新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

アニメ

2015年下半期のアニメ総評

上半期のアニメについてはこちらの記事に書いた。 干物妹!うまるちゃん 始まる前はノーマークだったが、知人に勧められて見ると意外と面白かった。外ヅラ妹、ゲーマー妹、干物妹という風に、縦横無尽にキャラを使い分ける姿が面白い。あれくらい自由に仮面を…

話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選

今年もこの季節がやってきました。例年通り、ブログ「新米小僧の見習日記」を参考にして、 ・2015年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。 ・1作品につき上限1話。 ・順位は付けない。 というルールで、今年最も印象深かった1…

WIXOSSの新CMがヤバい

WIXOSS るう子とバトル編 15秒【TV-CM】 - YouTube WIXOSS 晶とバトル編 15秒【TV-CM】 - YouTube WIXOSS 遊月とバトル編 15秒【TV-CM】 - YouTubeいや~素晴らしいですね。何度も見返してしまう破壊力があります。特に遊月の「もう一回!もう一回だけ!」の…

2015年上半期のアニメ総評

2015年上半期に見たアニメについて、自分の感想をまとめました。2014年から引き続きで見てた作品 : SHIROBAKO、四月は君の嘘1~3月期のアニメ : 艦これ、幸腹グラフィティ、ローリングガールズ、冴えない彼女の育てかた4~6月期のアニメ : 終わりのセラフ…

『響け! ユーフォニアム』総評

演出・ストーリーについて 個人的な好みもあるが、7話、8話あたりから大化けした印象が強い。そこから最終回まで、各話それぞれに異なる見どころや味わい深さがあった。 この手の作品に有りがちな「主人公補正」が一切無く、あくまでも吹奏楽部という組織の…

『響け! ユーフォニアム』の中川夏紀先輩は何故こんなにも可愛いのか

夏紀先輩は何故こんなにも可愛いのか、そんな事を私ら程度が議論して何らかの答えが出せたとしても、ひとたびアニメで夏紀先輩のお姿を見れば、その可愛さの前に議論など無意味だと知るよね。それでも私は夏紀先輩について語らずにはいられない。下に挙げた…

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。-続-』に出てきた中身の無い会議が、現実の日本で現在進行形で行われている件

この期に及んでまだ「当初のザハ案で行くべき」「世界に誇れる素晴らしい競技場を作ろう」「計画変更とか有り得ない」とか言ってる人は、お願いだから『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。-続-』の第6話と第7話を見て。そして、あと1週間後に迫ったク…

『響け! ユーフォニアム』第7話感想―葵ちゃんの退部と『青空エール』との比較

『響け! ユーフォニアム』第7話は、全国を目指した練習に嫌気がさした葵ちゃんが退部する話だった。滝先生も他の部員も、一応、退部の理由を聞いたり辞めないよう説得したりはするものの、無理に引き留めるようなことはしなかった。人それぞれに部活に対する…

あ…ありのまま『プラスティック・メモリーズ』第1話で起こった事を話すぜ…

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ…人間とアンドロイドとの間の切ないラブストーリーだと思って『プラスチックメモリーズ』第1話を見ていたら、いつの間にか、おしっこ我慢アニメになっていた…な…何を言ってるのか分からねーと思うが…おれも何が起こったの…

話数単位で選ぶ、2010年&2011年TVアニメ10選

このブログでは、2012年から「話数単位で選ぶ、TVアニメ10選」という企画に参加し、その年最も良かったアニメを話数単位で選出してきました。しかし、2010年と2011年については選出してなかったので、記憶が確かなうちにきちんと選出しておこうと思い、この…

修行僧的スポーツアニメとして見る『艦これ』―あるいは、司令官への愛ゆえにストイックに努力し、喜びと絶望を味わった一人の艦娘の物語

はじめに タイトルにある「修行僧的スポーツ」とは、edopurpleさんが「修行僧的スポーツ漫画 - 江戸紫外郎のブログ」という記事で用いた言葉だ。努力と根性で上を目指すスポ根漫画や、努力してるところを極力描かないユルい部活漫画とも異なる、第3のスポー…

『SHIROBAKO』のみゃーもりと絵麻ちゃんが百合カップルであることの数学的証明

りきおさんの記事「ムサニ公認百合カップル? あおいと絵麻の愛の記録〜SHIROBAKO前半戦より - りきおの雑記・ブログ」によると、『SHIROBAKO』のアニメーション同好会の5人組が女子会を開くと、いつも決まって絵麻ちゃんとみゃーもりが隣どうしになってるら…

アニメ『鑑これ』におけるコメディとシリアスの中途半端さ、バランスの悪さについて

どうも「やらおん!」などのアフィブログを見てる人たちのアニメを批判するポイントというのは、コメディとシリアスのバランスの悪さ・中途半端さにあるらしい。しかもそれは、両者の単純な比率の問題ではなく、彼らが「そうそう!こういうので良いんだよ!」…

『結城友奈は勇者である』最終回感想―「大好きな仲間のため」という思考停止の言葉

『結城友奈は勇者である』最終回まで視聴しましたが、以前の記事「『結城友奈は勇者である』の気持ち悪さ - 新・怖いくらいに青い空」で述べたような本作に対する違和感は、減少するどころかますます増幅されてるように感じます。結局最終回で強調されていた…

話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選―惜しくも10選には入らなかったが素晴らしかった回まとめ

