ:古田丈司
演出:四ノ宮春
作画監督:渡辺健一、飯泉俊臣、陸田聡志、西島圭祐、柴田ユウジ、飯塚正則、糸島雅彦、白鳥弘公、森悦史、高瀬健一*1
総作画監督:渡辺健一
平成を代表するバトル漫画の本当のラストがついにアニメになった。憎しみの連鎖を断ち切るため、葉たちは、これまでに登場した全ての敵・味方と共に、ハオに「天地を返すほど珠玉の愛」*2をぶつける。それまでずっと余裕ぶっこいてたハオが、圧倒的な愛の力にたじろぎ、最後はへなへなになっていくカタルシス。52話にわたって積み上げてきた物語のクライマックスにふさわしい奇跡のような最終回。

『よふかしのうた』、第2話、「てかラインやってる?」

脚本:横手美智子
絵コンテ:関野関十
演出:関野関十
作画監督:露木愛里、北島勇樹、Kim dae jung、Son kil young
総作画監督:佐川遥
美しい夜の風景、その中で繰り広げられる軽妙な会話劇、恋愛の事になるとすぐに顔が赤くなるナズナちゃん、嫉妬するコウ君。もうこの二人が可愛くて可愛くて、ずっと見続けていたいという気持ちになる。沢城みゆきさんの名演が光った第11話とかなり迷った末に、やはり『よふかしのうた』の真髄が詰まった回である第2話を選出しようと決めた。

リコリス・リコイル』、第3話、「More haste, less speed」

脚本:枦山大
絵コンテ:足立慎吾、丸山裕介
演出:丸山裕介
作画監督水谷雄一郎、滝口弘喜、小沢久美子、山村俊了、しまだひであき、TOMATO
アクション作画監督:岩澤亨、柴田海
総作画監督:鈴木豪、晶貴孝二
DAへの復帰が叶わず焦りが募るたきなを千束が抱きかかえ、回転しながら「私は君に会えて嬉しい」と叫ぶシーンは、百合アニメ史に残る名シーンとなった。特別な舞台装置の中で百合的なトランス状態が生まれ、2人の距離が物理的にも精神的にも近づくという演出は、『響け!ユーフォニアム』の大吉山のシーンを彷彿とさせる。そして、この回を見ることでようやくエンディング曲『花の塔』が真価を発揮し、強烈なエモさを伴って心に響いてくる。

ラブライブ!スーパースター!! 第2期』、第4話、「科学室のふたり」

脚本:花田十輝
絵コンテ:いまむら
演出:いまむら
作画監督:伊藤幸、杉本海帆、水野辰哉、向川原憲、森淳
総作画監督:斎藤敦史、佐野恵一
第7話「UR 葉月恋」と迷ったが僅差でこちらを選出する。人付き合いが苦手な者どうし自然と惹かれ合っていくメイと四季。相手を想うがゆえに、自分の本当の気持ちを伝えられず、すれ違ってしまうもどかしさ。それらを丁寧に描いたからこそ光る、夕焼けの科学室での和解シーン。本シリーズ随一のエモーショナルな百合回。

『継母の連れ子が元カノだった』、第8話、「元カップルは警戒する『わたしはもうフラれてるんですから、大丈夫ですよ』」

シナリオ:静原舞香
絵コンテ:Royden B
演出:松本マサユキ
作画監督:森谷春樹、洪範錫、STUDIO MASSKET
幾多のヒロインが主人公に告白して振られてフェードアウトしていく中、振られてもなお存在感を見せつける東頭いさなは特異な存在だろう。東頭いさなにとっては、水斗と恋人になれるかどうかは二の次であり、水斗と友達であり続けて楽しく駄弁っていたいという気持ちの方が強いのだろう。だから、振られた後でもお構いなしに家に押しかけ、グイグイ距離を詰めてくる。もはや彼女の前ではカップル、友達、兄弟といった普通の枠組みは通用しない。その強烈なキャラクターが駆動力となり、水斗と結女の関係性をも揺さぶっていく。

『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』、第6話、「DIYって、どうでも・いいもの・やくにたつ!」

脚本:筆安一幸
絵コンテ:安藤尚也
演出:安藤尚也
作画監督松尾祐輔
言ってしまえば日常系アニメでよくある海で遊ぶ回(水着回)なのだが、キャラクターの何気ない仕草や服装デザインにスタッフの並々ならぬフェティシズムが感じられ、キャラクターの可愛さをよく引き立てている。と同時に、ぷりんがせるふへと向ける温かくもどこか寂しげな眼差し、揺れ動く心を懇切丁寧に描き出す幼なじみ百合回でもあった。肌の露出を増やしたり綺麗な画を見せたりするだけが水着回ではない、ということを教えてくれるお手本のような回。

