新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

2022年上半期に見ていたアニメ

SHAMAN KING

最終回が終わった後、記事を書こうとしたけどやめた。原作で見た最終回をアニメでまた見れる感動だけで、十分だと思ったから。

この作品は一貫して完全な悪人など存在しないのだということを描く。あのハオですら、他人の心を読めるという力によって闇に落ちていったに過ぎない。葉も蓮もホロホロも、それぞれに心に闇を抱え、一歩間違えればハオのように人を恨み滅ぼそうとしていたかもしれないのだ。

だからこそ、どんな悪人でも救われる道がある。それは、マルコが言っていたように、愛の力によってである。そして、マタムネが恐山で葉に語ったように、愛とは、信じ続けるということ。オパチョをはじめとするハオ一味のシャーマンたち、葉とその仲間、彼らからの巨大な愛の力がハオを救い出したのだ。それは漫画の中だけの理想論かもしれないし、現実の世界は葉たちの理想からは真逆の方向に突き進んでいるが、それでも人類が忘れてはいけない究極の理想がそこにはある。

スローループ

まんがタイムきらら系の作品としては珍しく、主人公2人や恋ちゃんの両親がじゃんじゃんストーリーに関与してくる作品だった。また、回を追うごとに一花・二葉の姉妹やら楓さん(CVが日笠陽子の人)やら、周りの大人や子どもも登場してきて、釣りを通して主人公・海凪ひよりの世界が広がっていくような作品だったと思う。

特に二葉ちゃんは主人公より年下の子という『ヤマノススメ』におけるここなちゃんポジションのキャラクターだったけど、小学生特有の悩みも抱えているなど、他作品では見られない要素もあり良かった。この子は将来、釣りサーの姫になりそう。

そして本作を見る楽しみの半分は恋ちゃんにあったと言っても過言ではない。基本クールなダウナー系キャラでありながらも、両親と接する時には別の一面が見えたり、幼馴染のひよりちゃんの事をいつも見守り甲斐甲斐しく世話を焼くなど、こちらも他作品に無い魅力を持ったキャラクターだと思う。ポジション的には『放課後ていぼう日誌』の黒岩部長と夏海を足し合わせたような立ち位置だと思う。

SPY×FAMILY

アーニャの可愛さでかなり強引に話を進めている作品のように感じる。例えば、面接試験(4話)、遊園地(5話)、ダミアンとの仲直り(7話)、ドッジボール(10話)など、落ち着いて考えてみれば各ストーリーはどれも単調で意外性が無いのだが、それをアーニャのリアクションを駆使して良作にまで持って行っている。

そして、言うまでもないが、アーニャ役の種﨑敦美さんの名演あっての本作だと思う。アーニャの出てるシーンはここ数年で1番くらいに笑いながら観ていた気がする。人は、あまりにも可愛いものを見ると笑いが込み上げてくるのだと分かった。

まちカドまぞく 2丁目

この作品も『SPY×FAMILY』と同じくストーリーは有って無いようなものだと思うし、ぶっちゃけ細かい設定とかもう覚えていないが、それでも見続けられる不思議な面白さがある。まるで気づかないうちにぬるま湯に浸かっているかのような、何も考えずとも見れる安心感がある。

第一期の時は小原好美さん演じるシャミ子のキャラクターで突っ走った感じだったが、2期途中から急に百合的パワーが開花。同棲、記念日設定、お腹まさぐりともうやりたい放題となり、作品自体もそこから一気にブーストがかかったように思う。

平家物語

以前記事を書いたのでそちらをご覧ください。
アニメ『平家物語』感想

明日ちゃんのセーラー服

こちらも以前記事書いてるのでご覧ください。twitterでも何度も言ってるが、自分の激推しは何と言っても蛇森さんなので。
『明日ちゃんのセーラー服』で好きなキャラクターベスト7

かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-

このアニメ第3期のエピソードは、原作で言えばちょうど、各キャラクター間の関係性が上手く構築され、その中で繰り広げられるギャグが最も洗練されていた時期にあたる。なので、そのアニメ化ということで個人的にハードルを上げ過ぎたきらいがある。欲を言えば全て原作通りに作ってくれれば間違いなしなのだが、様々な制約がある中でそれは不可能であるし、かといってアニメ特有の良さが付与されていたかと言えば、それが無かったとは言わないがそこまで多かったわけではないので、物足りないという気持ちになった。

ただ、3期のMVPは間違いなく四条眞妃ちゃんだと思う。原作でも登場する回は必ず神回であり、よくもなあこんな凄いキャラ生み出したものだと思った。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第2期

第2期は一貫してプロとアマチュアの対比みたいなものを描いてるんだなと思う。ランジュ・ミア・栞子の掲げる「完璧なパフォーマンスをする」「依頼通りの音楽を作る」「自分の適性に合った仕事をする」はプロとしては完璧な心構えだけど、そこに自分のやりたい事は無くない?っていう疑問を提示していく物語。アマチュアのアイドル活動であるスクールアイドルはもっと自由な発想で、自分のやりたい事を追及していい場所だという考え方が根底にはある。

だが、最終回近くになると、良くも悪くもそういった対比構造は薄まり、物語の焦点は高咲侑のほうに移っていった。最初は歩夢や他のスクールアイドルを応援する立場だった侑が、次第に自分のやりたいことを見つけ自らも表現者となっていくという展開で、『さくら荘』や『冴えカノ』から連なるクリエイター系ラブコメの系譜を踏襲しているように感じる。

どの話も決して悪くはなかったが、第1期の9話や11話のような突出して面白いと思える回は無かった。各回に流れる楽曲とPVも、全体的に1期の方が良かった。

処刑少女の生きる道

青と黄色を基調とした神官服に時折見せる厳しい表情と、メノウさんは実にアニメ映えするキャラ造形だと思う。また、メノウの後輩であるモモの強烈なインパクトも素晴らしく、久しぶりに金元さんの当たり役を見たなぁという気持ちになる。

原作でいうところの2巻までのアニメ化ということで、もう少しテンポよくやってほしかった気もするが、そこは原作ラノベの販促も兼ねたアニメ化ということなのだろう。

くノ一ツバキの胸の内

第6話から登場してきた転入生リンドウがあまりにも可愛すぎませんかね? 小原好美さんの演技も相まって圧倒的な可愛さになっていて、正直、他の子が霞むレベルだと思う。そりゃ、ヒナギクさんも泣くわ。「各班の個性豊かな面々を見て楽しむのがこの作品本来の楽しみ方だよなあ」という気持ちと、「もう毎回リンドウ主人公で良くね?」という気持ちの板挟み状態。このキャラクターをポンと出してこれるのが山本崇一朗のすごいところだと思う。

からかい上手の高木さん3

「夢」を題材としたエキセントリックな構成の第1話、前半を丸々サイレントにした第2話と、構成に工夫が見られて良かったが、それ以降は良くも悪くも小さくまとまった普段通りの『高木さん』という感じだった。あと、もう少しミナちゃんの出番増やしてほしいと感じずにはいられない。