以前の記事「話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選 - 新・怖いくらいに青い空」で、今年最も印象に残ったアニメを話数単位で10話選出しましたが、ここでは、様々な理由により惜しくも10選入りは逃したけれども、非常に印象深かったアニメを選びました(敬称略…

話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選

毎年恒例のアニメ話数単位10選の季節がやってきました。今年も、ブログ「新米小僧の見習日記」さんの記事*1を参考にて、 2014年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。 1作品につき上限1話。 順位は付けない。 というルールで…

『結城友奈は勇者である』の気持ち悪さ

『結城友奈は勇者である』を第9話まで見た時点で感じた違和感をまとめてみた。 主人公達が正体不明の敵と戦うという設定 バーテックスと呼ばれる正体不明の怪物を和解不可能な悪と決め付け、勇者部一同による「国防」を絶対的に正しい行為として描いているの…

『甘城ブリリアントパーク』のパラダイス的魅力

『探偵!ナイトスクープ』では、地元の個人が趣味で経営してるようなボロくてショボくてツッコミどころ満載のテーマパークの事を「パラダイス」と称し、そこに桂小枝局員が訪れて面白おかしく紹介するコーナーがあります。回によって異なりますが、その「パラ…

『幻影ヲ駆ケル太陽』の舞台・長崎県長崎市の石橋を見てきたったwww

連休を利用して長崎に行ってきました。長崎市内に現存する貴重な石橋を撮影してきましたので、その一部をご紹介します。新中川町電停近くに架かる中川橋(左)と古橋(右)。閑静な住宅街にひっそりと存在する。長崎の中心部を流れる中島川には、江戸時代に…

『キルラキル』と『利己的な遺伝子』(その2)―遺伝子に「着られる存在」から「着こなす存在」へ

リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』の本文は、次のような一文から始まる。 ある惑星上で知的な生物が成熟したといえるのは、その生物が自己の存在理由をはじめてみいだしたときである。 (中略) 地球の生物は、三〇億年もの間、自分たちがなぜ存在…

『キルラキル』と『利己的な遺伝子』

利己的な遺伝子 (科学選書)作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 1991/02/28メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 102回この商品を含むブログ (110件) を見るリチャード・ドーキンスは著書…

『銀の匙 2期』第2話考察―八軒の自己犠牲精神と「世界をポジティヴにとらえる才能」について

『銀の匙 2期』の第2話は、全体を通して八軒の自己犠牲精神が描かれていましたが、このブログで何度か取り上げた自己犠牲に関する考察が、この第2話を考える上で良い補助線になると思います。 『うえきの法則』とカント哲学について―何が道徳的に「正しい」…

深夜アニメ セーラー服軍 vs ブレザー軍で打線組んだwww

2000年代後半から2013年までに活躍した選手限定。選出できるのは各球団から1名まで。打順(守備位置)、選手名(所属球団)、の順に記述。 セーラー服軍 (中) 佐天涙子(とある科学の超電磁砲) (二) 宮藤芳佳(ストライク・ウィッチーズ) (遊) 桂ヒ…

話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選

まだ少し早いかもしれないですが、今年印象に残ったアニメを話数単位で選出しました。選出に際してのルールは、記事「話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選: 新米小僧の見習日記」にあるとおり、 ・2013年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を…

『キルラキル』はノーパン主義

「制服」と「鋏」、「自由」と「服従」 ブラジャーを考えた人は誰だろう。よくもまぁあんなものを思い付いたもんだ。天地がひっくり返るような発想だ。(中略) そう考えてみれば、パンツを発明した人はもっと凄い。今もって老若男女全てを束縛している。人…

『銀の匙』第11話考察―逃げてきた先で自分と向き合うということ

このブログで時間をかけて説明してきたように、八軒はエゾノーに入学するまで「自分はこうあるべきだ」という思い込みが強すぎて、それが達成できなかった時に強い負い目を感じる傾向が強かったのだと思う。親の期待に応えなければならない、勉強が苦しくて…

『銀の匙』第10話考察―豚丼がいた教室と、命と向き合うということ

『ブタがいた教室』という映画をご存じの方も多いと思うが、そのモデルとなったのは大阪府の豊能町立東能勢小学校で行われた実際の授業だったという。この授業の概要はテレビで一度見ただけなので、細かい所は違っているかもしれないが、おおむね次のような…

『銀の匙』第8話考察―大事なのはミスをしないことではなく、今自分ができる最大限の努力を続けること

これまで八軒は、常に「完璧」を目指して勉強や農作業に努力してきた。良くも悪くも完璧主義な八軒には、「失敗」は決して許されないものだ、という強迫観念のようなものがあったのだろう。しかし、勉強や仕事やその他何であれ、ミスをしない事よりもむしろ…

『銀の匙』第7話考察―出産シーンは本当に感動的か?

たまこの実家が経営しているギガファームを見学しに行った八軒達。子牛の出産に立ち会い、その感想を聞かれた八軒の第一声は「グロい」というものだった。 八軒「ムリムリムリムリ無い無いグロい怖い!」 たまこ「生命の誕生よ! 感動しないなんてあなたおか…

『銀の匙』第6話考察―分業化によって遠ざかった「死」を実感するということ

近代化とは、生産プロセスの分業化の歴史でもある。かつては一つの家族や村で衣食住に関するあらゆる物を生産していたのが、近代以降になると、食料は農村で、衣服は工場で、工業製品はまた別の工場で、という具合に別々の場所で生産されるようになった。例…