『ぼっち・ざ・ろっく!』、第12話、「君に朝が降る」

脚本:吉田恵里香
絵コンテ:斎藤圭一郎
演出:斎藤圭一郎
作画監督:けろりら
ギターのために青春の全てを捧げてきた後藤ひとりという少女が、仲間達と出会い、今日のために必死に努力して、劣等感、悔しさ、恐怖、ありとあらゆる感情を演奏にぶつけた時、ステージが、教室が、世界が、こんなにも光り輝いて見える…。後藤ひとりがあれほど忌み嫌っていた輝かしい青春の日々。だが、これは紛れもなく、後藤ひとりという少女の青春の物語。にもかかわらず、その後ステージから転倒し保健室に運ばれ、Bパートでも相変わらずコミュ障全開の情けない姿。過度に感動的にせずにこうしてギャグで落としてくるのは、アニメスタッフが後藤ひとりの人物像を徹底的に解剖し、深く原作を理解しているからこそできる描写だろう。

機動戦士ガンダム 水星の魔女』、第11話、「地球の魔女」

脚本:大河内一楼
絵コンテ:金澤洪充、綿田慎也、小林寛
演出:倉富康平、綿田慎也
作画監督:菱沼義仁、戸部敦夫、丸山修二、宍戸久美子
自信を無くしトイレに引き籠ってしまったスレッタが無重力の中で膝を抱えて丸まっている構図は、明らかに母親の胎内のメタファーである。ミオリネがスレッタをそこから引きずり出すことで、スレッタの親離れと再生を表現しているように思う。一度開けた扉をもう一度無言で閉めようとするスレッタと、全身を使ってドアをこじ開け反動で頭を打ち痛がるミオリネ、持ち前の体力でピョンピョンと逃げ回るスレッタと、何度も壁にぶつかりながら必死に追いかけるミオリネ。必死なのにどこかコミカルな一連のカット全てが美しい。その後、胸の内を打ち明けるたどたどしい口調のスレッタ、スレッタの胸にしがみつきながら自分の気持ちを伝えるミオリネ。2人の間に「愛さえあれば言葉なんていらない」などという綺麗事は要らない。心の底から発せられた本当の言葉だけが、スレッタとミオリネを結びつける。文句無しの神回。

*1:クレジットにはアクション作画監督と表記あり。

*2:「Get up! Shout!」、作詞:水樹奈々、作曲:山本玲史

ぼっちちゃん=マアアさん説

以下は、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』第10話、後藤ひとり(ぼっちちゃん)が教室で寝ているシーンについての原作者のコメントである。

10話観直して気づいたけどぼっちが夢から覚めた時に机についたよだれ袖で拭き取ってるの細かいな、、、*1

一方、Twitterでも多くのアニメ視聴者がその点に言及している。

アニメ10話でぼっちちゃんが起きたときによだれに気がついて机を袖でゴシゴシしてるシーン見て、あのジャージ近くで見たら結構汚いんだろなと思いましたいつも着てるし*2

ここの自分のよだれをジャージで拭くぼっちちゃん本当に陰キャで汚らしくて好き*3

2年生に進級してぼ喜多が同じクラスになったら、ぼっちちゃんが涎をジャージで拭いてるの見た喜多ちゃんが「あ〜!もうひとりちゃん!またそんなことして…ほら、拭いてあげるからこっち向いて!」とか言って自分のハンカチで拭いてあげたりするんだろうな…*4

俺は机に涎垂らしたのをジャージの袖で拭いてたり、微妙に清潔感のない挙動が各話ちょっとずつあってこれリアルに臭いんじゃないかな??みたいな疑いはずっと持ってるけど、
そんなぼっちちゃんが好きですよ。*5

ぼっちちゃん気を失って寝てた時の口元の涎ジャージで拭くの好きすぎるし、突っ伏してた机にも涎垂らしててそっちもジャージで吹いてるの好きすぎる
そのジャージ絶対臭い*6

ライブや練習の後の後藤ひとりのジャージのちょっとくっさいにおいをかいでクラクラ欲情してしまう喜多郁代?*7

ぼっちちゃんのジャージ、浴槽で漬け置き洗いしたら汚れで水真っ黒になりそう*8

こんな感じで、みんな、汚いぼっちちゃんが大好きなのである。

実際、あのジャージにはぼっちちゃんのよだれや汗が染み込んでいる上に、ぼっちちゃんが度重なる奇行によってゴミ箱に入ったり地面に寝転んだりしているので、相当汚れているだろう。本来であれば、ドン引きされたり、気持ち悪がられたりしてもおかしくない。

にもかかわらず、視聴者も、作中のキャラクターも皆、汚いぼっちちゃんを愛しているのである。どうしてぼっちちゃんは愛されるのか、そのヒントは今年夏に放送されたアニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』にあるだろう。

