新・怖いくらいに青い空

アニメ・マンガ・ライトノベル考察

久しぶりに『ハナヤマタ』を見た

浜弓場双先生の『おちこぼれフルーツタルト』が10月からアニメ化されるのに合わせて『ハナヤマタ』が再放送されていて、毎週楽しみに見ていたが我慢できずにdアニメストアで全部見てしまった。

リアルタイムで見ていた時は気付かなかったが、いやもうこれ、素晴らしいアニメだなあ。

霞がかかったような淡い色彩表現は『ノーゲーム・ノーライフ』や『宇宙よりも遠い場所』を彷彿とさせ、いしづかあつこ監督の味が実によく出ている。

そして登場人物が毎回ぐだぐだウジウジ思い悩んでああもうコイツらめんどくせーってなるんだけど、みんな顔真っ赤になって泣いて笑って、見てるこっちが恥ずかしくなるようなセリフ吐いて、でもそれが良いんだよなぁ。

何の取り柄もない普通の女の子でも、自分から一歩前に踏み出すことができれば、世界は変わる。このテーマは『宇宙よりも遠い場所』にしっかりと踏襲されています。

特に、なるとヤヤちゃんとの関係性は、まさに『宇宙よりも遠い場所』のキマリとめぐっちゃんとの関係性と同じなんですよね。ヤヤにとってなるは大切な親友であると同時に、ヤヤはなるのことを自分より下の人間だとも思っていて、そういう子を身近に置いておくことで安心感を得ているわけです。で、そんな子が、自分が知らない間にパッと出の外国人と親しくなっていて、いっしょに部活まで始めてなんか前よりも輝いて見える…、という女どうしの複雑な激重感情、そこからの関係性の転換がしっかりと描かれている。

やはりと言うべきか、いしづか監督はハナヤマタから強いインスピレーションを受けて『宇宙よりも遠い場所』を作ったんだという事がよく分かります。