メイドインアビス 烈日の黄金郷』にはマアアさんというキャラが出てくる。奇しくもぼっちちゃんと同じく全身ピンク色で、「マアアア」としか話さないが、いざという時には主人公・リコを助けてくれる頼もしいキャラだった。

kyuusyuuzinn.hatenablog.com

そんなマアアさんは、近くで見ると結構汚れていて、乾いたうんちを優しくしたような臭いがするらしい(原作漫画での設定)。そして、ケツが汚く、いつもよだれを垂らしている。それ以外にも、吐いたり、泣いたりして、液体をまき散らしている。

それでも、我々はマアアさんを愛してやまない。たとえ数々の残念ポイントがあっても、それが一周回って最高に愛おしいと思えるのである。それと同じ原理で、ぼっちちゃんも皆から愛されているのだろう。

両者の共通点は他にもあって、例えば、ぼっちちゃんはツチノコや胞子など、様々な形態に変形することができる特殊能力を持っている。一方、マアアさんも、体に柔軟性があり、腕や体を自由自在に伸び縮みさせることができる。そして、両者とも、いつもは挙動不審でオロオロしていることが多いが、いざという時には秘められた力を発揮するという特徴がある。

こうしてみると、ぼっちちゃん=マアアさん説に真実味が増してくると思えないだろうか。

戦後日本のカバ史

私がカバの歴史について興味を持ったのは、偶然長崎バイオパークのカバの動画を見たのがきっかけである。バイオパークで飼われているカバ達の血縁関係や出身などを調べるうちに、芋づる式に他の動物園のカバについても知りたいと思うようになった。しかし、日本のカバの歴史は想像以上に深い「沼」だった。ここで紹介するのは、戦後日本の動物園で活躍したカバ達の驚くべき歴史の一部である。

【序章】 戦前・戦中のカバ

カバはサハラ砂漠以南のアフリカに生息するカバ科の哺乳類である。体長3.3~4.6mほどの草食動物であり、水辺で暮らしている。皮膚は乾燥に弱く、「血の汗」とも呼ばれるピンク色の体液を出して紫外線などから身を守っている。厚い皮下脂肪のおかげで得られる浮力によって、長時間水の中で生活することができる。(カバ科には、カバの他に、コビトカバという種もあるが、本記事ではカバのみを取り上げることとする。)

そんなカバが日本に初めてやってきたのは1911年のことであった。ドイツのハーゲンベック動物園から上野動物園へと移ってきたこのカバは、単に「カバ」と呼ばれており特に名前はなかったという。このカバは1912年に死亡した。*1

1927年にはソウルの動物園から京子と大太郎の夫婦が上野動物園へやってきて、4頭の子をもうけるが、順調に成長したのはマルのみだった。1944年には大太郎が死亡。1945年には太平洋戦争の悪化による食糧難のため、京子とマルが餓死させられるという悲劇も起きた。*2

一方、1934年、名古屋の名古屋市鶴舞公園付属動物園にも新たなオスのカバがやってきて重吉と命名される。同動物園は1937年に移転し東山動物園となる。同年、ドイツの動物園からメスのカバがやってきてヅーシと命名される*3。2頭の間には重太郎という子どももできた。

しかし、重吉とヅーシもまた、戦争中の食糧難のため餓死させられてしまう。重太郎も東山動物園に落ちた爆弾に驚いてパニックになり死んでしまったという。*4

こうして、戦前・戦中に日本にいたカバはすべて、戦争の影響を受けて死んでしまい、日本のカバの歴史はいったん途切れることとなる。戦後日本のカバの歴史は、1952年に3頭のカバが日本にやってきたところからスタートする。

第1章 東山動物園の重吉・福子

1951年、一人の上野動物園の職員がアフリカに動物の買い付けに向かった。その職員の名は林寿郎という。*5 現地で様々なトラブルに見舞わながらも、翌年なんとか動物を船に乗せて日本に帰国した。その船の中に3頭のカバがいた。このうち1頭のオスとメスは相性が良く、そのまま一緒に上野動物園へと送られた。余った残り1頭のオスは神戸で船から降ろされて、1952年7月29日に東山動物園へとやってきた。*6

そのオスはライフィキと呼ばれていたが、その後かば太郎と改名された。その2年後、戦中に死んだ重吉を偲び、かば太郎は二代目重吉を襲名した。

1954年には西ドイツの動物園からメスがやってきて、福子と命名される。10月には二代目重吉と福子の結婚式が盛大に執り行われた。ここから二代目重吉・福子夫妻は子宝に恵まれることとなる。

重吉・福子の第1子は、1957年に生まれ、その後各地の動物園を転々として1970年に死んだ。名前はあったかもしれないが、記録には残っていないという。*7

第2子は姫路市立動物園へ婿入りするも、嫁となる予定だったメスが死んでしまい、さらに天王寺動物園へと移った。そこでフトシと命名され、デブ子との間に子をもうけた。*8

第5子・ザブコは、旭山動物園でゴンというオスとの間に11頭もの子を産んだ。*9

第6子にあたるメスは、上野動物園へ移り、そこでナゴヤ命名され、デカオと結婚する。このデカオは、二代目重吉と同時に日本へやってきて上野動物園に送られた個体である。

第15子・重ベエは、最終的に王子動物園へと移り三代目出目男と改名され、2頭のメスとの間に計6頭の子をもうけた(第3章で改めて記述)。

図1。二代目重吉と福子が残した子ども達の情報。第9子については諸説あるため第4章にて後述。

この表からも分かる通り、生まれた子のほとんどは生後数年で別の動物園へ移されることになる。これは、

  • カバは巨大で飼育費用がかかるため1つの動物園で飼える数はせいぜい3~4頭であるため
  • 狭い場所で多くの個体を飼ってしまうと近親交配を繰り返して無闇やたらに数が増えてしまうため
  • 後述するオスの特性により子どもが傷付けられてしまうのを防ぐため

といった理由による。結果的に、重吉・福子の子ども達は日本全国の動物園へと散らばり、そこでも繁殖を行って孫・ひ孫が次々に生まれることとなった。福子の足にはピンク色の斑点があり、子孫にもそのような斑点が受け継がれているという。

一方で、第7子は早産であったため生後間もなくして死亡した。また、第3子は1歳のときに重吉に噛まれて死んでしまったという。カバのオスは縄張り意識が強く、たとえ自分の子どもであっても殺してしまう場合があるらしい。

福子もオスのそうした特性を分かっているため、子どもをなるべく重吉に近づけないようにしていた。第16子・サツキの子育てをしている時のエピソードが『カバの母さん福子』に書かれている。夕食時、重吉が誤ってサツキに近づきすぎてしまうと、福子は怒り出す。重吉はエサの干草を口いっぱいに加えてプールの中に行き、そこで一人で食べた。福子とサツキが夕食を終えプールに戻ってくると、重吉はまた追い出された。重吉は決して福子に逆らうことはなかったという。重吉・福子夫妻は、典型的なかかあ天下の家庭だった。*10

NHKアーカイブスに二代目重吉と福子の貴重な映像がある。

NHK特集 カバのゴッドファーザー | NHK放送史(動画・記事)

夫婦は一生の間に19頭もの子どもを残したのち、福子は1997年に、二代目重吉は2001年に、相次いで死亡した。その当時日本にいるカバの約6割が重吉と福子の子孫だったという。*11 まさに、日本のカバ界のゴッドファーザー、ゴッドマザーであった。

さて、子ども達のその後についても簡単に説明をしていこう。上野動物園に嫁入りしたナゴヤは、サツキ、ムーミン、ノンノンを産んだ。ムーミン周南市徳山動物園へ移り、カバ子との間にミミという子が生まれた。ミミはとべ動物園でハグラーというオスと結婚し、カブ・モモコ・ユイ・まんぷくといった子どもを産んだ*12。この子ども達は二代目重吉・福子夫妻から見れば玄孫に相当する。

天王寺動物園のフトシは、デブ子との間にミイという子をもうけている。このミイと、重吉・福子夫妻の玄孫のひとりであるカブは、南紀白浜アドベンチャーワールドでトニー、イチローという子どもを作った。このトニーは2001年に東山動物園へと移ってきて、メイというメキシコ生まれのメスと結婚する。トニーは三代目重吉、メイは二代目福子をそれぞれ襲名し、2003年には小福が生まれている。*13

図2。二代目重吉と福子の子どもの家系図

こうして、戦後まもなく日本にやってきて日本のカバ界に多大な功績の遺したカバの血統は、今も脈々と引き継がれているのである。

【第2章】 上野動物園のカバ達

前章では、1952年に3頭のカバが来日し、そのうちの1頭が二代目重吉となり多くの子孫を残したと述べた。本章では、上野動物園に行った残る2頭のカバ達のその後について述べていこう。

1952年、上野動物園にやってきたオス1頭とメス1頭は、それぞれデカオ、ザブコと命名された。2頭の間にダイタロウとイワオが誕生するが、いずれも生後間もなく死亡した。その後、1956年にはマルコ、1960年にはナヨコが生まれた。*14

すると今度は、デカオとマルコとの間に2頭、デカオとナヨコとの間に2頭、という具合に近親交配による子どもが生まれる。

1964年には、ザブコが糖尿病により死んでしまう。*15

その後、第1章でも述べた通り、二代目重吉・福子夫妻の第6子であるナゴヤがやってきて、デカオと夫婦になった。デカオとナゴヤとの間には、サツキ、ムーミン、マイという子が産まれた。このムーミンは、第3章で紹介する三代目重吉(トニー)の曾祖父にあたる。

さらに、デカオとサツキの間にも、フユコという子ができている。

こうして、デカオは1984年に老衰で死ぬまでに、5頭のメスとの間に19頭もの子を残した。また、デカオは、のちに「カバ園長」として有名になる飼育員の西山登志雄氏に歯を磨いてもらい、これによって虫歯予防デーのカバの歯磨きというイメージが定着した。*16

図3。デカオとその子ども達の家系図

この図からも分かるように、上野動物園では近親婚によって多くの子が産まれている。当時はまだ動物の近親交配を回避しようという考えがあまり定着していなかったのかもしれない。また、飼育環境の都合上、オスとメスを分けて飼育するのが難しかったのかもしれない。近親交配のせいかは分からないが、上野動物園で生まれたカバは短命な個体が多いという。

上野動物園のカバについて書かれた子ども向けの著書『カバ園長のおもしろカバ日記』には、マルコが子を産んだ後の子育ての様子が書かれている*17。しかし、デカオがマルコの父親であり夫でもあるという事実は一切書かれていない。近親交配という後ろめたい事実を子どもに伏せようという意図が垣間見える。

最後にその後の上野動物園について簡単に述べる。デカオが死んだあと、円山動物園からジローが移ってくる。ちなみにこのジローは、デカオとナヨコとの間に生まれた子・ドボンの孫にあたる。ジローとサツキの間には2頭の子どもが生まれたがいずれも成長することなく死亡した。

そしてサツキは2011年に東日本大震災の揺れに驚いて怪我をしてしまい、その怪我がもとで死亡してしまう*18。その後、とべ動物園からユイというメスがやってくるのだが、ジローとの間に子どもが生まれることはなかった。そしてジローは2022年に死亡した*19。現在、上野動物園にいるカバは、ユイ1頭だけとなってしまった。

いつの日か、また上野動物園でカバの子が産まれる日は来るのだろうか。

【第3章】 王子動物園の茶目子・出目男

さて、第3章では舞台を神戸市立王子動物園へと移し、3頭のオスとの間に合計17子を生んだ肝っ玉母ちゃん・茶目子について解説していこう。

上野・東山に遅れること4年、1956年にオスのカバがアフリカから神戸市立王子動物園へとやってくる。翌年にはアフリカから当時4歳のメスもやってくる。2頭はそれぞれ出目男、茶目子と命名され、盛大に結婚式が執り行われた。*20

茶目子は1960年に第1子であるデブ男を出産。第2子は生後間もなく死亡してしまうが、第3子、第4子、第5子は順調に成長した。ところが1967年に、出目男がビニール袋などを腸に詰まらせて死んでしまう。*21

その後、第5子は二代目出目男と命名され、茶目子は二代目出目男との間にも10頭の子を出産した*22。しかし、1985年、15番目の子・フトシが生まれて半年が過ぎたころ、再び悲劇が起こる。

その時の様子は『カバの茶目子のおねがい』に記載がある。9月のはじめ、二代目出目男が急にエサを食べなくなり、そのまま衰弱してついに10日後に死んでしまったのだ。死亡解剖をしてみると、ゴムボールや石が小腸に詰まってひどい炎症を起していたことが判明した。解剖が行われている隣の部屋で、茶目子とフトシは出目男を助けようと必死に声を上げていたという。*23

観客の心ないイタズラによって夫を奪われた茶目子を可哀想に思った動物園スタッフは、茶目子の新しい夫探しを始める。その努力が実り、茶目子は三代目出目男と再婚する。この三代目出目男は、東山動物園にいる重吉・福子の15番目の子で、もともとは重ベエという名前だったらしい*24。2歳の時にいったん姫路セントラルパークに移されたあと、1986年に茶目子の3頭目の夫として王子動物園に迎え入れられ、現在まで飼育されている*25

茶目子は三代目出目男との間にも2子を出産したが、次第に老化による衰えが目立つようになる。そして2002年、茶目子は先代・先々代の出目男が待つ天国へと旅立った*26。茶目子が生涯に産んだ子どもと家系図を以下に示す。

図4。茶目子とその子ども達の家系図
図5。茶目子とその子ども達の情報。

茶目子が初代出目男との間に産んだ子のひとりであるゴンは、旭山動物園に移った後、重吉・福子が産んだ5番目の子であるザブコとの間に11子をもうけることとなった*27。その末っ子であるナミコは、2003年に茶目子亡きあとの王子動物園に婿入りし、そこで三代目出目男と夫婦となった*28。2頭の間には、ナナミ、出目太、出目吉、出目丸と次々に子どもが生まれ、このうち出目太は長崎バイオパークへと移りモモと結婚している*29

ところで、先に挙げた参考文献である『カバの茶目子のおねがい』では、初代出目男と茶目子が王子動物園にやってくる顛末や、その後の子育ての様子、さらに1985年の二代目出目男の死について、子ども向けに分かりやすく説明している本である。しかし、この本の中では、初代出目男と二代目出目男を分けることなくどちらも単に「出目男」と表記してある。あとがきでさらっと茶目子の新しい夫として三代目出目男がやってきたと書いてあるが*30、それ以外で代を分けている箇所はない。ここでもやはり、二代目出目男と茶目子が元々は親子であり近親交配を行ったという事実を、子どもに隠そうとする何らかの意思があるのかもしれない。

【第4章】 かみね動物園のバシャン

第4章の舞台は日立市かみね動物園。ここに14頭もの子を残したカバの夫婦がいた。

夫の名はドボンという。第2章でも紹介したデカオとナヨコとの間に生まれた子である。1994年に死亡した。

妻の方はバシャンという。かみね動物園の記録によると、ドボンとの間に14頭もの子を産み、そのうち1980年に生まれた2頭はカバとしては大変珍しい双子だった*31。バシャンの子ども達は、ドン(円山動物園)、ズー(東武動物公園)、ヒタチ(八木山動物公園)など、日本各地に散らばっていった。バシャンが2017年に54歳で死んだ時には、日本最高齢のカバだった。

このバシャンの出自は謎に包まれている。かみね動物園の発表によると、バシャンは1963年3月12日に大分県別府ラクテンチで生まれたとされる*32。当時、別府ラクテンチには徳・福という夫妻がいたため、バシャンも彼らの子どもだと考えられる。

一方、動物園のカバについて長年取材を続けてきた宮嶋康彦氏によると、バシャンは東山動物園の重吉・福子の第9子として1970年に生まれ、翌年日立市かみね動物園へと移ってきたという。動物商に50万円で引き取られ、その後日立市が115万円で購入したと、具体的な数字まで書かれている。*33

また、私がTwitterで聞いた話では、別府ラクテンチ生まれのバシャンは1970年頃死亡し、1971年に東山動物園から来たメスが二代目バシャンになったという情報があるらしい(この情報の出典は不明)。

何故、このような食い違いが生じるのか。宮嶋康彦氏によると、動物園間の動物のやり取りには、間に動物商が入るらしい。彼らは通常、売値と買値がバレないように情報を隠すため、動物商から買ったカバがどこから来たのか分からないというケースが昔は結構あったのだ。

誤解無きようにここで述べておくが、今日ではそのような事態が起こることは無いだろう。ある子カバが別の動物園に移る時の映像を見たが、両動物園の関係者が立ち会い、握手を交わしている様子が見て取れる。現在では移動によってカバの来歴が不明になるということはまず無いと考えていい。

さて、この件について、かみね動物園に問い合わせた。その回答では、

  • バシャンは1963年3月12日別府ラクテンチ生まれであると、かみね動物園の動物台帳に記載されている。
  • バシャンは1969年には第1仔(ドン)を産んでいるので、1970年生まれ説はおかしい。
  • 1971年に東山動物園からバシャンが来たという記録は一切ない。

といった根拠を挙げており、かみね動物園側としては1963年別府生まれであることは間違いないという見解だった。

また、これは私の見解だが、宮嶋氏の1970年東山生まれ説が正しいとすると、かみね動物園にいた初代バシャンが1970年ごろ死亡し、1971年にやってきたカバが二代目バシャンになったということになる。いくら昔のこととはいえ、そんな重要な情報が散逸し、両者が同個体だと誤認されるなんてことが有り得るだろうか。

私の知る限り、1970年東山生まれの個体がバシャンであることを明確に示す記述は、宮嶋氏の書籍以外に存在しない。一方で、この問題の一番の当事者であるかみね動物園の記録は全て、宮嶋氏の説が間違いであることを示している。

とするとやはり、かみね動物園側の見解である1963年別府生まれ説が正しいように思う。しかしその場合、では1970年に東山動物園で生まれたカバはどこに行ったのか?という新たな謎が生じてくる。あっちを立てればこっちが立たず。謎は深まるばかりだ。

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映像は51歳の誕生日を迎えたバシャンの様子である。一緒にいるのは末っ子のチャポンである。仮に1970年生まれ説を採用したとしても、44歳とかなりの高齢であることは間違いない。この映像の3年後、バシャンは、長年連れ添った夫・ドボンが待つ天国へと旅立った。

カバの血統に関する情報は、近親交配を回避し安定的に子孫を残すために欠かせないものである。DNA鑑定などの技術を使って何とかバシャンが誰の子だったのか明らかにできないものだろうか。

今のところ、真実を知っているのは、天国にいるバシャンのみである。

【第5章】 長崎バイオパークのモモ

第5章では、長崎バイオパークで生まれ、日本で初めて人工保育によって成長し、メディアから「泳げないカバ」と言われて有名になったモモについて見ていきたい。

だが、モモについて話す前に、モモの両親であるドンとノンノンについて説明していこう。2頭のルーツは第4章で述べた日立市かみね動物園のドボン・バシャン夫妻にまで遡る。この夫妻が1969年に産んだ子・ドンは、円山動物園に移ってジロー、ゲン、さっちゃんという子をもうけた。さっちゃんは長崎バイオパークに移籍してノンノンと改名された。*34

一方、ドボン・バシャン夫妻が1980年に産んだ双子、マルコとドン(1969年生まれのドンとは別個体)もそろって長崎バイオパークに移る。マルコは1984年に死んでしまうが、ドンはノンノンと結婚した*35。このドンと、さっちゃん改めノンノンが、モモの両親である。

図6。長崎バイオパークのカバ達の家系図

当時のバイオパークにはもう1頭ムーミン(1981年旭山動物園生まれ、1984年死亡)というオスがおり、このムーミンとノンノンとの間にトットという子が産まれる。しかし1996年に、ドンがトットを襲うという事件が起き、トットは死んでしまう。*36

モモは、その2年前、1994年3月6日にドンとノンノンとの間に生まれた。

カバは通常、水中で出産し、授乳も水中で行う。カバの赤ちゃんは生まれた時から泳ぐことができる。

しかし、モモが生まれた日は寒かったためか、ノンノンは陸上でモモを出産した。モモはうまく乳を飲むことができずに衰弱していったため、飼育員がモモを取り上げてなんとか一命をとりとめた。数日後にモモをノンノンに返そうとしたが、ノンノンはすでにモモのことを忘れていたため、モモは日本で初めて人工飼育によって育てられることとなった*37

このような経緯で人間に育てられることになったため、モモは自分のことをカバではなく人間だと思い込んでいた可能性がある。最初は水を怖がって泳ぐことができず、メディアから「泳げないカバ」と書かれたりもした。その後は飼育員と特訓を重ねて、問題なく泳げるようになった。*38

生まれて2年後には、飼育員の手を離れてドン、ノンノンと同じ池で生活を始めることもできた(カバの記憶力はあまり良くないので、ドンとノンノンは新しくやってきたこの若いカバが実は自分達の娘だとは気付かなかったであろう)。

2000年には東武動物公園からムーという花婿がやってきて、モモとの結婚式が行われた。そして翌年には第1子であるモモタロウが生まれる。モモは誰に教えられたわけでもないのにちゃんとももたろうに母乳を与え、立派に母親の役目を果たした。2002年にももたろうが中国の動物園へ移籍する際には、市民からの抗議の声が寄せられた。しかし、これは1996年にトットが死んだ時のような事故を繰り返さないための苦渋の選択であった。*39

その後、両頭の間には、ゆめ、龍馬、百吉と、次々に子が生まれる。しかし、2012年にムーは腹膜炎のため死亡してしまう。

その後、新しい夫であるデメタがやってくる。このデメタは、第3章で紹介した三代目出目男の子にあたる。2016年にはモモとデメタとの間にテトが生まれた。*40

下の映像は、モモ、ドン、ノンノンが豪快にスイカを食べている様子である。

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残念ながら、ノンノンはこの映像の5年後の2019年に死亡した。その後、ドンも2022年に死亡している。*41

一方、モモの第4子・百吉は2013年に旭山動物園へ移籍し、旭子というメスと夫婦になった。2019年には、モモにとって初の孫となる子どもが生まれたが、生後間もなく死亡した。しかし、2020年に生まれた第2子は、凪子と名付けられてすくすくと成長している。*42

子どもの頃は「泳げないカバ」とすら言われたモモは、今や、その子ども達とともに日本のカバの未来を担う頼もしい存在となっているのだ。

【まとめ】 日本のカバのこれから

以上が、戦後まもなく日本にやってきて数多くの子孫を残したレジェンド級のカバとその子孫たちの壮大な物語である。それは同時に、全国各地、時には海外にまで及ぶカバの移動の物語でもある。第1章で述べたような理由もあり、動物園で生まれたカバのほとんどは、親元を離れて別の動物園へと移籍していく。

多くの参考文献からは、仕方のない理由とはいえ母子を引き離さなければならない飼育員の苦悩が窺い知れる。カバの母親は勘がとても鋭く、子が連れていかれそうな気配を察すると、子に寄り添ってなかなか離れようとしなかったという*43。また、初代福子は子を取り戻そうとして暴れてケガをしたりもしている*44。壮大なカバ史の裏には、悲しい親子の別れが存在していたのだ。

では今後、重吉・福子夫妻、デカオ、バシャン、茶目子のように、数多くの子孫を残すレジェンドは現れるのだろうか。実は話はそう単純ではない。第1章でも述べたように、カバは巨大でエサ代もかかるため、飼育できる数に限りがある。また、かつてはその物珍しさから動物園のスター的存在だったカバも、多くの動物園で飼育されるようになってからは人気に陰りが出てきているという。よって、たくさん子が産まれたとしても貰い手が見つからないという事態になりかねない。

そうした事情もあるため、せっかく夫婦になっても一緒には生活できないケースが増えている。例えば池に入る時間を別々にするなどして接触を避け、子どもが生まれないようにしている動物園も多いのだ。

一方で、飼育環境の改善などもあり、長生きするカバは多い。二代目重吉は52歳、初代福子は46歳、茶目子は48歳、バシャンは54歳まで生きた。人間で言えば90歳を超える長寿だったとみられる。2022年11月現在、国内最高齢のカバは円山動物園のドン、52歳ということになる。

日本の動物園にいるカバもまた、人間と同じように少子高齢化の時代を迎えているのである。

最後に、ここで紹介したカバの名前や系譜などの情報は複雑に入り組んでいるため、間違いがある可能性があること、全体像を完璧には把握できていないことはご了承願いたい。本記事で挙げた家系図についても、私の調査不足、あるいは紙面の都合などにより、全ての個体を網羅しているわけではないことはご理解いただきたい。

また、本記事は第5章まででいったん終了とするが、紹介できなかったエピソードについてはいずれまた記事にしたい。

*1:『日本カバ物語』、宮嶋康彦、情報センター出版局、39ページ

*2:GW2日目続き:上野動物園 カバ来日100年 上野動物園カバ名鑑 | 有閑動物図鑑

*3:このメスの名前が福子だったとする文献もあったが、本記事では東山動物園のブログに書かれた内容に沿って記述する。

*4:名古屋カバ入り物語?E|オフィシャルブログ|東山動植物園

*5:『だからカバの話』、宮嶋康彦、朝日新聞社、103ページ

*6:名古屋カバ入り物語?F|オフィシャルブログ|東山動植物園

*7:『だからカバの話』、宮嶋康彦、朝日新聞社、51ページ

*8:『だからカバの話』、宮嶋康彦、朝日新聞社、127ページ

*9:水中でイキイキ百吉 | 北の暮らし ~札幌・宮の森から~

*10:『カバの母さん福子』、川村浩(文)、中村英夫(絵)、学習研究社、47ページ

*11:名古屋カバ入り物語(8)|オフィシャルブログ|東山動植物園

*12:とべ動物園のかばさん

*13:名古屋カバ入り物語?H|オフィシャルブログ|東山動植物園

*14:GW2日目続き:上野動物園 カバ来日100年 上野動物園カバ名鑑 | 有閑動物図鑑

*15:カバ園長のおもしろカバ日記』、西山登志男、ポプラ社、110ページ

*16:カバ園長のおもしろカバ日記』、西山登志男、ポプラ社、96ページ

*17:カバ園長のおもしろカバ日記』、西山登志男、ポプラ社、74ページ

*18:カバ「サツキ」メス39歳、死亡しました | 東京ズーネット

*19:カバの「ジロー」が死亡しました(※死因は循環不全でした) | 東京ズーネット

*20:『カバの茶目子のおねがい』、亀井一成ポプラ社、36ページ

*21:神戸市王子動物園機関紙「はばたき」No.19

*22:神戸市王子動物園機関紙「はばたき」No.52

*23:『カバの茶目子のおねがい』、亀井一成ポプラ社、9ページ

*24:『カバの母さん福子』、川村浩(文)、中村英夫(絵)、学習研究社、32ページ

*25:最新ニュース|神戸市立王子動物園

*26:王子動物園/思い出のアルバム/70

*27:旭山動物園とカバ

*28:旭山動物園だよりNo.204

*29:最新ニュース|神戸市立王子動物園

*30:『カバの茶目子のおねがい』、亀井一成ポプラ社、156ページ

*31:日立市かみね動物園|川添久美子のブログ(平成28年3月)

*32:日立市かみね動物園|カバのバシャンが亡くなりました(訃報)

*33:『日本カバ物語』、宮嶋康彦、情報センター出版局、216ページ

*34:カバのドンの息子の訃報 | 北の暮らし ~札幌・宮の森から~

*35:日立市かみね動物園|川添久美子のブログ(平成28年3月)

*36:『日本カバ物語』、宮嶋康彦、情報センター出版局、260ページ

*37:正確には、モモより以前に日本で人工飼育を行った例はあったのだが、無事に大人に成長したのはモモが初めてのケース。

*38:「泳げないカバ」地域に愛され26年 伊藤副園長振り返る 長崎バイオパーク | 長崎新聞

*39:『きっと泳げるよ、カバのモモちゃん』、大塚菜生、汐文社、86ページ

*40:カバ | 長崎バイオパーク - ZOOっと近くにふれあえる九州の動物園&植物園

*41:【長崎】長崎バイオパークのカバの「ドン」死ぬ | NCC長崎文化放送

*42:元気なカバの赤ちゃん、27年ぶりに誕生 旭山動物園:朝日新聞デジタル

*43:『カバの茶目子のおねがい』、亀井一成ポプラ社、156ページ

*44:『カバの母さん福子』、川村浩(文)、中村英夫(絵)、学習研究社、32ページ